ゆ き と の 書 斎

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レビュー(映画)

2002年07月18日
「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」

 
「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」の感想書きます。…
当然のように特撮の完成度高いし、個々のアクションシーンのクオリティも高いんだけど、なーんかふに落ちないのですわ。いまひとつのれなかったし納得がいかない。
そんでその納得がいかない理由を考えてみたんですが…。

*以下ネタバレ含みます*

このところ毎月映画館に行っているので、「クローンの攻撃」の予告は毎回観てるわけです。
予告はワクワクさせられるものがあったのですが、どうも、この時点で僕は間違った期待を持ってしまったようです。それは。

(僕):おおっ、とうとうクローン戦争が始まるのかっ!
→(実際):「クローン戦争の始まりじゃ」というヨーダのセリフは劇の一番最後。クローン戦争はこれから始まるらしい(エピソード3?)。

(僕):アナキン君とアミダラちゃんがこう、ぶっちゅ~と、抜き差しならぬ関係になるのかあぁぁ!?
→(実際):ぶっちゅ~はしますが、ラブコメ状態どまり。赤ちゃんができちゃうところまではいかない。

(僕):ジェダイ騎士団全滅かぁ!?
→(実際):多少死者が出るけど、全滅はしない。

以上の的外れな期待(!?)にくわえ、個々のエピソードに欲求不満がたまる要素がありました。

タスケンレイダーに母が殺され、アナキン君が暗黒の怒りを爆発させるのはいいシーンなんだけど、タスケン一族虐殺のシーンはもう少し実際に描写するべきだと思います。まあ子供も見る映画だし、残虐な表現もできないんだろうけど、「抜き差しならぬ領域に踏み込んだ」という部分を、アナキン君のモノローグだけでなく描く必要があると思います。

クライマックスのドゥークー伯爵との決闘で、ヨーダが大立ち回りを見せてくれたのは楽しい驚きでしたが、結局伯爵は逃げおおせてしまう。ここは伯爵は一刀両断に斬られるべきだった。
前作「ファントム・メナス」で僕が唯一評価しているのがダース・モールの剣劇シーンです。ダース・モールというキャラは政治劇の見地からは捨て駒でしかないのでしょうが、クワイ・ガン・ジンを斬り、オビ・ワンに斬られることで分かりにくいストーリーにカタルシスを与えてくれた。
ドゥークー伯爵はダースモールほど分かりやすい悪役ではないのですが、この何もかもが中途半端で分かりにくい物語の中では、バッサリ斬られて花と散ってほしかった。なんでわざわざ生かしておくのか。デス・スターの設計図を伝える方法なんていくらでもあるでしょう。

あるいは、僕が観たかったのは「負け戦」だったのかもしれない。かつての「帝国の逆襲」のように。
政敵の罠にはまり、ジェダイ騎士団は全滅。アナキン君は道を踏み外し、アミダラちゃんといい仲になって妊娠させてしまう一方、暗黒卿の誘惑を受けオビ・ワンとは決定的に対立。
クライマックスのドゥークー伯爵との決闘では、一時的に仲直りしたオビ・ワン、アナキン君が立ち向かうも、あっさり返り打ちにあい、そこへあらわれたヨーダが自分の命とひきかえに伯爵を斬る!…ってヨーダが死んじゃまずいか。じゃあこうだ。そこへあらわれたメイス・ウィンドウ(黒人のかっこいいジェダイね)が自分の命とひきかえに伯爵を斬る!(この人ジャンゴ・フェットも斬ってるし、おいしすぎ)

極端な話を作っちゃいましたけど、「クローンの攻撃」は「決定的な出来事」が足りないと思います。