ゆ き と の 書 斎

気まぐれゆきと帳過去ログ一覧

レビュー(映画)

2007年07月26日
『怪談新耳袋絶叫編 右 牛おんな』

実話怪談集『新耳袋』を原作にした実写ドラマシリーズ。
BS-iで放送されたシリーズは原作同様、一話10分未満の超短編ドラマだったが、この新作は一話50分の「絶叫編」。
僕はBS-iで放送されたシリーズの一部(おそらく第一シーズン)と劇場版を見ていて、非常に面白かったのでこの新作「絶叫編 右・左」をDVDで買って観た。

結果は「買って失敗だった…」。

タイトルインパクトの強い『牛おんな』。
原作では新耳第1夜の「“くだん”に関する四つの話」をベースにしていると思われる。
ドラマでは原作にあった格調高いドキュメンタリーの匂いは跡形もない。
冒頭、カップルが山奥の神社に上がり込んでイチャイチャしてると、牛おんなが現れてツノでひと突き!
その後現れた不埒な男女五人組を牛おんなが次々に惨殺して回る!!

…とか書くと面白そうですが、実際は意味のないカット回し、ぬるい演出、感情移入のかけらもできない登場人物などによって、ひじょ~にダルい出来になってます。
50分を3分に編集すればもうちょっと観られるようになったかも…。
筋は要するに和風ジェイソンなんですから、もうちょっと惨殺シーンを工夫するとかすればいいのに、BS-iで放送するためか、単に予算がないのか、出血シーンや特殊メイクは最小限。
襲われる側の若者たちも、一人ぐらいまともな娘を出して観客の共感を引くようにすべき。
キレて逆襲しようとして返り討ちに遭う男子キャラとか、謎のマタギ登場とか、面白くしようとすればいくらでも面白くできるはずなんだが…。