今年2月、長年住み慣れた千葉県流山市を離れ、茨城県つくば市へと引っ越した。ひたすら荷物整理に追われた引っ越し地獄と長かった仕事が終わったのが5月も下旬。桜の花咲く季節も過ぎてしまい、我が愛車ヴィクトリー・ハイボール(通称ハイ坊)は、3ヶ月も放置されたままだった。
引っ越しの整理に追われてまだ組み立てていなかったバイク用簡易ガレージ「バイクバーン」を駐車場で組み立て、キレイに洗車し、充電したバッテリーを取り付けてエンジンスタート。3ヶ月のブランクもなんのその、ハイ坊は何事もなかったかのように息を吹き返した。
本当に雲がひとつも見当たらない、初夏の晴天に見舞われた5月22日。まだ仕事明けの疲れがのこったままだったが、目的地を群馬県太田市の曹源寺(そうげんじ)通称「さざえ堂」に決め、近場の日帰りツーリングへと出発。
引っ越し後の最初のツーリングでもあり、久しぶりなので、リハビリがてらのツーリングとして群馬県は距離的にも手ごろだ。つくば市からは首都圏中央連絡自動車道(圏央道)を使うことで、東北道や関越道に非常にアクセスしやすくなった。圏央道が開通する前は、常磐道を下っていったん東京外環自動車道まで行ってから東北道や関越道へ行く必要があったが、圏央道から直通で行けるようになり劇的にスムーズになった。高速交通網がなく、長らく「陸の孤島」だったイバラキ県南西部も、これでやっと便利になったと言える。
さて朝9時ごろ自宅を出発、一般道を10分ほど走ってすぐに圏央道へ入った。圏央道はできたばかりで新しく道路もキレイだが、片側一車線の対面走行区間が道の大半を占めている。そのためクルマが多いと前が詰まり、必然的にノロノロ運転となってしまう。また開けた農村地帯の高所を通っているため、非常に風が強い。この日は幸いクルマは多くなかったが、やはり向かい風はかなりの強さだった。
快調に埼玉方面へと走り続け、この調子なら10時すぎには目的地に着くかな〜と気軽に考えていた私の目の前に、突如停車中のクルマが出現。まさかまさか、まったく予想外の大渋滞だった。渋滞にブチ当たったのは片側二車線の区間でジワリジワリと少しずつ動くものの、解消する気配はまったく見られない。
私のハイ坊のような空冷・大排気量バイクは、渋滞にハマると熱ダレ(急にパワーが落ちること)を起こしてしまう。そんな状態が長く続けば、最悪エンジンが焼き付いてしまいかねない。また足元のエンジンの熱でライダーのフトモモは焼かれ、上がってきた熱気で汗ダラダラ、意識はもうろうとなる(笑)。バイクやライダーにとって渋滞とは非常に危険な状態なのだ。
そこで私は、渋滞で停車したらキーを戻し、エンジンを切るという手段を取っている。エンジンへのダメージがやや抑えられるこの方法でやっと渋滞を乗り切ると、前輪のタイヤが無惨に裂けたマイクロバスが路肩に停車していた。追突事故とかじゃなかったのが幸いだが、片側二車線が終わった先の一車線のところでバスが故障したため、二車線分のクルマが集中し、このような大渋滞を起こしたようだ。図らずも圏央道の弱点が露呈したと言える。