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笠森観音ツーリング
千葉県長生郡長南町笠森・笠森観音

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2014年3月28日 木城ツトム

長かった『銃夢LO』も(一応の)最終回を迎え、今年1月中旬からは長期休暇を堪能する日々が続いている。2月にはとんでもない大雪が積もったりもしたが、3月になってだいぶ暖かくなってきた。いよいよバイクツーリングの季節到来である。

ところが問題発生。愛車のバイク、VICTORYのハイボール(通称ハイ坊)は問題ないのだが、ツーリング用動画カメラ・初代GoProがついに起動不能に。以前から電源ボタンが反応しなかったりしていたのだが、とうとうウンともスンとも言わなくなってしまった。

そこで新しいカメラとして、前から注目していたJVC(ビクター)のスポーツカム「GC-XA1」を購入。このカメラのシリーズはもう新型が出ていて、買ったのは一世代前のものなのだが、それゆえ値段は1万円ちょっとという、この手のカメラとしては非常に格安で購入できた。防水、防塵などの基本性能はもちろんのこと、この低価格で映像確認用のモニタまでついているのが嬉しいポイント。

これで動画撮影もバッチリかと思われたのだが、いざバイクに取りつけようとして困ったことになった。車体にカメラを取りつけられる場所がないのである。やむを得ず最後の手段としてハンドルの根元に取りつけたが、以前の経験から、ハンドルにマウントするとブルブル震動してマトモに見れない映像になってしまう恐れがあった。しかもウインドシールド越しの撮影になってしまう。

結局走って撮影した結果から言うと、やはり映像が(手ブレ補正機能を効かせても)ブルブル震動してしまい、見てると車酔いするような映像になってしまったので、今回の動画はボツにした。決してカメラが悪いわけではないので、マウントする方法と位置を考え直し、次回リベンジする。

001.jpg適当に作ったハイ坊のキーホルダーを、休みの間に立派なものに作り替えた002.jpg冬の間はバイクカバーの下で眠っていたVICTORYハイボール、通称「ハイ坊」003.jpgカメラはここに取りつけたが、撮った映像は予想通り見るに堪えないものに004.jpg渋滞に巻き込まれつつ、のどかな田舎道を通って何とかお昼過ぎに笠森観音に到着
005.jpg笠森観音の表参道。苔むした崖にはさまれた細い道は、秘境の雰囲気満点006.jpgものすごい杉の巨木が立ち並ぶ参道脇。この日は参拝客の老人たちもチラホラ007.jpgなかなか立派な山門。山の中だが、この一帯だけ開けて見晴らしがよい008.jpg山門の中には、仁王像ならぬ風神像。古い像だが色も付いていて大迫力
009.jpg山門の左側には雷神像。目をむいた形相がすさまじい。子供が見たら泣くかも010.jpg山門裏には、閻魔大王と奪衣婆・懸衣翁の座像。それぞれ表情が生々しい011.jpg笠森観音の本堂。単なる高床式ではなく、わざわざ岩の上に建てている012.jpgスリッパに履き替え、急な階段を登って行く。入り口が階段というのも珍しい

前置きが長くなってしまったが、今回のツーリングの目的地は千葉県のほぼ中央に位置する寺院、笠森観音というところ。京都の清水寺と同じ「懸造り(かけづくり)」という柱を組み合わせた土台の上に建つお寺らしい。しかしここに行って帰ってくるだけではつまらないので、房総半島の太平洋側、鴨川市にある道の駅に行っておみやげを買い、さらに東京湾側に行って富津市にある温泉に入り、アクアラインを通って帰るというルートである。

当日は晴天に恵まれ朝10時ごろ出発したが、東京外環自動車道で曲がる方向を間違えてしまい、やむを得ず一般道に降りて戻ろうとしたものの、そこでまさかの大渋滞。知らない土地で渋滞に巻き込まれたまま曲がりたい道も曲がれず、そのままチンタラチンタラ一般道を進むことになってしまった。時間を約1時間半ほどもムダにしてやっと京葉道路に入り、そこからはスムーズに走って、お昼過ぎには笠森観音がある長生郡に到達した。

低い山が連なるのどかな田舎町をナビに誘導されて進むと、ものすごい細い道を曲がれとの指示が。古い民家にはさまれた道の真ん中で、野良ネコたちがかたまって昼寝している。バイクでゆっくり近づくと「しょーがねーなぁ」という感じでネコたちが道を空けてくれた。その細い道は山の奥に続いており、どうやら笠森観音の参道のようである。

バイクを停めて参道を登っていくと、まずは巨大な杉の木が目につく。この日は平日だったが、意外と参拝客の老人たちでにぎわっている。杉の木を通り過ぎると立派な山門があるのだが、山門と言えばふつうなら仁王像があるところ、ここはスゴイ形相の風神像と雷神像だった。その裏には閻魔像と、さらに奪衣婆と懸衣翁の像まである。それぞれ表情が生き生きとしてて生々しい迫力がある。

山門をくぐると、いよいよ笠森観音の本堂がお目見えする。妙な岩のでっぱりの上にムリヤリ建てた格好なので、ふつうの寺院に比べるとひたすら奇妙さが目立つ。手前の平らな土地には意地でも建てたくなかったのか。