ゆ き と の 書 斎

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レビュー(映画)

2004年02月21日
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」「URDA-ウルダ-」

 
・「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」
 
1975年台湾映画。ブルース・リー登場以前にカンフー映画の大スターだったジミー・ウォングの代表作。ストリートファイターIIやキルビルの元ネタになった伝説的作品、ついにDVD化!
 
はじめに断言しておきますが、これは大傑作です!!!!
観る前に「古い映画だしな~…テンポとかタルいかもな~」などと一瞬でも思ってしまった僕をお許しくだされっ!!
必要のないシーンいっさいなし!説明的なドラマもなし。見せ場・見せ場・見せ場のつるべ撃ち。
僕はここ最近中国拳法の研究をしているのですが、この映画にあますところなく描かれている「勝つためなら手段を選ばぬぅぅ~」という精神が中国武術の神髄だと大納得しました!
 
またこのDVDには作品に対する愛があふれています。解説文や特典映像のインタビューをしている日本人スタッフの愛が胸を打ちます。
60代になって半ば引退状態だったジミー・ウォングも、日本映画祭での大好評に発奮して続編を作る気になっているそうで、それも楽しみです。
 
唯一残念だったのは、フィルムの状態なのか、劇中ときどき画面が明滅するようになってしまうシーンがある点です。デジタル処理とかでなんとかしてほしかったですね~。
 

・「URDA-ウルダ-」
 
ロマのフ比嘉という人が独力で自主制作した3DCG作品。2002年からインターネット上で公開していたものが評判を呼び、このたび5.1chサラウンド付きでDVD発売されたものだそうです。
 
しゅごい!おもしろい!30分作品とは思えない内容の濃さ!
いや~、驚きました。ほんとにこれ、独りで作ったんですか~。
DVDはちとお値段が張りますが一見の価値ありです。
 
絵柄はトーンシェーディングによるアニメ調の独特の映像。キャラ造形もアニメ風。
キャラも立っているしストーリーの完成度も高い。人物の眼球の動きによる細かい演技なんかはそこらの手描きアニメのレベルを遥かに凌駕してます。
スペクタクルアクションの構図や演出は3DCGの特性を生かしたハリウッド的な実写映画寄りの演出で、すごいセンス。
細かく章立てされたエピソードの導入部の映像なんかはうならされました。
 
パソコンや3DCGソフトの性能が上がり、理論的には独力で作品が作れる環境が整っていたわけですが、ついにこのような才能を持った人が出てきましたか~。
なんか、いろんな意味で感無量です。