ゆ き と の 書 斎

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レビュー(映画)

2006年05月06日
「七人のマッハ!!!!!!!」

僕はいわゆる「お涙ちょうだい」のドラマなどを見ても、生来のあまのじゃくが頭をもたげて決して涙腺が緩むことはないんですが…。
若いころは自分を「血も涙もない男だ」と思っていたのですが…。
製作者がまったく意図していないと思われる場面で、僕自身まったく予想だにしていない精神深くの「ツボ」を突かれて、ぶああっ!と滝のごとく涙を流してしまうことがたま~にあります。

古くは20歳すぎに観たタルコフスキーの映画「惑星ソラリス」のあるセリフで。
その後、有線放送のまんが日本昔話の「笠じぞう」、K-1GPでのホースト初優勝、スターウォーズDVDでのデススター攻略シーンなど、支離滅裂な僕の落涙ラインナップに新しく2本加わったので、ここに紹介します。
※一つ目は「珍寺大道場」の項へ。

二つ目はこのあいだ観たDVD「七人のマッハ!!!!!!!」
前に日本でもヒットしたムエタイ映画「マッハ!!!!!!」のアクション監督が作った映画で、別に「マッハ!!!!!!」の続編というわけではありません。
いかにも「マッハ!!!!!!」の二番煎じを狙ったようなタイトルなので、あんまり期待しないで観はじめたのですが、予想をいい方向に裏切ってくれた良作です。

「七人の××」と聞くと当然黒沢明の「七人の侍」の、無法者の脅威におびえる村人達が七人の戦闘のエキスパートを雇って~という筋書きを連想してしまいますが、この「七人のマッハ!!!!!!!」ではスポーツ慰問団が村を訪れている時に突然謎のゲリラ部隊に襲われて、準備もなにも無くいやおうなく戦闘に巻き込まれるというスピーディな展開。
いったんは全員が捕らわれ、座して死を待つばかりという時、朝のラジオから流れるタイ国歌を村人全員が斉唱。勇気を振り絞って死を覚悟の住民蜂起を決行。
タイ人ならこの辺のシーンに感涙なのでしょうが、僕の落涙シーンはもう少し後。

ゲリラから奪ったM16で子供たちを守り、近づくゲリラを撃ち殺しまくるジイさん。
しかしすぐに弾切れ。襲いかかるゲリラ!!
ジイさんいきなり古式ムエタイの技でゲリラをKO!!
さすがに体は硬いものの、バックスピンエルボーなどの必殺技で武装ゲリラをノックアウトしていくジイさんに僕の涙腺は緩みっぱなし!!
ちなみにこのジイさんは「七人」の中に数えられていません。