ゆ き と の 書 斎

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近況 2005年

2005年11月21日 8巻ようやく発売。

みなさんお久しぶりです。

ここ数ヶ月、内輪でちょっとゴタゴタがあって、ネガティブな事を書いてしまいそうだったので書きこみは控えておりました。
なんとか解決の落とし所が見えたようなので、書きこみ復帰します。

銃夢LO8巻、おかげさまで好評のようで、死ぬ思いで描いた甲斐がありました。(^_^)
まだ発売されていない一部地方在住の方、今しばしご辛抱ください。<(_ _)>
以下、一部ネタバレを含んでいます。

*****

銃夢世界の歴史のミッシングリングを埋める「文明復興編」は、銃夢LOの構想初期からZOTトーナメント中に描く予定だったエピソードです。
しかしガリィが生まれるはるか前の時代なので、誰か別の語り手を用意しなければなりません。
ガントロール戦で思いきって吸血鬼という設定を出した時、カエルラさんを語り手にする事にしました。
まさかガリィの人気を脅かすほど人気を集めるとは思っていませんでしたが…。(^-^;)

この「文明復興編」、はじめはダイジェストに4~5回ぐらいで終わりにして単行本一巻以内に収めるつもりでしたが、描くうちにどんどんドラマが膨らんで、登場人物の感情の機敏を描写したくなり、単行本2巻分のエピソードになってしまうことに。
近未来の話なので大量の資料が必要になりましたがGoogleの画像検索が大活躍。これなしではアメリカの風景などはあそこまで描けなかったです。
作画はたいへんですが、今は物語を描くのが最高に楽しいです。


以下、ちょっとレスです。

▼nekoroさん
> 本に大きく書かれている文字が「My Memorys」なんですが、

はがうぁっ!! ……み、見なかったことに…。(赤面)

▼シヴ太郎さん
> 「筑研」のQPちゃんぢゃないですよね?

そうしようかと思いましたが、つーちゃんに逃げられると困るのでやめました。

▼ hedwigさん
> コリンファレルには笑っちゃいました。

つーちゃんが「作画前に指摘した」などと言ってますが、実際は原稿を仕上げて入稿した翌日です。後の祭り。
いや~、ぜんっぜん気付かなかったな~。(^-^;)
人名辞典で科学者の姓名を適当にくっつけて作りました。他意は無いです。
マイノリティ・レポートとか観てるんだけど、俳優さんの名前見てなかった。
もし銃夢LOが実写映画化されたら、ぜひ出演してもらいたいです。

▼ Marsさん
> 8巻の186ページから量子コンピュータが出てきますが
> あれは原作者様の純粋なプロットのアイディアなのですか?。
>あまり有名ではないのかも知れませんが遠藤浩輝氏のサイバーパンクSFマンガ
>『EDEN』にも似たようなシュチュエーションがあるんですけど・・・。

不肖にして遠藤浩輝氏の『EDEN』という作品は知りません。

量子コンピューターは現在すでに研究が始まっており、初歩的な成果が上がっているようです。
僕は「文明復興編」を描きはじめる前、一カ月休みをもらって、量子コンピューターに関する本を何冊か読んで勉強してみました。
いまのところ、量子コンピューターは「因数分解が速く解ける機械」以上のものではないようです。

量子脳仮説は注釈にある通り、実在するロジャー・ペンローズという人が提唱した仮説です。
入門書として、「ペンローズの量子脳理論」徳間書店、2200円をお勧めします。

突拍子もないことを大まじめに論じていて、へたなSF小説よりはるかに面白いこと請け合いです。
ただし、ペンローズは「量子脳が予知をする」などとは言っていないので注意です。ここは僕のフィクションです。
量子力学の本を読んでいると「量子飛躍」とか「量子絡み合い」とか、およそ常識をはるかに超越したことがポンポン出てきます。
もし脳にペンローズの言うような量子的なメカニズムが備わっているなら、テレパシーとかテレポーテーションとか予知とかのオカルト現象を説明できてしまうんではないか?と、素人の僕なんかは夢想してしまうわけです。
答えになりましたでしょうか? (^_^)

▼>マチュさん
>ジャッコがかっこええ!!しかもあの二丁拳銃(何でグロック?ガバが良かった)

寒冷地だとプラスチックフレームじゃないと手にくっついちゃいますからね~。それにジャッコはヨーロッパの人(スペイン人という設定)なので、アメリカ製の銃は使いたがらんのです。
僕もジャッコをはじめて登場させた時、「しまった!面白いキャラになりすぎた!!」と一瞬後悔しました。(^-^;)
新しく担当になった編集のイトウさんも気に入ってしまって、いろいろとエピソードを膨らますようなことを言ってくるんですよ~。
ページには限りがあるからなるべく簡潔にまとめなきゃいけないのに~。
最後のヴィルマさんとの戦闘では、もっとたくさん殺陣のアイディアを妄想したんですけど、そのまま描いたらそれだけで2話分ぐらいかかってしまうので、涙をのんでボツにしました。

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