サドルレザーポーチ of 茶房・風雲庵

レザークラフト作品ギャラリー

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このコーナーでは管理人が手作りした革小物を公開しています。

#0008 サドルレザーポーチ


pouch.jpg2009.11.24
知人に頼まれて作った、ハードなサドルレザーのポーチ。2009年11月24日に完成。

その知人は大きめのナイロン製バッグを使っているらしいのだが、財布やケータイをその中に入れておくと取り出すのが面倒くさいとのことで、財布とケータイが入るポーチを作ってくれないかということだった。

ポーチの寸法以外の要望は、カブセ(フタ)を留める方法をホック式にして欲しいというものだった。カブセをホックで留めるとなると、本体は袋状のソフトなものではなく、ハードなしっかりしている箱状のものにしなければならない。ということで、厚めのサドルレザーでガッツリ作ることがこの時点で決まった。

pouch02.jpgベルトループと肩掛けベルトも製作
ハードなタイプのポーチは以前「メディスンバッグ」を作っていたので、今回はそれより大きいものの技術的には楽勝と踏んでいた(メディスンバッグは失敗作だったということを忘れていた)。

ちゃちゃっと型紙を作り、カブセにヘビ革(高いパイソンとかではなく安い水ヘビ)のインレイで装飾をつけたりして、いざホック留めのテストをやってみたところ、箱形の本体がヘコんでしまってホックが留まらない!いくら上から押しても、ホックの下の金具が沈んでいくだけで留められないのである。これは困った。

pouch03.jpgカブセ裏はタンローを使ったので白い
ネットで同じような箱形ポーチを調べてみると、ほとんどのものがマグネット留めかベルト留めなのがわかった。やはりホックでは構造上無理があるのだ。うーむあまりにもうかつ。やむなく手元にあったマグネットでカブセを作り直すことに。

最初にやったヘビ革のインレイは派手すぎて悪趣味だったので、新しいカブセはシンプルなデザインにしておいた。しかしカブセに使う厚めのサドルレザーを使いきってしまったので、薄いサドルレザーの裏に薄めのタンローを貼りつけることで何とか事無きを得た。まったく余計な手間で余計な回り道してしまったものだ。


pouch04.jpgベージュのトカゲ革は使いやすい
しかしそうやって手間をかけて作ったものは、出来がつたなくても愛着がわいてくるものだ。赤いイタリアンレザーとトカゲ革で作ったシンプルなワンポイントも(仕上げが粗くなってしまったが)うまくまとまってほっとした。あちこちに七転八倒、右往左往の跡が見える出来になってしまったが、この時点でのこれが精いっぱいということで自分では納得している(決して満足はしていないが)。

本体…… サドルレザー 3mm、2mm、1.2mm、1mm
カブセ裏…… タンロー(ピットヌメ) 1mm
ワンポイント他…… イタリアンオイル(赤) 2mm
マグネット 金具 シニュー(ナチュラル)