さてこの「洞窟観音」の近くには、高崎市のシンボルとなっている高さ41mの「高崎白衣観音」があるのだが、時間も押しているので次の目的地「少林山達磨寺」へ。桜並木ののどかな川沿いの道を5kmほど走り、山を少し登った途中の駐車場にハイ坊を停めた。ここからも「達磨寺」に入れるのだが、本来の参道は山の下からとなる。とりあえず石段を降りて行って、山門から入り直す。
この立派な山門、この山門が「達磨寺」の見どころのひとつ。ここ「達磨寺」は禅宗のひとつ「黄檗宗(おうばくしゅう)」のお寺なので、様式が中国風。そして山門に掲げられた「少林」の文字!これはまさに「少林寺」!!(よく見ると「少林山」だが)
中国のテレビの武侠ドラマなどでは、重傷を負ったヒロインを背負った主人公(逆もアリ)が少林寺にやってきて、山門の戸を叩くと中から冷たい坊主が出てきて「当山は女人禁制です。お帰りください」とか言われるのが定番のパターンである。ここ「達磨寺」の山門は開きっぱなしなので、その心配はない(笑)。
山門をくぐると、その先は200段もある石段。だがこの手の石段にしては角度が緩めなので、登るのは見た目ほどキツくはない。……と言いつつ息を切らせながら石段を登り切ると、両側に講堂などの建物があるだけで、本堂はさらに石段を登った上にある。ふたつの建物にはさまれた渡り廊下には釣り鐘があって、誰でも自由に鳴らすことができる。小さい釣り鐘だな……などと思って打つと、意外な音の大きさに驚く。
さらに石段を登っていよいよ本堂へ。本堂が見えてきた……と思うと、意外なほど小さい建物。本堂自体は普通のお寺レベルの大きさである。ただ本堂正面には鐘がみっつ下げられていて、神社のような凝った造りをしている。両側には大小ダルマが積み上げられているが、正月にはもっと多くなるらしい。これが日本人形だと(有名な淡島神社のように)ちょっとしたホラーだが、ダルマだとたくさんあってものどかなのが面白い。
本堂のとなりには長屋の建物「達磨堂」があり、その一角には日本中から集めたダルマコレクションが無料展示されている。実に様々なバリエーションの縁起物のダルマや、目をむいたリアル系達磨大師像が所狭しと並ぶ。本堂とこの達磨堂は「達磨寺」でぜひ見ておきたいポイントである。