2012.01.12
私のいとこに当たるK兄ちゃんからの依頼を受け、長年愛用してきたという古い集金ポーチをリメイク。2011年11月20日から始めて(途中仕事や雑用をはさみつつ)2012年1月12日にやっとこさ完成。
実はK兄ちゃん(私よりずっと年上で「兄ちゃん」などという歳でもないのだが、昔からこう呼んでいるので便宜上そう呼ぶ)から直接依頼があったわけではなく、実家に帰った時にうちの両親から話を聞き、革製のポーチを手渡されたのだった。そのためポーチの詳細は不明なのだが、10年以上は使い込んだモノらしい。表面にはきれいに唐草模様とトリの絵がカービングしてあり、フチはぐるりとレースでかがってある。マチはピッグスウェード、内張りはアメ豚を使ったごくシンプルな構造。大きさはちょうどB4判ぐらいの大きさで、集金ポーチと言うよりはA4判の書類を入れるための書類ケースとして作られたモノだろう。
カービングはとても美しいが、私が見たところプロの職人が作った商品ではなく、レザークラフト教室の生徒の作品といったところか。とは言えB4の大きさいっぱいにカービングされ、染色もされているのだから、かなりの力作であることは間違いない。だがしかし長年使い込まれ、カービングされた胴体の牛革は無事なもののマチはヨレヨレ、フチのレースもスリ切れてちぎれ、ファスナーを縫いつけた糸も切れていて補修されている。
リメイク作業前の写真。B4の大きさがあり、集金ポーチというよりは書類ケースのたぐい
そこで今回のリメイク依頼の内容は、胴体のカービングを活かしつつ集金ポーチとして「小さく」仕立て直してくれというものだった。このきれいなカービングにザックリと刃を突き立てるのはいささか気が引けるが、どのみちこのカービング革はインレイ(コレのトカゲ革のような使い方)にでもするしかなさそうなので、ここは覚悟を決めて取り組むことにした。
元の大きさよりひと回り小さいA4サイズにして、手に持って下げられる持ち手をつけて、できるだけ頑丈に……などと簡単に決めただけで始めてしまったのだが、いざ始めてみると材料が足りなかったり、集中力が切れて細かいミスを連発したり、さらには持ち手をどう本体とつなぐかで最後まで頭を悩ませた。結局、革の持ち手はあきらめて極太のアクリルひもを結びつけ、ややカジュアルな仕上がりに。
今回ばかりは「失敗しました」では済まないので意地でそれなりに仕上げたが、集金ポーチと言うにはまだ大きくゴツくて重いし、細部のミスも相まってど〜もスッキリしない完成になってしまった。(-_-;
本体 …… 牛サドルレザー 2mm/1.6mm
内張り…… ピッグスウェード
芯 …… テキソン厚 伸び止めテープ
牛端革 クラフトレース ビニモ0番 ファスナー4号/3号 ギボシ ホック大 ハトメ♯23 アクリルひも2400番