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迦葉山・弥勒寺ツーリング
群馬県沼田市・迦葉山(かしょうざん)

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2011年5月25日 木城ツトム

初夏の陽気も近づいた5月の上旬、愛車ハーレー・ボブ太郎を引っ張り出し、ウィンドシールドとバッグ類を外してオイル交換と洗車をした。バイクを洗車した後は、エンジンなど手の届かない部分に水気が残っているので、軽く走ってエンジンの熱で水気を飛ばした方がいいという。天気も良かったので、そのまま近所を少しばかり走ってみた。ボブ太郎を購入して以来久々の、サドルバッグもツールバッグもウィンドシールドも付けていないほぼノーマル状態だったのだが、これがまたなんというハンドリングの軽さ!

まあエンジンオイルとプライマリーオイル、それにプラグ交換による効果でエンジン自体の調子も上がっていたからだ思うが、それにしてもヒラヒラと軽いハンドリングに驚いた。これは言わずもがな、普段工具がギッチリ詰まったツールバッグと巨大なウィンドシールドをフロントフォークにくくりつけていて、ハンドリングが重くなっているのに気付かなくなっていたためだろう。

ウィンドシールドは高速走行に必須なので付けないわけにもいかないが、よく考えるとツールバッグはほとんど意味がないように思えてきた。パンクに備えてパンク修理キットをサドルバッグに入れておけば、あとは保険で使えるロードサービスで充分だろう。そもそもツールバッグの工具でできることなんて、ボルトの増し締めとプラグ交換ぐらいしかない。あの軽々としたハンドリングと引き換えに、使わない工具を持っていても仕方がない。

そんなわけで(?)5月最後の晴天に恵まれた25日、以前から気になっていた群馬県にあるという「天狗のお寺」にターゲットを定め、ツールバッグを外したボブ太郎に乗って出発した。

そういえば去年購入したデジカメのペンタックスW90が、5月中旬に両親と行った佐渡旅行の前に突然お亡くなりになってしまい、今回は新たに購入したコダックのポケットビデオカメラ「playsport」に、携帯カメラ用広角レンズを付けたもので動画撮影している。ペンタW90は結局なんにも使えずに終わってしまった……。orz

さてこの日は風が少々強めだったが、日差しは少し暑いくらいで絶好のツーリング日和。目的地のお寺は関越自動車道・沼田ICを降りた近くなので道順も簡単だ。ところがこの時私はまったく油断していて、特に確認もせずバイク用のナビ・ガーミンnuvi205Wプラスに目的地を入力しただけで出発してしまった。道順は常磐道・流山ICから入って東京外環→関越道と走るだけの単純なもののはずなのに、nuvi205Wプラスは何を血迷ったか、外環道の途中で一般道に降りて、埼玉県内の国道16号をチンタラ走り、川越ICから関越道に入るという正気とは思えないルートを示してきた。私も私でナビが示す通りバカ正直に進んでしまうので、30分ぐらい余計に時間を食ってしまった。

だが関越道にいったん入ればスイスイと進み、途中の上里SAで昼食を取ってからでも12時半ごろには目的地の迦葉山(かしょうざん)に到着。片道180km程度なので、3時間も見積もれば余裕でたどり着ける。

01.jpg迦葉山の中腹にある「和尚台」という奇岩の塔DSCF3098.jpg弥勒寺の案内図。一見広そうだが中はせまい21.jpg弥勒寺の正門から見た本堂。門を守るは狛犬ならぬ狛天狗06.jpg狛天狗はカラス天狗タイプのもの。像は比較的新しい
09.jpg弥勒寺本堂。巨大な天狗ウチワが目を引く10.jpgキレイに整備されているが、お堂そのものは古いDSCF3021.jpg「中雀門」を守る石の仁王像。奥の橋から山に入る04.jpg「中雀門」アップ。この門もそうとう古そうだ

絵に描いたようなのどかな田舎道を走り抜け、細〜いワインディングを進むと、ほどなく天狗のお寺・弥勒寺(みろくじ)に到着した。駐車場や公衆トイレもしっかり整備されていて、もっと寂れた場所を想像していた私には意外だった。平日だというのに人もそこそこいて、観光バスまで来ている。入り口の坂の脇にお姉さんが立っていて、近くの食堂のチラシを一生懸命配っていた。この日に限らず、そこそこ人が来るところなのだろう。

敷地内はお堂がいくつか建っていて、そこかしこにお地蔵さんや仏像が立ち並んでいるが、案内図で見るほど広くなく、本堂の裏手はすぐに山の急斜面になっている。歴史的に去年暮れに行った日本寺に匹敵するほど古いらしく、すすけたお堂の彫刻は見事だが、垂れ幕や天狗面の朱色が目にまぶしいせいか、年季の入った場所にしては華やかに見える。