ゆ き と の 書 斎

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2004年09月26日 八断死門陣は破られている?

>Ivanさん
>ムバディの「八断死門陣は敵の偶然性を奪う」(要約)という解説が正しければ、
>ガリィの幽体離脱という偶然性を奪えなかった時点で八断死門陣は破られていることに
>なるのですが…(笑)。

これは劇中での説明不足ですね~。ここでの「天(偶然性)」とは主に環境要因の偶然性で、けつまずいたり、足を踏み外して落ちたり、壁のトゲに刺さったり(ハリウッド映画で良くあるパターン、笑)、電線に感電したり、といった偶然性に起因する失敗や、それを利用した相手の逆転の可能性のことです。
例えば、白土三平先生の「カムイ外伝」に「木耳」というエピソードがあります。
読心術を持った刺客にカムイは変移抜刀霞斬りも飯綱落としも破られ、絶体絶命のピンチになるのですが、刺客は木の枝に生えた木耳(きくらげ:食用キノコの一種)に足を滑らせて谷底に転落してあっさり死んでしまいます。
人の心は読めても環境までは読めなかったという話なのですが、カエルラさんの八断死門陣はこの二の轍を踏まないよう、自分で選んだベストの場所(死門)に相手を追い込んで倒すという戦術です。
ガリィの幽体離脱はガリィ自身もコントロールできない潜在能力の一種と定義できるので、偶然性とはちょっと違いますね~。
強いて言えば、パンチドランカー症状の出ているジョーのパンチが、ホセ・メンドーサの完璧な見切りを狂わせて命中してしまったような感じですね~。攻守が逆ですが。