一夜明けた13日の日曜日、前日の大雨が冗談だったのかというほど爽やかな晴天。昨日の時点でコスモアイルの調査は終わっていたのでこの日は帰るだけなのだが、せっかくに北陸に来たのだからと、富山県にある日本海に面した断崖の名所・東尋坊(とうじんぼう)に行くことになった。
私(木城ツトム)はずいぶん前に一度行ったことがあるのだが、その時も1時間程度見て回っただけだったので、今回はじっくり堪能してきたのであった。日曜ということもあって、東尋坊に向かう道には他の車も多い。ほどなくして東尋坊の土産屋に車を停めたが、もうすでにたくさんの観光客が訪れていた。この好天なら当然というべきだろう。
それにしても、何回見ても素晴らしい奇岩の数々である。日本海の海水のきれいさも目を見張る。やはり自殺者が死に場所にここを選ぶのもむべなるかな。
しかしこの日は観光客がひしめき、とても自殺の名所などといった趣はない。コドモが走り回り、若い連中が岩場の上で奇声を上げてはしゃいでいる。しかしこれだけの人が岩に登っていて、誰ひとり海に落ちないのは不思議だ。なんとも和やかな雰囲気だが、やはりこの場所は夏より冬が似合う場所なのかも知れない。
ここでは写真ばかりでなくデジカメでちょっとした動画を撮ってきたので、今年海に行けなかった方に雰囲気だけでも味わっていただきたい。
東尋坊では特に怪奇現象が起こるでもなく、遠い日本海の果てに思いをはせつつ断崖を堪能した我々は、北陸のオカルトスポットをあとにした。わずか3日間、ピンポイントでしか探れなかった今回の北陸調査だったが、その懐の深さにはまだまだ底は見えない。いずれまたこの地を訪れ、そのオカルトな暗黒面にふれることを夢見て、我々は帰路へとついたのであった。