ゆ き と の 書 斎

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近況 2007年

2007年03月28日 脳に釣り糸を垂れる

3月4度目の書きこみです。

さっきNHKの「プロフェッショナル」という番組で宮崎駿を取り上げていたので見ました。

宮崎駿は絵になるたたずまいのじーさんになりましたねぇ~。
↑(なんか偉そうですいません)

その中で新作のイメージボード作りに格闘する宮崎駿が「脳に釣り糸を垂れる」
という表現をしていて、「あるある!」と思わずうなずいてしまいました。

ただ自分の場合、打ち合わせなどでは「ダイブする」という表現を使っていました。
潜在無意識の海の中へ潜水するイメージですね。
まったく視界のきかない夜の海に息を止めて素潜りで潜って、海底を手探りでまさぐって、
何か手に触れたものをガッとつかんで大急ぎで浮上。
明るいところで回収物を吟味。
まぁそのほとんどはガラクタなんですが、たま~に真珠が見つかるわけです。

これも以前に質問のあった「インスピレーションとは」のひとつの答えになると思います。

僕が「インスピレーション」とか「才能」とかの言葉をあまり好きじゃないのは、
それがなんか「たなからボタモチ」的な意味合いで使われることが多いから。
特に初心者にそういう傾向があると思う。

たしかに不意打ちのように訪れる「天啓」のような現象もあります。
しかし多くの場合、その「天啓」が訪れる前に行われた精神活動の結果として現れるのであって、
なんにもしていない人の前に現れるのではない。

上の潜水夫の例を使ってストーリー仕立てで説明すると、こんなかんじかな。

ダイブしてもダイブしてもなんの収穫もない日が続く。
いいかげん疲れ果て、休日を取ってダイブを休むことにした。
ノッキングチェアに揺られて惚けていると、床に何かが落ちる音。
大粒の真珠であった。
潜水した時にパンツの裾に絡まっていたのだ。

…休日でもパンツ替えないのかよ、というツッコミはなしね。


さて、前回の書きこみに補足。

前回の終りに
> だから、漫画家や作家を目指してる若い人たちで、「書きたいテーマが思い
> つかない」とか悩んでいる方達に軽くアドバイス。
> まず1ヶ月後に自分が死ぬと仮定して、それまでにやりたいこと、不特定多数
> の人に言っておきたいことを好きなだけ書き出してみるといいと思いますよ。
と書きました。

実は、これをやってみて、言っておきたいことを言葉(文字)で書き切れてしまった人よりも、
「俺の思いは言葉では書き切れねぇっ!!」と煩悶する人のほうが作家に向いています。
言葉で割り切れないものは物語をもって伝えるしかない、という意味のことをユングも言ってますからね。


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