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高倉観音ツーリング
千葉県木更津市 高蔵寺

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2016年11月3日 木城ツトム

記事をまとめるのが遅くなってしまったが、ようやく晴れ間が戻った9月の27日に久しぶりに走ってきた。行ってきたのは、千葉県の珍スポットとして名高い木更津市の「高倉観音」こと高蔵寺(こうぞうじ)である。

ところで話は変わるが──今年の天気はちょっと異常だった。ご存知の通り、今年前半は台風がまったく発生しない状態が続き、やっと出た第1号がなんと7月3日。そこから2ヶ月足らずで「18号」まで連続で発生し、各地に被害をもたらした。おかげで仕事が終わってからも長雨が続き、カバーをかけっ放しだった我が愛車ヴィクトリー・ハイボールの「ハイ坊」は無残にもカビだらけ。特に、自作のサドルバッグはカビでガビガビ状態に。(T_T)

バイクのカビは洗えば落ちるが、問題は本革のサドルバッグだ。ここはやむを得ず外したバッグを風呂の残り湯にブチ込み、水で丸洗いした。「レザーに水は厳禁」なのだが、最終手段として、ガッツリと水洗いしてしまう手もある。ブラシでカビを落としたあと、革用のせっけん「サドルソープ」で泡を立てて汚れを落とす。新聞紙を詰めてしっかりと水気を切り、陰干ししてオイルを塗布すればちゃんと元通りになった。

さてジメジメとした長雨が続いていた9月末は、27日だけ晴れるという予報。あわてて面白そうなツーリングスポットを調べ、千葉県は木更津市にあるという「高倉観音」に決めたのだった。今から480年も前に建てられた由緒正しい古刹なのだが、実は珍スポットでもあるらしい。以前私が行った鋸山の日本寺“崖観音”大福寺高床式の笠森観音なども面白いところだったが、意外にも千葉にはまだまだ知られざる珍スポットがあるということなのか。

準備万端で迎えた27日の朝。空を見上げると、どんよりした曇り空……まあ午後には晴れると信じて行くしかない。朝食を取り、朝10時ごろ出発。この日のもう一つの目的は、東京湾アクアラインの走行動画を撮ること。今まで何回もバイクで通ったアクアラインだが、きちんと撮影したことがなかったのだ(1回の録画が30分程度で終わってしまうため、アクアラインの手前でカメラが切れてしまうのだ)。

パーキングエリアと間違えて出口から出ちゃったりと多少の混乱はあったが、なんとかアクアラインのすぐ手前から撮影を開始。走り切るところまで撮影することができたのだった。

001.jpg台風続きの9月にやっとおとずれたツーリング日和…と思いきや曇天002.jpg今年の夏はあまりに続けて台風が来たため、バイクもサドルバッグもカビカビに004.jpg東京湾アクアライン途中のSA、海ほたるに到着。平日なのに人でいっぱい003.jpg海ほたるからアクアラインの千葉県方面を臨む。ここから海上を走る道
005.jpg高倉観音前の駐車場に到着。どんより曇っていた空から日が射してきた006.jpgそれほど大きくはないが、古刹の貫禄たっぷりの山門。正式名称は「高蔵寺」007.jpg高倉観音のとなりには、小振りながらも立派な本殿の熊野神社が建っている008.jpg山門を守るのは、非常に味のある顔をした仁王像2体。歴史を感じる古さ

アクアラインを走り終え、木更津市に突入。ほどなく一般道におりて、木々の緑が生い茂った森の中の道を走っていく。富士の山麓を思わせる道路を気持ちよく走ると、あっという間に高倉観音・高蔵寺に到着した。それほど大きくはないが風格のある山門と、となりに並んで熊野神社の入口もある。

山門の中にはよくある仁王像が立っているのだろうと思って見てみると、なんという味のある顔!ちょっとよそでは見ることができない、予想外の古い仁王像だった。奥にある本堂は作りの古さを感じさせる、1000年前に建てられた古刹の風格がある。しかし「高倉観音ミニガイド」や福の神「仙台四郎」の写真などが本堂内にところ狭しと掲示され、サービス精神があふれすぎて早くも珍スポット臭がただよう。

さらに境内にもあちこちに石像が置かれている。観音さまやお地蔵さまはまだわかるのだが、「お掃除小僧」の像というのは珍しい。その横にある釣鐘は、一回打つごとに50円取るという(笑)。「お守りの価格が良心的」というよそでは見られない看板も、珍スポット臭をビシバシ感じることができる。全体的にセンスが独特なのだ。

009.jpg高倉観音の本殿。それほど大きいものではないが、歴史を感じる荘厳さ010.jpg本殿内も歴史を感じさせる作り。奥を覗くと観音像の上半身が見える011.jpgサービス精神あふれる「高倉観音ミニガイド」。読んでもよくわからない(笑)012.jpg宮城県仙台市発祥の福の神「仙台四郎」。関東のお寺で見るのは珍しい

013.jpgかわいらしい地蔵を並べた「六地蔵」。敷地内にはいろいろ置いてある
014.jpg地蔵や観音像ならともかく、「お掃除小僧」の像というのは初めて見た015.jpg歴史あるお寺らしく立派な鐘もあるのだが、ひと突き50円にはビックリ016.jpg今回ある意味もっとも驚いたのがこの看板。お守りの値段で行く寺を選ぶ?