ゆ き と の 書 斎

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近況 2008年

2008年01月23日 2007年度の面白かったアニメ


1月3度目の書きこみです。

去年の暮れから「連続アニメのシナリオ羊頭狗肉問題」を考察してきて、
有力な仮説は出たものの、現在も僕の中で考察は進行中。

とはいえ、アニメの問題点ばかりあげつらって僕が反アニメの人だと思われるのも困るので、
バランスをとるために去年(2007年度)見たオリジナルアニメシリーズで面白かったと思うものを書きこみます。
(順不同)


・天元突破グレンラガン
まだ最終回見てないのだけど、ここ最近のロボットアニメの中ではベスト1(ロボットアニメそのものが少ないけど)。
作画が荒れたとかでネットで叩かれてたりしてましたけど、ぜんぜん問題ないレベル。
最初は勢いがあって楽しいけどギャグっぽい展開だったので、少し距離をおいて見てました。
中盤で初代リーダーが死んでからむしろ加速度的に面白くなっていった。
ロケットにドリルは男のロマン二乗だよな~!!

・DARKER THAN BLACK -黒の契約者-
世界を覆った謎の力によって人間性を失った超能力者「契約者」によるスパイ戦を描くハードボイルドもの。
全体的に悲劇的なエピソードが多いのだけど、文句なく面白かった。
世界を変えてしまった謎の力はなんなのか?は結局謎のままなのだけど、作中にその真相を知っている人間は一人も出てこないので、これはへたに答えを出さない方がベター。
そのかわりエピソードごとの登場人物の行動動機や感情の変化はちゃんと種明かしされるので、悲劇的な結末であっても見ててちゃんと納得がいく。
作画レベルは高い水準を維持し、余韻の残る良いシナリオも多い。

・モノノ怪
前の年にやっていたオムニバス「怪談」の中の一遍「化け猫」に出てくる妖怪ハンター「ただの薬売り」を主人公に立てたシリーズ。
まだ最後まで見終わってないが、2~3回で1話完結の短編シリーズなので問題あるまい。
基本は密室推理劇で、化け物が現れる本当の原因を登場人物の心理の奥深く分け入って明かしていくプロットがスリリング。
極彩色のテクスチャーを多用した画面は見ていて楽しい。
妖怪が出てくる時代劇だが、暗さや怖さはない。

・ヒロイック・エイジ
超未来の宇宙を舞台に、人類の興亡と宇宙の盟主の座を賭けた宇宙戦争が繰り広げられるSFもの。
筋立ては単純で、とくだん感情移入ができる登場人物や人間ドラマはないが、3DCGを使って描写される壮大な宇宙艦隊戦や、宇宙に5人しかいない「ノドス」と呼ばれる常識外れのスーパーパワーを持った巨人同士の対決が見どころ。
主題歌と劇中のBGMがかっこよい。
僕はこの作品は富野由悠季の「伝説巨神イデオン」の返歌だと見た。
(以下はすべて僕の想像である。)
富野由悠季は20数年前、「イデ」というアイディアの元になるなんらかのインスピレーションを受け取ったのだが、イマジネーションと表現力の不足によって、登場人物が全員死亡して霊になって戯れるといった(劇場版イデオンのラスト)馬鹿げた(有害ですらある)失敗作品を作ることしかできなかった。
これをヒロイック・エイジでは黄金の種族の残した言葉「出でよ」に昇華している。
つまり「イデ」は「出でよ」だったのだ。
というのが僕の解釈。

・キスダム -ENGAGE planet-
いろいろな意味で惜しい、変なアニメとして記憶に残っている。
ハーディアンと呼ばれる謎の生命体の猛攻を受け、絶滅寸前に追いやられる人類。
第1話、第2話では世界各地でのハーディアンの猛攻に為すすべもなく人類が追いつめられていく様が描かれる。
重要そうなキャラが次々に死んでいく、いきなりクライマックスっぽい展開に「おおっ」とひきこまれて見ていると、第3話でいきなり作画が荒れて、声優同士の声のドラマは続いているのに画面にはキャラが映ってなくて背景だけというすごいもんを見せられた。
(おそらくセルアニメ部分の作画が間に合わなくて落としたんだと思われる。最初は見てて何が起こってるんだかわからなかった。)
第4話は丸ごと総集編。(^-^;)
その後もセルアニメ部分は作画レベルが荒いまま進行。
戦闘機や戦車、空母といった兵器類は3DCGでちゃんと描かれるために、その落差がいっそう哀しい。
主人公は「ネクロダイバー」という超人として転生。文明荒廃後の世界でハーディアンや超人化したかつての同僚と戦っていくという話の流れ。
上半身裸の等身大ヒーローが怪獣と戦うというビジュアルもかなり変だが、設定やストーリーもかなり変わっている。
これでキャラデザインがもう少し魅力があって、作画クオリティが高ければ、それなりの佳作になった可能性もあると思う。


「デスノート」や「バッカーノ!」も面白かったが、それぞれ原作があるので除外した。

こうして見ると、2007年前半はけっこう豊作だったのだなあ。


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