5月最初の書きこみです。

今月の連載はお休みですが、僕は遊んでるわけじゃないですよ。
次の仕事開始までにイラストを3点上げる必要があり、そのうちのひとつ、
銃夢LO10巻のカバーはすでに完成して他の原稿と共に入稿済。
現在は銃夢外伝コミックスのカバーイラストを製作中。
今月中にもう一点、自由課題の大物を描かなくてはなりません。

つーちゃんは休みでオフ会に顔出したあと、親と温泉旅行に行くらしいですけどね～。


>銃夢BBS
> かくさん
> ゆきと先生は昔バンダイは嫌いではなかった。
> ゲーム製作でなんらかの禍根を残したんだと分かるだけで何があったか分からない。
> でもおもちゃメーカーまで嫌わなくてもいいじゃないかと思う。
> 敵を増やし見方を減らしてます。
> 俺の理想ですが銃夢の超合金とか「S.I.C]とか出てバンダイと仲直りしてほしいです。


だいたいの僕の立場は川村君が代弁してくれたので、周辺事情を補足します。

まず、「ゲーム製作での禍根」ですが、PS版「銃夢～火星の記憶」製作時になにがあったのかは
そのうち「ゆきとクロニクル」にでもくわしく書きます。
もうそろそろ10年経つしね。

この件で僕が本当に恨み骨髄に達しているのは、いっしょにゲームを製作したバンプレストや
その親会社のバンダイではなくて、
プラットフォームホルダーであるSCE(ソニーコンピューター
エンターテイメント)とCESA(コンピュータエンターテインメント協会)です。

表現の検閲問題でもめてね。

バンプレスト／バンダイとの和解はあっても、SCEとCESAとの和解はない。
CESAの倫理審査を受けないでは国内ではゲームを発売できませんから、
僕が「ゲームの製作に関わることはない」と公言しているのはそういう理由です。

ではなんでバンプレスト／バンダイも恨んでいるかというと、
戦場でたとえるなら「味方だと思っていたら、補給を断たれた」という感じかな…。


「バンプレストというメーカーのことをよく調べずに選んだから失敗した」という指摘は、
まったくその通りです。
当時の僕はゲームについて素人同然で、国内にどんな有力メーカーがあってどんなRPGを
作っているのかすら知りませんでした。

スクエアやカプコンといったメーカーに企画を持ち込んでいたら、
こんな禍根を残すこともなかった「かも」知れません。
(それ以前に企画を採用してくれるかどうかが問題ですが。セガにはあっさり断られた)


おもちゃメーカーまで嫌わなくても…というくだりですが、
僕は別におもちゃメーカーとしてのバンダイを恨んだり嫌ったりしてはいませんよ。

以前のかくさんの書きこみへの売り言葉に買い言葉みたいな流れで言っただけです。
キカイダーのS.I.Cとか集めてますし。

ただ権利の関係で原作版銃夢のおもちゃの展開はむずかしいし、
もしおもちゃ化されるとしても、それは原作者の僕の嗜好を超えたレベルで決定されることだろうから、
僕がここで「あのメーカーが好きだ、嫌いだ」などと言ったところで何か影響があるとは思えない。
なぜなら、それがハリウッドビジネスだから。


敵を増やし味方を減らして損である、という指摘はごもっとも。
でもね、これは僕の性格であり信念であり生き方だから、
他人に言われて変える気はありませんよ。
孫子は読んで理解はしているが、その趣旨に100％賛同しているわけではない。

(ちなみに、バーサーカー佐藤さん、
>50回以上読んでも判らないと『きまぐれゆきと帳』に書いて有りますよ～。
って、孫子がわからないって意味で書いたんではなくて、
かくさんの過去の書きこみの意味がわからないってことですよ。(^-^;))


> かくさん
> ゆきと先生は後悔しなくてもファンが後悔するでしょう。

本音を言いますよ。

「僕が後悔しなければ、ほかの人が後悔してもいいんです!!」

こんなことは、思っていてもわざわざ発言するようなことではないんですが、
かくさんが苛烈なつっこみをするのであえて言いましたよ。
返事はいいと書いてあるけど、それで返事しないでいるほど
僕は人間が出来ていないので、本音のトークバトルですよ。


> 作者もファンも喜ぶ！自分が望むのはこれです。

これが理想的です。
そうなればほんとうに万事丸く収まっていいですね。
自分もこういう状態を目指してマンガを描いてます。
でも「作者が我慢してファンを喜ばせる」という選択肢は僕にはありません。


> 映画が放映され、本屋に行けば平済み！
> ホビージャパン開けば銃夢のプラモの秀作！
> ファミ通開けば銃夢攻略記事！
> テレビつけたら銃夢の映画CM！そんなのを夢みてました。

夢を見るのはかまわないけど、おそらくそういうことにはなりませんよ。
絶対にならないとは断言できませんが。

それにもし銃夢が映画によってメジャーになったとしても、すべてのファンが
かくさんのように喜ぶわけではありませんよ。

自分をすべてのファンの代弁者であるかのように発言するべきではありません。
あくまでかくさん「個人」の欲望である、と書くべきです。