#0038 ラウンドファスナー財布
2013.7.19
ずいぶん前に仕事場用に作った「ビルフォード財布」のリベンジとして作成。7月10日あたりからダラダラと作り始めて19日に完成。
ふたつ折りの「ビルフォード財布」を作ったのが2009年10月とあるので、もう3年半くらい経ってしまった。当時は「とりあえず何でも作ってみよう」とあまり深く考えずに作ったので、今見ると細かいミスや使い勝手、特に外側につけた小銭入れと札入れの方向が違うため、小銭入れのフタを開けっぱなしにしたまま札を出し入れできないという致命的な使い勝手の悪さが気になっていた。
ビルフォード財布は丈夫なサドルレザーと(糸の中でもっとも丈夫と言われる)シニュー糸で作ったので未だ壊れてはいないのだが、いつか新しい財布を作ってリベンジしたいと常々考えていたのだった。
ファスナー式の長サイフ。本体は高級な栃木レザー、中は牛ヌメ革さて「財布」とひと口に言っても小銭入れからふたつ折り、三つ折り、長財布や札バサミなどさまざまな種類があり、しかも作るとなるとバッグを作るのと同じくらい手間がかかる。その中で使い勝手と作りやすさを検討した結果、ファスナーで開け閉めする「ラウンドファスナー財布」を作ることにした。
ラウンドファスナーと言ってもファスナーはL字に閉めるだけで、開くとジャバラで本体とつながったファスナー小銭入れと札入れがある構造。札入れ以外の部分にもレシートなど大量に入れることができるので、仕事場用の財布としてはうってつけだと考えたのだ。
中はコイン入れと札を入れるポケット。レシートを入れるスペースも充分設計してみると構造は簡単、パーツ点数も9つほどしかないので作りやすい……と言いたいところだが、最大の難問はファスナーの縫いつけである。カーブする部分の縫いつけも難しいし、ファスナーを開いた終わりの部分もどう処理していいのかわからない。解説しているテキストはほとんどないので、想像で頑張るしかない。普通にファスナーを仕立てるだけでも苦手なので、今回はうまくいくか失敗するか五分五分のチャレンジだった。
結果としてはキレイには仕立てられなかったものの完成はしたので、自己評価は70点といったところ。ただこれから実際に使ってみての使い勝手や耐久性の問題もあるので、評価が下がる可能性はある(笑)。
カードを入れるポケットも装備。あまり使わないのでふたつだけ細かい部分での新しいチャレンジとしては、今回は革のコバ(断面)を磨いたあと水性アクリルニスを塗ってテカテカに仕上げてみた。今までコバがテカテカなのはあまり好きではなかったが、やってみるとしっかりと仕上がった感じがして悪くない。これで耐久性もあれば文句なしだ。
そして外側本体のトコ面(裏面)は通常なら仕上げ剤の「トコフィニッシュ」を使って磨くだけなのだが、今回はカービングに使うアンティックダイで染色+仕上げ剤で仕上げてみた。中のポケット類は白っぽいヌメ革を使っているので、色のコントラストが映えて締まった感じになったのが◎。
しかし仕事場用の財布としては大きいのが難点かも。使われない場合は自分用か誰かにあげるか。
本 体 …… 牛ヌメ1mm・2mm 栃木レザー牛オイルプルアップ2mm
3号・5号ファスナー ビニモ5番 エスコードラミー20/3