ゆ き と の 書 斎

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レビュー(ゲーム)

2009年9月24日
「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル」Wii

Wiiで買ったパッケージゲームとしては「零/月蝕の仮面」以来一年ぶりとなる。
ハウスオブザデッドシリーズはサターン版からのファンだったので、アマゾンで予約して買った。

タランティーノの映画「グラインドハウス」をイメージした演出で、B級映画っぽい世界観はなかなか楽しい。
以前のHoDとはちがうが、これはこれでアリ。

システムもだいぶ違っており、以前のHoDではいったんゲームを始めると息つく間もなくスピーディーに次から次へとステージを突き進むことになるが、オーバーキルではステージをクリアするとステージ選択画面に戻ってしまう。
ここでだいぶスピード感を削がれてしまうのはマイナス。ステージ選択画面の各ステージのB級ホラー映画風のイラストはすごくいいのだが。
それから以前のHoDシリーズに比べると、難易度が信じられないぐらいに低い。
特に各ステージのボスはセガ史上最弱の弱さ。ほとんどダメージを受けることなく倒せてしまう。
ご親切にもボスの弱点まで丸でかこってくれるし。
ラスボスの「マザー」は妙に硬いけど、攻撃が単調でぬるいので、単なる根比べになってしまい、倒してもミスして死んでも爽快感がない。
緊張感のない音楽もマイナスイメージの一因かもしれない。
以前のHoDシリーズのラスボスをやっとの思いで倒してエンディングを見た時は、本当に感動したものだが…。

ただステージをクリアするだけならものすごく簡単なのだが、一発もミス撃ちをせずにどんどんゾンビを倒していくとコンボが成立し、25人連続で倒すと「ゴアイズム」というボーナス状態になって画面に星条旗が翻る。
この連続コンボを維持してスコアアタックをかけたり、ステージ各所にあるアイテムをとったりすると適度に難易度が上がり、面白くなってくる。
(とはいえ、ボスが興ざめなのは変わらないのだが…)

エージェントGと黒人警官のアメリカン漫才な掛け合いや、敵の黒幕のキャラクターのブラックユーモアな描写は楽しい。
しかしキャラクターのモデリングや動きは初期のPS2のゲームのように稚拙で、本当に現代に作られた新作ゲームなのかと疑うほど。
所々でゾンビがなにもないところにポコッと出現したりして、作りこみの荒さが目立つ。
それとレーティング上しかたがないのかもしれないが、前シリーズのようにゾンビの体の部分破壊が中途半端。片腕はもげるものの、頭が吹っ飛んだり上半身と下半身がバラバラになったりはしない。
ストーリーモードのほかにディレクターズカットモードというのがあると聞いていたので期待していたのだが、ちょっとステージが長い以外何が違うのかわからない。
エンディングテロップやおまけ画像のスタッフのハロウィンパーティの写真などを見ると、作ったのは外国のスタジオのようだが、作りこみの荒さやラスボスがぬるいことの言い訳にはなるまい。

HoDファン、元セガゲーマーとして文句を書いたが、まあそこそこ遊べるし、知り合いが数人集まった時にキャーキャー言いながら遊ぶゲームとしては楽しいかもしれない。
HoDシリーズとしてみた時は問題作だが、普通一般のガンシューティングゲームとしてみた時はクソゲーとまでは言えない。佳作。

発売前にオーバーキルのファミ通のレビューにセガ社員が文句をつけたという記事がネットに載ったが、
オール6というファミ通の点数は残念ながら妥当。
むしろセガファンからしたら甘いぐらい。

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