バイクとはまったく関係ない話だが、私は仕事場で『陶陶酒(とうとうしゅ)』という薬用酒(正確には薬味酒)を愛飲している。と言うのも、40歳を過ぎたころから風邪を引きやすくなり、その対策として『薬用養命酒』を飲み始めたのがきっかけ。養命酒を飲み始めてから確実に風邪は引かなくなり、その効果を実感したのだが、ある時ふとネットで「薬用酒」を調べてみると、養命酒以外にもいくつか存在することを知った。そのうちのひとつが『陶陶酒』である。
アルコールよりシロップの味が強い養命酒と違って、陶陶酒は飲み口サッパリ、アンズのような風味のおいしいお酒だ。寝る前や朝起きた時に、おちょこ一杯分飲むだけで、特に冬場は非常に調子がいい。ただしあくまでもお酒なので、飲んでしまうとクルマやバイクの運転はNG。その点は気をつけたい(笑)。
さて、なぜこんな話をしているのかと言うと、陶陶酒に含まれているマムシ成分に関係している。もともと江戸時代にマムシの黒焼きで評判だった店が、第二次大戦後「飲みやすいマムシ酒」として陶陶酒を開発。そしてヘビの研究機関として「陶陶酒蛇族研究所」を昭和40年に設立。この研究所が後に、群馬県太田市にある『ジャパンスネークセンター』へと発展する。今回のツーリングの目的地である。
ツーリング当日の朝9時、空は薄曇りでパッとしない天気。しかも風が強いが、昼からは晴れるという天気予報を信じて出発。気温もそれほど低くなく、常磐道〜外環道〜東北道といういつものルートを快適に走り抜けた。10時半ごろ、群馬県太田市の薮塚温泉付近に到着。まず『スネークセンター』に行く前に、見ておきたい場所があった。『薮塚石切場跡』である。
要は石の産出現場なのだが、残念ながら私のバイク用ナビには場所が入っていなかった。付近までバイクで来たものの、大きな案内板もないため、歩いて付近を探しまわるハメになった。正確に場所がわかれば特に難しくはないのだが、場所がわからず、炎天下の中坂道を上ったり降りたり、延々と1時間ほども探してしまった。もはや全身汗ダク、息も絶え絶え。( ̄▽ ̄;
やっと見つけた案内表示を頼りに山の中に進むと、板敷きの歩道の先に石切場が姿を現した。それほど大きくない山の中に、突如現れる岩壁のスケール感が異様。また森の中なので、木漏れ日のライティングによって非常に幻想的な光景になっている。とは言え、栃木県宇都宮市にある大谷石の石切場『大谷資料館』と比べると、さすがにスケール感に劣る。ただこちらは無料で自由に見られるので、気軽に異世界気分に浸りたい人にはオススメ。
さてモタモタしているとお昼になってしまうので、次の目的地『ジャパンスネークセンター』へ向かう。石切場からセンターまでは1kmもないくらい近いので、バイクで走るとすぐに怪しげな入り口前に到着した。