ゆ き と の 書 斎

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レビュー(映画)

2004年04月27日
「キルビルvol.2」「アップルシード」

 
ネーム作業中なのですが、仕事を抜け出して映画「キルビルvol.2」と「アップルシード」を観てきました。
二本ともなかば義務感で観に行ったのですが、予想に反して(!)二本ともおもしろかったです。
で、感想。ネタバレはないです。
 
・「キルビルvol.2」
 
vol.1での100人斬りのような大味なスプラッターアクションは今回はなく、すべて1対1のシンプルな対決。残虐シーンはほとんどないのでそういうのが苦手な方も今回は安心です。
(vol.1観た時は劇場はカップルでいっぱいだったけど、今回はガラガラだった。やっぱりvol.1のスプラッターで女性の方がひいてしまったのかな~)
今回の見所は、回想シーンを交えたヒロイン・ザ・ブライドとラスボス・ビルとの愛憎のドラマ。
デビッド・キャラダイン演じるビルは渋く、かっちょよく、そして切ないです。
ネタばらしは避けたいのでくわしくは書けませんが、「ザ・ラブストーリー」というコピーに偽りなし。
前作で「なんだかな~」と思った人も、ぜひ観ることをお勧めします。
 
こうしてvol.1、vol.2を通して見てみると、なんか日本編のパートだけ浮いているような…?
不満点が日本編にだけ集中しているのは、僕が日本人だからなのかな…?
いっそのこと日本編はぜんぶプロダクションI.Gのアニメで描いちゃった方がよかったんじゃないかなぁ。
 

・「アップルシード」
 
はっきり言って「イノセンス」より10倍おもしろかった。
原作の1巻を忠実に映画化したのかと思って観たら、だいぶ違うオリジナルストーリーでした。原作の忠実なファンには賛否が分かれるでしょうが、僕はこれは正解だったと思う。
表題の「アップルシード」という謎の言葉の意味もちゃんと物語上重要なアイテムとして出てきて、テーマがちゃんと明確に打ち出されて完結している。(続編を作ることが決定したそうですが、きれいに完結しているのでちょっと心配になってしまいますが…)
原作では悟ったようなキャラとして描かれているデュナンやブリアレオスも、悩んだり迷ったりするひとりの人間として描かれていて、この点も僕は好感が持てました。これも原作の忠実なファンには賛否が分かれるんでしょうが…。
 
映像の面では「これが未来のアニメの姿だな!!」と感じました。
「イノセンス」では質感設定の違いから3DCGの素材が浮いてしまって違和感をおぼえるシーンがありましたが、「アップルシード」では背景・メカ・人物それぞれの質感をうまく調節して使い分けているので、より調和しています。
クライマックスの巨大多脚砲台とのスペクタクルな戦闘シーンでは、「こういう絵が観たかったんだよっ!!」と心の底から思いましたねー。
マトリックスの映像とかがジャパニメーションに影響されているとか言っても、所詮パチもんにすぎん。
巨大ロボは日本特産品ぢゃ~!!などと妙なナショナリズムに酔いしれたり。