入り口中央には、ムスッとした大きな黒光りする達磨大師像。ギョロリと目をむいた表情が素晴らしい。他にも巨大なものから豆粒大まで、木彫りから張り子から様々なダルマが見ていて飽きることがない。リアル系のダルマはムスッとしてたり叫んでいたり表情が怖いのが多いが、体形が丸っこくてどこかユーモラス。
実在した達磨大師はインドから中国に渡って禅宗を伝え、少林寺の壁に向かって9年間座禅し続けたために手足が腐ってもげてしまったという(あくまでも伝説)。この伝説から縁起物のダルマが作られたと言われている。また「達磨堂」ダルマコレクションの中には、明らかにロシアのマトリョーシカと思われるもの(名前がなぜか「フスタニカ」となっている)があるが、マトリョーシカは箱根細工の入れ子人形が元になったという説があるので(箱根入れ子人形にも七福だるまというのがある)いわば「ロシアダルマ」とも言えるだろう。
さて「達磨堂」にてダルマを充分堪能し、その裏にあるちっぽけなおみやげ屋「だるだる」にておみやげを買ったら、いよいよ最終目的地へと出発。関越自動車道・高崎インターすぐ近くにある天然温泉、その名も「湯都里(ゆとり)」。前々回、前回と温泉についてはちょっと満足できなかったので、今回はレビューなどをよく調べた上で、ハズレのない物件を狙ってみたのである。
ナビに従って走ると、異様にカラフルな立体駐車場みたいな建物に到着した。これはいったい何事かと思っていると、その建物は中古車販売店で、温泉はそのとなりの和風の建物だった。やはりここも平日の昼間だというのに駐車場はクルマでいっぱい。入り口の門扉をくぐるとちょっとした和風庭園の装い。中は非常に広く、玄関先に下駄箱と受付、中央に売店や休憩所やセルフの食堂があり、奥に浴室がある。料金は後払いで、中で食事などをして帰りに全額まとめて支払う仕組みになっている。
料金は1日コースや平日3時間コースなどがあり、今回はリーズナブルな3時間626円で入浴することに。ロッカー室も浴室も広く、内湯もジャグジーや寝湯など種類が多く、さらに露天風呂も岩風呂、石釜風呂、檜風呂などいろいろある。透明な湯は入ると肌がスベスベ、源泉かけ流しで湯温はちょっと熱め。しかし湯が注がれているところから離れると、かなりぬるくなるのでゆっくりと入っていられる。
お湯は同じでもいろいろな湯船があるので飽きずに入っていられるが、ここの施設は内湯にも露天風呂にも壁時計が設置されているのが良い。3時間コースで入ってる身としては時計はありがたい。今回は1時間ほども入っていたが、顔がかゆくなるようなことはなかった。しかしまだ時間は余っているので、セルフサービスの食堂で食事をすることに。
まずは群馬県名産の下仁田こんにゃくの刺し身を味わう。プリプリした食感が酢みそに合っててうまい。そして普段食べられない天丼をガッツリいった。これがけっこうな大盛りで、味の方も充分満足。食べ終えて食休みしても時間は全然余裕があった。これで入浴と食事で合わせてほぼ2000円。料金も安くて温泉も食事も満足できる内容だったのが何より嬉しい。
その後眠気をこらえながら、日没前に無事帰宅。今回の走行距離は約273km、燃費はリッター20.7kmとまずまず。けっこう風が強かったのが燃費に響いたか。しかし群馬の穴場スポットはまだまだありそうなので、今年はグンマーを攻めて行きたいと思っている。