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レビュー(本)

2007年05月21日
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」
武田邦彦著

このあいだ回ってきた町内の回覧板に「焚き火は条例違反です」と書いてあった。
いつからこの国は焚き火もできんような国になったんだ!?
と怒りが収まらないところに本屋でこの本を見つけ、思わず買ってしまった。

僕は以前から「環境問題ヒステリー」ともいえる世情には疑問を持っていたのだが、具体的なデータで次々に驚くべき事実が指摘される。
大ショックだったのはダイオキシン問題を扱った第2章。
人類史上、もっとも強い毒性を持つ化合物といわれたダイオキシン。
ベトナム戦争で使用された枯葉剤に含まれていたダイオキシンのため、ベトちゃんドクちゃんのような悲劇の奇形児が生まれたと報道され、僕もそれを信じていた。
ところが毒物を専門とする化学者のあいだでは、ダイオキシンの毒性が弱いことは常識のレベルの話だという。
平成14年に厚生省の委員会が出した報告書には、「ダイオキシンは人間ではほとんど毒性が認められておらず」、「急性毒性として最も重い症状はニキビ」、「慢性毒性として認められる症状はなく」、「発ガン性や奇形児の発生率についてもほとんど観測値がない」とあるという。

なんてこった!!
ヘビメタをかけながら「心にいつもダイオキシンをぉ~!!」と叫んでいた俺がバカみたいじゃないか!!
ダイオキシンは猛毒っ…!! それが男のロマンだったはずっ…!!
くそう、俺のダイオキシンを返せぇぇ~っ!!
いや、この本を怒るのは筋違いだ。
怒るべきは、マスコミに敗北した科学!!
いや、事実を歪曲してセンセーショナルに煽り立てるマスコミか!!

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