ページ2 of 茶房・風雲庵

殺生石・那須高原ツーリング
栃木県那須町・那須湯本温泉

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2011年9月24日 木城ツトム

続いては、やはり赤い帽子をかぶった膨大な地蔵集団エリア。ここは賽の河原ということになっているらしいが、要するにこの辺り一帯を地獄にたとえて、仏教的な教えのテーマパークに仕立てているわけだ。今ではすっかり観光地だが、昔は人里離れたさびしい場所だったのだろう。順路を下っていくと、終わりのところに溶岩のカタマリのような岩が奉られている。「盲蛇石」という編集者のチェックが入りそうな名前だが、由来は先ほどの教伝地獄とはうって変わって心温まるイイ話である。順路を逆に回ってしまったが、最後に読んだのがイイ話でよかった。この話の後に教伝地獄とかキツ過ぎだろう。

さて殺生石はこれで終わりなので、次はこの先にあるという「ボルケーノハイウェイ」をボブ太郎で疾走する。しかしハイウェイ手前でまさかの工事渋滞。休みの間ぐらい工事休めよ……と言いたくもなるが、やむを得ずダラダラと進んでやっとハイウェイに入った。以前は有料道路だったのを2009年に無料開放したらしいが、路面状態はあまりいいとは言えない。とりあえず片側1車線あるので走るのは問題ないが、車が多いので超スローペース、加えていつまでも木々の中を走っているだけでさっぱり景色が見えない。ダラダラ走っているうちに、一番上のおみやげ屋駐車場に着いてしまった。「ボルケーノハイウェイ」なんていうから、木が全然生えてない岩場の中を走るものかと期待していただけに、この結果にはガッカリ。まあこの駐車場からは迫力ある茶臼岳の雄姿と、眼下に那須の町を眺められて景色は最高だが、先ほど硫黄のにおいを吸い込みすぎたせいか、なんだか頭痛がしてきた(笑)。しかも標高が高いせいでかなり肌寒い。用意してきたバファリンを飲み、革ジャンの下に長袖を着込んで帰ることにした。

19.jpg順路の途中は「賽の河原」なので大量のお地蔵様が20.jpgなるほど「賽の河原」と呼ぶにふさわしい光景21.jpgTVでは放映できない?「盲蛇(めくらへび)石」22.jpg「盲蛇石」の由来。こちらはとてもイイお話
23.jpgボルケーノ・ハイウェイを登った先にある「峠の茶屋」24.jpg茶臼岳(ちゃうすだけ)が間近に見える。さすがの迫力25.jpg景色は素晴らしいが、ここはかなり肌寒かった26.jpgハーレー・ファットボブを発見(私のが右)。珍しい

せっかくの温泉地だし、どうせならひとっ風呂浴びていこうかと考えていたのだが、帰り道で寒いと風邪を引きかねない。人も多いし頭痛もするしで、ここは帰るのが無難だろう。1時半ごろ東北道・那須ICに入り、少し走ってから上河内SAに寄って昼食を取ることに。ここは宇都宮市ということで、名物は当然ギョーザである。かつて大谷観音に行った帰りに食べたギョーザ定食をまた食べようと食券を買ったはいいが、店内に人がごった返していて座る場所がない。ギョーザ定食は焼き上がるまで時間がかかるので、なんとか出来あがる寸前に席を確保できた。あまりに席が空かないので、家族連れなどは車まで持っていって食べたりしていた。午後の2時近くだったというのにこの大混雑。やはり休日に来てしまったのは失敗だった。

すっかり意気消沈して帰ろうかという時、私のボブ太郎のとなりに、私のと同じハーレーダビッドソン、FXDFダイナ・ファットボブを発見。ファットボブを見かけるのはなかなか珍しく、ツーリング先で見たのは今回が初めてだ。この日もたくさんのハーレーライダーと一緒に東北道を走ってきたが、私のようにウィンドシールドをつけている人はほとんどいなかった(はじめからついている車種は除いて)。天気は良かったものの風が強かったこんな日は、ウィンドシールドがないと風圧が凄くてさぞかし大変だと思うが……みんな気合いが入ってるなぁと感心する(笑)。

そんなこんなで道に迷うこともなく、夕刻前には自宅に到着。今回の走行距離は往復で約380km、計18.9ℓ給油したので燃費は約リッター20km。やはり風が強かったのと途中の事故渋滞が響いたか。しかし何よりツーリングはしっかりとした計画が必要だと実感した。この次はもう少し計画的にツーリングを楽しまねば。