ゆ き と の 書 斎

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レビュー(映画)

2002年09月20日
「バイオハザード」「リターナー」

 
毎回恒例の仕事後の映画鑑賞で、今回は「バイオハザード」と「リターナー」を観てきました。
 
・「バイオハザード」
監督がポール・アンダーソンということで、まずハズレはないだろうとふんでました。
この監督の過去の作品、「モータル・コンバット」「イベント・ホライズン」「ソルジャー」いずれもB級的小粒な作品ですが、僕は大好きなものばかりなんですよ。
というわけで、今回もクールな演出とひねりのきいたプロットで魅せてくれました。
予告ではアクション映画になっちゃうのかと思いましたが、実際には正攻法のホラー、サスペンスの演出で笑う余地のないほどの緊迫感です。
 
ゲームのクライマックスではロケットランチャーで巨大モンスターをふっ飛ばすようなスペクタクルな対決が映画ではないので、人によっては物足りないかもしれません。
しかし、映画のクライマックスでは武器は拳銃一丁に弾倉一個。ゲームをやった人ならこれがどんなに絶望的な状況かわかるでしょう。
(T_T)
 
ゲームのストーリーともあまり破綻のないようにつながるようになっていて、特にラストなどはニヤリとさせられます。
 

・「リターナー」
いや~、面白かったっす!!
僕は日本映画でここまでできたことに素直に感動しましたよ、マジで!!
ストーリー中盤は地元の筑波が舞台で、筑波山ふっ飛ばされちゃうし。
(^o^;)
宇宙開発研究所の上空をジャンボジェットが低空で飛んでるのを見て,「筑波の上にこんなジャンボは飛ばないぞ?」と不審に思ってたらちゃんと伏線になってたり。
 
僕は主役の金城武という人はゲームの「鬼武者」で初めて知って(芸能人オンチですいません)、「やけにろれつの回らない話し方する人だなぁ」とか思ってました。
台湾出身の人だと知ったのは映画見る直前でした。
日本語は「鬼武者」の時より上達していて、役の設定自体も「大陸から日本に来た」ということになっているので不自然さは全然なかったです。
 
たしかに,タイムトラベルとか宇宙人侵略とか,個々の題材は手あかがついていて目新しさはないともいえますが,「目新しい」ことがイコール「面白さの本質」ではないのでそんなことは僕的にはどうでもいいです。
大切なことは古いことわざにあるように「古い葡萄酒を新しい瓶に入れて出す」こと。
 
山崎監督の作品の題材の扱い方は,一見して分かるようにジャパニメーション的手法で,ジャンルは雑多,それを緻密な演出とプロットで見せていく方法ですが,僕が重視したいのは生身の俳優を使ったドラマ部分が実写映画としてちゃんとしていること(邦画にはまともに演技できない俳優も多いですから…)。
ジャパニメーション的荒唐無稽なSFX演出と、足が地についた俳優の演技のバランスがとれて、はじめて「実写映画」として語るに足るものになるということです。
 
むかし雨宮慶太の「ゼイラム」を観たとき「こいつは将来ハリウッドと真っ向勝負できるような日本特撮映画を作ってくれるかも!?」と夢を見ましたが,結局「ちょっと豪華な特撮ヒーローもの」の範疇から出ることがなく,夢は夢のままで終わりました。
しかし山崎貴監督は「ジュヴナイル」以後まっすぐ順調に成長しているようです。
すくなくとも「リターナー」クラスの作品をあと2,3本作れば「日本のツイ・ハーク」の名をほしいままにできるでしょう。
そうしたらぜひとも「怪盗ヤミー」の完全版を作ってほしいものです。
(^_^)