ページ2 of 茶房・風雲庵

黄金の巨大神像ツーリング
栃木県那須郡那須町 神命大神宮・那須別宮

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2017年11月7日 木城ツトム

015.jpg敷地内にある「ご参拝マップ」。参拝順路がきっちり決められている016.jpgマップの先にある相撲の土俵。怪力の神様タヂカラオに由来したものか017.jpg参拝順路2番目のほこら。天岩戸の前で踊ったアメノウズメを奉っている018.jpg敷地内の日本庭園。掃除はしているようだが、池に水はなくさびれている
019.jpg順路の4番目。アマテラスが隠れた天岩戸を開く作戦を立てた オモイカネ020.jpg順路の5番目はほこらではなく、神気が込められているという「二見岩」021.jpg順路の6番目は巨神像の下、アマテラスが隠れた天岩戸を開いたタヂカラオ022.jpg巨神像の手から流れる「御神水」。この水でお金を洗うと金運が向上するとか

順路に従いオモイカネのほこら、神気を宿しているという二見岩を見て、巨神像の足元へと進む。ここのほこらはタヂカラオを奉っている。すなわちこの巨神像は怪力の神さまタヂカラオで、岩のオブジェは天岩戸、日本神話の「アマテラスの岩戸かくれ伝説」のワンシーンなのだ。

太陽神アマテラスの弟スサノオが高天原で暴れたため、困ったアマテラスは岩でできた小屋に閉じこもってしまった。そのため世界は暗くなり、災害が起こるようになった。困った神々は、アマテラスを岩屋から出すために集まる。オモイカネの作戦により、岩屋の前でニワトリを鳴かせ、鏡やマガ玉を作り、占いをさせて祭りを行った。アメノウズメは逆さにしたオケの上で、胸を出してほぼ全裸で踊りまくった。それを見た大勢の神々がいっせいに笑ったので、高天原が揺れ動いた。

外の楽しそうな声が気になったアマテラスは、岩戸を少し開けて外を見てみた。何をしているのかとアメノウズメに訊くと、ウズメは「えらい神さまが来たので皆で喜んでいるのです」と言って、アマテラスに鏡を見せた。鏡に映った自分がえらい神さまだと思ったアマテラスが、もっとよく見ようと岩屋から顔を出した時、岩戸の横に隠れていたタヂカラオがアマテラスの手をつかみ、岩屋の外に引っ張り出した。こうして世界に日の光が差し、平穏が戻ったのだった。今回の原因を作ったスサノオはヒゲを剃られ、ツメをはがされて高天原を追放された。

ということで、岩に右手をかけている巨神像は、岩戸をあけるタヂカラオを表している。順路に従って次に進むと、今度は巨神像の手からしたたり落ちる「御神水」。この水を飲んだり、お金を水で洗うと良いことがあるということで、まあ宗教施設によくある感じだ。巨大な手の下は池になっており、お賽銭が沈んでいるのが見える。水はきれいだが、コイなどの魚がいないので見た目がちょっとさびしい。池をぐるりと回り、向こう側に進むと、いよいよ岩屋の内部に入る入り口がある。

岩屋の入り口は、まさかの自動ドア。中は壁こそ岩っぽく作られているが、床はキッチリとタイル張り。岩屋の実態は鉄筋コンクリのビルなのだろう。入るとすぐにアマテラスを奉る祭壇があってイスが並んでいるが、なぜかここは順路には入っていない。アマテラスのほこらは岩屋の屋上にあるらしい。

上に行くには階段の他にエレベーターまであるのだが、ここはあえて階段をのぼって全貌を確かめたい。怪しい雰囲気の階段をのぼっていくと、2階は公民館にあるような資料展示室だった。祭事の時に使ったとおぼしき着物や刀、そして祭事の写真がたくさん展示されている。祭りの写真を見るとけっこう参拝客も来ていて、相撲大会の写真ではかなり人が集まってにぎわっている様子がうかがえる。