ゆ き と の 書 斎

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レビュー(ゲーム)

2006年11月30日
「カルドセプト・サーガ」Xbox360

23日に待望のゲーム「カルドセプト・サーガ」(Xbox360)が届いてからこの1週間、食事も惜しんでプレイし続けて、先ほどようやくストーリーモードが終わりました。いや~長かった。
元々ひとつのマップをクリアするのに何時間もかかるのはザラ、のゲームなんですが、ストーリーモードではそれが30面もあって、すごいボリュームでした。

元祖セガサターン版「カルドセプト」、プレイステーション版「カルドセプト・エキスパンジョン」、ドリームキャスト版「カルドセプト・セカンド」、PS2版「カルドセプト・セカンド・エキスパンジョン」とプレイしてきて、Xbox360を買ったのもカルドセプトがやりたかったからなんですが…
この「カルドセプト・サーガ」の完成度にはがっかりでした。
f(-_-;)

まず、画面に登場する登場人物や、マップ上に配置されるクリーチャーもすべて3DCG化され、大きく見た目が変わっています。
それもスムーズにプレイできればなんの文句もないのですが、とにかく重くてストレスがたまる。
画面がスクロールする時にガクガクガクっと引っかかったような動きをするし、マップ上のクリーチャーのモーションもしばしば中断するし、大きなマップ一面にクリーチャーが配置された時なんかはいつフリーズするかとヒヤヒヤ。
ボタンのレスポンスも悪くて、カードを選択→実行、という動作をするのにポンポンっとボタンを押しても反応しない。
ポン(一呼吸おいて)ポン、と押さなければならず、すごくイライラする。

描画エンジンの部分が完成度低すぎ。
これじゃベータ版だよね。あと半年発売延期してもここの部分を洗練してほしかった。

「カルドセプト」のコアのゲーム性の部分は、あいかわらずちゃんと面白いし、音楽もよい。
それでもレスポンスの悪さはユーザー体験として致命的。

海外で発売するためにビジュアルを一新した、というような事をゲーム雑誌で読んだような気がするけど、こんな出来で海外で発売したら技術力の低さをさらすようなものだからやめた方がよい。
初めてプレイする人に「カルドセプト」はこんなゲームだと思ってもらいたくない。
「カルドセプト」は「セカンド・エクスパンジョン」で完成している。
初めてやる人にはPS2版の「カルドセプト・セカンド・エキスパンジョン」をお勧めします。



ここから下は一般的な批評というより、古参ファンのグチみたいなものです。

*物足りないなーと思った点

・キャラクターが弱い
以前のカルドでは強烈な個性を放ちつつもどこかユ~モラスな登場人物がよい味を出していたのですが、今回はお話がシリアスなせいか、あまりぶっ飛んだキャラがいないのが寂しい。

・書き下ろしイラストコレクションがない
以前のカルドではエピソードとエピソードの合間に世界観をモチーフにしたたくさんの芸術的イラストがランダムに表示され、おまけモードでそれをコレクションするという事ができましたが、今回はそれがない。


*総括

ビジュアルを一新するという試みは失敗に終わった。
元々「カルドセプト」は大宮ソフトという少数精鋭のソフトハウスが、家庭内手工業的な手法で職人的完成度に仕上げられたゲームバランスと世界観を持ったゲームだった。
このゲームにふさわしいビジュアルは、やはり3Dではなく2Dの絵物語だと思う。
こんなんだったら、ニンテンドーDSに初代とセカンドをベタ移植して出してもらった方がなんぼかよかったよ…。

2006年12月05日

前回ダメだしを出した「カルドセプト・サーガ」、ネットで調べてみたら大量のバグの宝庫らしく、バグ情報を集めるサイトまで立ち上がってました。
(~_~;)
僕が遭遇したのは一度だけ、NPCが「スクイーズ」というスペルを使って手札を選ぶ場面で延々とループしてしまって、しかたなくリセットしたことがあったな…。

ああ、なんてこったぁ~…。
ちくしょ~「バンダイの魔の手」発動かぁぁ!!
俺たちの愛したカルドをこんなにしやがって~!!
ヽ(`□´)ノ

(注)「バンダイの魔の手」
80年代前半、「コブラ」のタートル号や「マーズ」のロボなどがTVアニメ化の際、原作とかけ離れたダサいデザインにされた原因として、おもちゃメーカー「バンダイ」のスポンサードのせいだと言われた。
その故事にならい、我が木城家では「バンダイに関わるとろくなことにならん」という意味で「バンダイの魔の手」ということわざが生まれた。
現在ではナムコと合併したので「バンダイ・ナムコの魔手」であろうか。

2006年12月31日

このあいだカルドセプトサーガの第一回アップデートが出たので、早速パッチを当ててみました。
そうしたら意外な事に、最初のレビューで指摘したレスポンスの悪さなどが改善されてかなり快適にプレイできるようになっていました。
仕事のネームに入っていたので、ストーリー後半に出てくるような広大なマップでのレスポンスは検証してませんが、少なくとも小規模マップでは昔のカルド並のプレイができるようになりました。
やればできるじゃん。
500kbそこらのパッチでどうにかなるものだったら、始めからちゃんとしたものを出してほしかった…。

まだ40あまりの未修正のバグが残っていたり、パッチを当てた事によって新しいバグが出たりしているようですが、メーカー関係者の皆さんには来年もがんばってパッチを出していただきたいです。
また今回の件を教訓として、いい加減な出来の商品を発売したりしないようにしていただきたい。

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