2012年最初のツーリングレポはちょっと趣向を変え、パーツカスタマイズと、その後のテストライド的プチツーリングの模様をお送りする。
今回カスタマイズしたのはシフトレバー。バイクのシフトと言えば、左足つま先でシフトアップ・シフトダウンの操作をするのが一般的。しかし中にはビジネスバイクのスーパーカブのように、ステップの前後にレバーが伸びていて、つま先とかかとで操作するものもある。この方式は「シーソー式」などと呼ばれ、実はハーレーも40数車種中15車種ぐらい(※)はこの「シーソー式」シフトだったりする。
※……クラシックなスタイルの「FL系」と言う車種に伝統的にシーソー式シフトが用いられている。大きなカウルの付いた「ツーリングファミリー」や、映画『ターミネーター2』でシュワルツェネッガーが乗っていたFLSTFファットボーイなど。
しかし我が愛機ダイナ・ファットボブは通常タイプのシフトレバー。ごついライディングブーツを履いて乗っていると、足首が疲れてくることもある。またブーツのつま先にシフトペグの跡がガッツリついてしまうのも気になっていた。どうせ峠を攻めたりしないし、シーソーペダルにすればこれら問題も解決し、乗りやすくなって一挙両得かも!と思ったワケだ。
ネットでハーレー系掲示板を調べてみると、やはりシーソーペダルを付けたがっているダイナユーザーはけっこう多い。しかしダイナ用シーソーペダルというのは、アフターパーツが膨大なハーレー純正にも、また社外品にも見当たらない。いろいろと調べていくうち、1974〜84年までのFL用シーソーペダルのOEMメーカー品が、ダイナに加工せずにポン付けできた(※)という記事を発見。
※……ただしそこはアメリカ製、加工せずに付けられるかどうかは実際にやってみなければわからないとのこと。このページを参考にして取り付けても、すべて自己責任でお願いする。
いくつかのネットショップで同じ品と思われるシーソーペダルを見つけたので、その中から千葉県にあるパーツショップ「NEO FACTORY」にて購入。さっそく標準のシフトレバーを外して合わせてみると、まったく問題なくスポッとはまった。ただ固定用のボルトは付属していないので、ホームセンターでステンのヘックスボルトと緩み止めのナイロンナットを購入。このシーソーペダルはボルトの締めつけだけで固定するので、ボルトが緩むと簡単に脱落してしまうらしい。シフトレバーの脱落はシャレにならないので、ボルトを思いっきり締め上げる(ワッシャーをかますと全然締まらないのでボルトとナットのみ)。
さてシーソーペダルを装着したら、やはり走ってみなければ始まらない。なるべく一般道を走って頻繁にシフトチェンジしたいところ。そこで霞ヶ浦の湖畔を走って鹿島神宮まで行くルートを走ることにした。
茨城県の霞ヶ浦(かすみがうら)は地味ながらも全国第2位の広さをもつ淡水湖。まずは霞ヶ浦の西側にある霞ヶ浦総合公園を目指す。この日はもう3月も下旬、自宅のある千葉県の天気は晴れ時々曇り、最高気温が17℃にもなるという。今日は大丈夫だろうとタカをくくり、冬場必須の電熱ジャケット・シナジーは着ないで出撃したのだった。
……がッ!寒い……ッッ!!耐えられないほどではないものの、空は薄曇りのままで日差しが差さないのだ。うかつだった……茨城は寒いのだ。千葉と茨城を一緒くたにして「チバラギ」などと呼ぶ向きもあるが、そいつらは何もわかっていない。実は境を接している千葉県北部と茨城県南部では、気温が5℃ぐらい違う。千葉生まれ・茨城育ちの私であっても「エバラギはとうほぐだっぺよ!」と叫びたくなる。
そうこうするうちに常磐道を降り、一般道を走って霞ヶ浦方面へ。肝心のシーソーペダルだが、やはり慣れないとついつま先でシフトアップしてしまう。またかかとでのシフトアップはシフトペグを踏み損ねたり。しかししばらく走っているうちに慣れてきて、地面を軽く蹴るような感じでシフトアップできるようになってきた。
ただニュートラルに入れるのはつま先でないとやりにくい。かかとでニュートラルに入れられるようになれば、完全にシーソーに慣れたということか。