ページ2 of 茶房・風雲庵

竜神大吊橋ツーリング
茨城県常陸太田市・竜神ダム

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2013年9月27日 木城ツトム

山に入って少しだけワインディングを走ると、すぐに「竜神大吊橋」に到着。橋を支える高い鉄柱と、ぶっといワイヤーをつなぎ止めるコンクリ製アンカーの巨大さにまず驚かされる。吊り橋と言ってもクルマ1台分くらいの幅の、ものすごくしっかりしたコンクリ製の橋(歩行者専用)だ。まずはバイクから降りて周囲を見渡すとなかなかの絶景。そんなに高い山に登ってきた気はしなかったのだが、周りは山々に囲まれている。

きれいな駐車場、アンカーに描かれた派手な絵、大きなおみやげ店と観光地としてキッチリ整備されている。平日だというのに観光客も20人くらいは来ている様子。前回「袋田の滝」に行った時はこの吊り橋のことは知らなかったのだが、同じ奥久慈の観光地セットなのだろう。さっそく入場料を払って入ってみるが、景色がいいこと以外は、ただただまっすぐ歩くだけ。橋を渡った先から遊歩道で下に降りられるらしいが、下はダムがあるだけなので観光は橋だけで終わりである。

橋からは竜神川の水を溜めた竜神ダムと、周りの山々が一望できる。景色もいいが、やはり巨大な鉄柱とコンクリで造られた橋自体が目を引く。よくもまあ観光用の橋にこれだけ手間ひまをかけたものだ……と感心して歩いていると、床の一部が四角くくり抜かれ、アクリル板の窓がはまっている。橋の下が直接のぞける凝った趣向だが、アクリル板に乗ると少したわむのでヒヤリとする(笑)。窓からは木が見えるだけで落差はわかりづらいが、説明では100mあるという。吊り橋ならではというスリルは微塵もないのだが、多少怖がりの人でも安心して景色を楽しめるスポットと言えるかも知れない。

0009.jpg橋から見た竜神川と竜神ダム、山々の絶景。ダムからの高さは約100mとのこと0010.jpgダムの反対側。ダムへ行くのに吊り橋を渡るは必要ないらしく、完全な観光用0011.jpg橋を渡っていると、数ヶ所にこのようなものがある。何かと思って近づくと…0012.jpgアクリル板でできたのぞき窓。乗っかると微妙にしなるのでスリル満点
0013.jpg吊り橋から25kmほど細い山道を走って、山奥の温泉施設「三太の湯」に到着0014.jpgサンタといってもクリスマスではない。この地域に伝わる伝説の巨人の名前だという0015.jpgかつてこの地方の開墾し、かつ竜を退治した巨人が「ダイダラボッチ」三太0016.jpgユキトプロへのおみやげはご当地ヒーロー、時空戦士イバライガーのお菓子

さて午後3時をまわってしまったので、次の目的地へと出発。向かうのは吊り橋から南へ25kmほど走ったところにある温泉施設「やまがたすこやかランド・三太の湯」である。山を下りたと思ったら、今度は細いワインディングルートに突入。ゆっくりとしたスピードで気をつけながらくねくねと山道を進むと、突然開けて二車線の直線道に出た。しかしいくらも進まないうちにまた細い山道に……。農道のような細い道ときれいな二車線道を交互に走ること約1時間弱、やっと今回の最終目的地「三太の湯」に到着。

ずいぶん山奥に入ってきた感じもするが、施設は真新しく近代的でシャレた感じ。「秘境の湯」といったような雰囲気はなく、駐車場もたくさんあってきちんと整備されている。駐車場横にズドーンと置かれている巨人の上半身像の脇にハイ坊を停めて施設に入場。にこやかな店員さんが「4時になると夜間料金で500円なんですけど……」と教えてくれたので、5分ほど玄関で待ってから入った(通常は700円)。

浴場は20人くらい入ってものんびりできそうな広さで、この時の客は7〜8人ほど。ジャグジーや露天風呂、打たせ湯やサウナもそろっている。お湯はややぬるめで、長く入っていてものぼせにくい。ここの温泉は「アルカリ性単純泉」とのことで、入るとすぐに肌がスベスベヌルヌルするのに気付いた。すごい即効性。打たせ湯や露天風呂も堪能して1時間ほどであがったが、気のせいか顔が白っぽく(漂白?)なってしまったような(笑)。

この地域に伝わるダイダラボッチ(巨人)伝説が「三太」という名前の由来とのことだが、平日の夕刻に来れるなら充分オススメできる温泉だ。さて日ごろの疲れをすっかり癒したのはいいが、重要なのは帰りの走りで体を冷やさないことだ。革ジャンの下にヒートテックシャツ長袖のセーターを着込み、準備万端で帰路についた……つもりであったが、帰りも強風にさらされてしまい、すっかり体が冷え切ってしまった。帰りも友部SAで夕食、途中で休憩をはさみつつ夜7時に帰宅。

今回の走行距離は約265km、燃費はリッター21.9kmと強風に煽られワインディングを走った割には好成績。スピードが出せなかったので、うまく燃費につながったのかも知れない。しかし温泉ツーリングはこんな風に体を冷やしてしまうことがあるのが難しい。それでも温泉はなかなかよかったので、次からはそのあたりを工夫して臨みたい。