コヨミウエストバッグ of 茶房・風雲庵

レザークラフト作品ギャラリー

title.jpg

このコーナーでは管理人が手作りした革小物を公開しています。

#0032 コヨミウエストバッグ


000.jpg2012.09.12
7月下旬から作り始めて9月12日にやっと完成。途中で仕事や社員旅行が入ったとは言え、製作に3週間ぐらいかかってしまった予想外の労作。

前回のレザークラフトからだいぶたってしまったが、実はちょこちょことキーケースなどを作ったりしていた。これらはいずれ『似顔絵万歳(精進祭り)』にてプレゼントとして放出するつもりで作っていたのだが、しかし木城ゆきと作品とまったく関係ないものをプレゼントするのもどうかと思い直し、『銃夢』や『銃夢LO』に登場する小物を革で再現できないかとコミックスを読み返してみた。ところが意外とこれがなかなか見つからない。探しまくってやっと見つけたのが、旧『銃夢』の馬借戦記編でコヨミちゃんが身に付けている、革製ウエストバッグだった。

001.jpg『銃夢』より、コヨミが身に付けていたウエストバッグ。
実際に作ろうと思い立ったのが今年の春ごろ。具現化するに当たってまず問題になったのが、このバッグの特徴と言えるたくさんの大きな鋲(びょう)。カブセに4つ、本体に5つ、ベルト通しに6つと計15個もついているこの鋲だが、カシメにこんな大きいのはないし、ベルトなどに打ったりするスタッズも1cmくらいが普通。ツルツルのプレーンコンチョを使うと言う手もあるが、最低でも1個1000円以上してしまうので無理がある。ウームどうするべきか……と悩んでいたところ、某レザー用品店であっさりと16mmのスタッズを発見して事無きを得た。

次に留め具だが、これはさすがにまったく同じと言うわけにはいかないので、似たような感じの鍵前を探しだした。値段も200円程度だったのがGOOD。大きいスタッズとこの錠前がなければ、このバッグの具現化は不可能だった。

さていざ作り始めてみると、意外にもベルト通しの製作に手間取った。原作通り縫い目が表に出ない(袋状の内縫い)ようにしたかったのだが、パーツが小さ過ぎて内縫いにできない。最終的に表から縫い目が見えるようになってしまったが、変な作り方をして耐久性に問題が出ても本末転倒なので、ここは割りきることに。

革は牛革のコンビなめし(タンニンなめしとクロムなめしの両方を行なった革)を使用。ちょっと柔らか過ぎてシワが多く、完成品にしてヘタった感じだが、渋いオリーブドラブ色にシボがマッチしてイイ雰囲気。もっと底の丸みを忠実に再現したかったのだが、あそこまで丸くするにはわざと立体的に裁断して縫うしかないかも?

本 体  …… 牛革コンビなめし 1.2mm/0.9mm
芯 材  …… 布ワッペン スライサーウス パイピングポリ芯
麻ラミー糸♯20 スタッズ16mm 小型鍵前 ホック小 PPテープ25mm幅 プラバックル アジャスター

002.jpg型紙から革を切り出す。これはマチ(バッグ本体側面部分)のパーツ。003.jpgカブセと本体の表革。ヘリを返すため周囲をギリギリまで薄く漉いてある。004.jpgカブセと本体の裏。同じ形の革を合わせて二重にする。黒いのは布ワッペン。
005.jpg完成。ポリプロピレン製ベルトとプラバックルは原作に合わせたイメージ。007.jpgカブセを開いたところ。だいぶ小ぶりだが携帯+小物類が入るサイズ。

008.jpgクロシェット(鍵)付き。使わなさそう(笑)だが、原作にも鍵穴があるので。