ゆ き と の 書 斎

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レビュー(ゲーム)

2010年8月12日
「『超』怖い話DS 青の章」ニンテンドーDS


20年近くの歴史を持つ実話怪談集の老舗『超』怖い話シリーズから、竹書房刊行の「超」怖А(アー)、同Б(ベェー)を原作にしたノベルゲーム。
(原作の「超」怖についての詳細は恐怖プリーズの「絶版怪書録」やゆきと帳過去ログ倉庫のこことかここにあります。)
監修は「超」怖中興の祖、デルモンテ平山改め平山夢明氏。

ノベルゲームとは言ってもゲーム要素はほとんどなく、少しインタラクティブ性がある絵と音の出るノベルという感じ。
挿絵もグロさや陰鬱さはまったくなく、DSらしい「オサレ」なかんじ。
僕は「超」怖シリーズのオールドファンとして、当然原作は全部読破しているので、お話に驚かされるような部分はないです。
「超」怖には伝統的にものすごく短い話(文庫本で2ページとか)が結構あって、オチもなく尻切れトンボな感じが実話らしい生々しさを醸し出したりしていたんですが、DSでそういう話を読むと、どういうわけかものすごく白ける。
「それで終わりかい!!」とつっこみたくなる。
同じ話なのに、メディアによってこうも受け取り方が変わるとは、不思議だなぁ。
活字だと、話手から直接体験談を聞くような臨場感があるんだけど、挿絵と音楽で演出されたDSは逆に作り物っぽくなる、その違いかな。
体験談ならオチがなくても「しょうがないな」と思えても、作り物だと「ちゃんと金払ってんだから、オチぐらいつけんかい!!」と…作劇として不十分と感じる、ということかな。

システム部分にもう少し怖がらせる工夫がほしかったのと、お話のボリュームが少なく感じる(上記のような「ハズレ」の話が時々混じっているためにいっそうそう感じる)のが不満。

あんまり怖くないので、怪談初心者の人にはけっこういいかもしれないです。
でもこれがレーティングでCERO-C(15才以上)とかなってるのはわからないな。
怪談は子供のうちに見ておくべきものだろう。

「青の章」ということは続編があるんだろうか。
続編があるなら、欠点を改良したものを希望。
というか、個人的には「超」怖シリーズを全編電子書籍で復刻して、一挙に全話回覧できるようにしてほしいです。
その場合はランダム再生機能とかもつけて。

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