#0007 トカゲ革のキーケース
2009.10
ビルフォード財布を作った直後、3日ほどで製作したキーケース。
ハーレーを買って盗難防止用のカギ類が急に増えてしまい、おさまりが悪くなってきたのでキーケースが欲しくなった。しかしオーソドックスなタイプの、手帳のようにはさみこむキーケースではツマラナイと思って作ったのがこれ。しかしそのことが間違いのもとに……。(-_-;)
写真の、上部にくっついている黒くて丸い物体はハーレーの純正キーフォブ(盗難防止装置のリモコン)。このキーケースはどのような仕組みになっているのかというと……。
ベルト先端にあるホックを外し、ベルトを上に持ち上げて上部の穴に押し込む。すると……。
ベルトの反対側についているキーリングが下から出てくるという仕組み。
しかしキーリング金具の固定が甘くてグラグラ。それ以前に使った革がボソボソで、圧縮したスポンジのような状態だったのに加え、こんなアクロバットな仕組みにしてしまったため耐久性に不安が残り、とてもじゃないが安心して鍵をつけて歩けるようなものに仕上がらなかった。
というのもこれを作った当時は知らなかったのだが、革というのは天然物なので、切り取る部位によって質が大きく異なることがあるらしいのだ。
使った革はタンローという牛革で、これは「タンニンなめしのローケツ染め用」という色を染めるために油分を取り除き、漂白した牛革のこと。通常の牛革はベージュっぽい色だが、このタンローは染色用なので紙のように白い。サドルレザーやオイルレザーと比べるとパサパサした手触りで、このキーケースに使った部位は特に質が悪かったようだ。
そのタンローをレザーダイ(革用アルコール染料)のダークブラウンで染め、コバはウレタン塗料のコバスーパー(黒)でテカテカに仕上げたのだが、ツメなどが当たるだけで塗料が剥げてしまったりして、やはり外で使うほどの耐久性は望めなかった。インレイにはベージュのトカゲ革を使い、色の組み合わせ的には気に入っていたので残念無念。
本体…… タンロー(ピットヌメ) 2mm、1mm
インレイ…… トカゲ(ベージュ)
麻糸 コンチョ キーリング