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洞窟観音・達磨寺ツーリング
群馬県高崎市石原町・洞窟観音山徳公園
群馬県高崎市鼻高町・少林山達磨寺

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2014年4月9日 木城ツトム

まだまだ4月、春のポカポカ陽気は続いている。ちょうども見ごろの時期である。さっそく次のツーリングといきたいところだが、前々回「笠森観音ツーリング」では行きも帰りも大渋滞、前回の「あぶくま洞ツーリング」では予想外の寒さに苦しめられた。渋滞もイヤだし寒いのもイヤ、ということで他の地域に目を向けてみると、意外にも未開の地グンマー、もとい群馬県に穴場スポットがたくさんあることを知った。おりしも我が心の師・藤岡弘、が「群馬探検隊隊長に就任したというニュースは記憶に新しい(もう終わっちゃったけど)。ここはひとつ群馬に行かねばなるまい。

さて群馬にたくさんある穴場スポットを1日では回りきれないので、その中からなかなかすごいと評判の高い「洞窟観音」と、以前から1度行ってみたかったダルマ発祥のお寺「少林山達磨寺」の2ヶ所にポイントを絞った。また帰りには、恒例となった日帰り温泉を堪能したい。

ツーリング決行は天気の良い4月9日に決定。ところが昼夜逆転によって時間サイクル調整がうまくいかず、当日は朝4時に目が覚めてしまった。朝メシを食べても時間が余ってしまい、まだ薄暗い朝の7時前に出発してしまった。

001.jpg今回の動画カメラ「GC-XA1」は設置位置を変え、上方向に移動してみた002.jpg関越自動車道・上里SAで1時間ほど時間をつぶす。天気は良くなってきた003.jpg午前10時ちょうどに「洞窟観音」に到着。新緑と桜の花が目にまぶしい004.jpg溶岩の岩に覆われた洞窟外観。外にもぽつぽつと観音像や地蔵がたたずむ
005.jpg「洞窟観音」入り口。中はヒンヤリと涼しいが、通年で17℃に保たれている006.jpg通路はコンクリできれいに塗り固められ、それほどの年期は感じられない007.jpg安置されている観音像。保護のために、こんな風に金網に覆われている008.jpg竜の背に立つ直立不動の観音様。造形のシャープさがとても素晴らしい

前回寒かった反省点を踏まえ、今回は冬の時期に購入しておいた黒いナイロンジャケットコミネ製)を着用。材質はナイロンだが、表面が少しザラついた変わった感じの半ツヤで、遠目からは革っぽくも見える。ナイロンだから軽いし、プロテクターやインナージャケット装備でバイク用としても抜かりない。この日の朝の天気は少し曇っていて気温も10℃台前半だったが、ナイロンジャケットの保温性で問題なく快走できた。

ただあまりに早く現地に着き過ぎても先方が開いてないので、関越自動車道の上里SAで、かなり早めの昼食(吉牛)を食べることに。群馬県というとなんとなく距離的に遠いイメージがあるが、今回のツーリングは片道130数kmと、200kmを超えていた前回のあぶくま洞よりずっと近い。東京近郊からなら、朝早く出てこなくても楽に日帰りで行ける距離である。

天気も曇りから快晴に変わり、まず第一の目的地「洞窟観音」へと向かう。高崎市の街並みを抜け、桜並木の道を通って山を少し登って行って、開園時間の10時ぴったりに到着。新緑と桜の花が美しい洞窟入口の駐車場にはけっこうクルマが停まっていたが、観光客のものではなかったらしい。この日の一番乗りということでチケットを買い、溶岩の石を固めたオドロオドロしい入り口から洞内に入った。

洞内は少し気温が低くヒヤリとするが、通路の中はコンクリートできれいに塗り固められていて、入口の外観のようなオドロオドロしさはない。通路の途中途中に凹みがあり、溶岩の岩の中に手彫りの観音像が安置されている。観音像の大きさは座像で50〜60cm、立像で80〜100cmくらいか。「三十三観音」ということで、1体1体違ったデザインで見てて飽きることがない。

009.jpgさまざまなバリエーションの観音像が並ぶ。装飾の細部の凝りようがすごい010.jpg観音像のみならず、渓谷と川の中にたたずむ観音たちの幽玄世界のジオラマ011.jpgちょっと大きめな聖観音像の間。手前の池の白砂にも絵が描かれていた012.jpgここの空間の名前は「瞑想殿」。胎児に戻って瞑想しなさいとの説明書き
013.jpgこの像だけ妙にリアル系だが、空海の像とかではなく立派な菩薩像らしい014.jpg洞窟出口。人工の洞窟としてはかなりの長さで、非常に満足度が高い015.jpg花が咲き乱れる洞窟の外。空も雲ひとつない快晴でツーリングには絶好の季節016.jpg洞窟の創設者・山田徳蔵の邸宅の日本庭園に置かれた笑い閻魔と笑い鬼

この洞窟は、この地の呉服商だった山田徳蔵という人が私財を投げ打ち人夫を集め、実に50年もかけて人力で掘り続けたものだという。洞窟の長さは400mもあり、観音像は実に39体もあるらしい。手がたくさんあるもの(いわゆる千手観音)、竜の背に乗っているもの、横を向いて座っているもの、聞き耳を立てているものなど、たくさんの種類があってどの造形も見事だ。

だいぶ進んだしもう終わりなのかと思っていると、横の凹みがひとつの部屋のような大きさになり、中は溶岩や砂で川の流れなどを表現したジオラマになっている。今までのとは違って風景の中に観音様が立っている構図だ。さらに進むと、いよいよ幻想的な「観音世界」のジオラマが登場する。単なる「石像」ではない、生き生きとした「世界」に引き込まれること請け合いだ。見た瞬間、思わず「うおおお」と声を上げてしまった。

ここでは写真は紹介程度に留めるので、このサイトをご覧の皆さんにはぜひ生で見てもらいたい。仏教系テーマパークは数あれど、ここまで見事に「仏の世界」を再現したものはなかなかないと思う。「男の世界(=マンダム)」ならぬ「仏の世界(=ブッダム)」!! う〜ん、ブッダム