ページ2 of 茶房・風雲庵

笠森観音ツーリング
千葉県長生郡長南町笠森・笠森観音

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2014年3月28日 木城ツトム

入り口に用意されたスリッパに履き替え、急な階段をおそるおそる登っていく。土台の古い柱は少しばかり鉄筋で補強されているが、ほとんどは昔の木造のまま。なるほど昔の人の建築技術と、わざわざこんな風に作るその執念には恐れ入るばかり。階段を登りきると受付があり、拝観料を払って本堂へと進む。本堂の中は撮影禁止だったが、中で見るものは多くなく、もっぱらこの本堂と本堂から見た景色を楽しめば充分である。

さて時間があまりないので笠森観音を後にし、次は房総半島の太平洋側、鴨川市にある道の駅「鴨川オーシャンパーク」へ向かう。ここからは一般道を走るのだが、千葉県では有名な養老渓谷沿いを南下することになった。しかしこの養老渓谷の道、かろうじて舗装はされているものの、クルマ1台がやっと通れるような細い道がクネクネと続いていて、悪い意味で実にエキサイティング。バイクだからいいようなものの、クルマでは絶対走りたくない道だ。渓谷だけあって景観はいいのだが、先の見えないブラインドカーブの連続は精神的に疲れる。

もうちょっと他の道ないのかよ!」とナビに文句を言いそうになりながら、午後3時ごろ鴨川市に突入。海沿いに建つ、これまたスゴイ形をしたコンクリートの建物が「鴨川オーシャンパーク」である。

実は6年ほど前、家族で鴨川に温泉旅行した時にここ「鴨川オーシャンパーク」は寄ったことがあったので、今回はおみやげをパパッと買い、2階にあるレストランで海鮮丼を食べ、すぐに次の目的地に向かった。

013.jpg階段を登っていく途中で、本堂の下、土台の木組みの様子がよくうかがえる014.jpg鉄筋とコンクリートで補強はされているものの、ほとんどは昔の木造のまま015.jpgこの周りには高台がないため、本堂の高さから周りをぐるっと見渡せる016.jpg鴨川オーシャンパークに到着。ここではおみやげを買って食事をするだけ
017.jpgコンクリ製の2階建ての建物は言われなければ道の駅だとわからない外観018.jpg鴨川の海。オーシャンパークの裏は、漁船がたくさん停泊する船着き場019.jpgオーシャンパークのレストランにて海鮮丼(¥1200)を食す。さすがプリプリ020.jpg山の中のクネクネした細い道を走って房総半島を横断し、東京湾側の富津市に到着
021.jpg天然温泉・海辺の湯。東京湾に沈む夕日を眺めながら入れる海辺の温泉024.jpg平日なのに駐車場はいっぱい。温泉は薄茶色の湯、露天風呂は解放感あふれる022.jpg東京湾の夕日。日本の太平洋側で、海に沈む夕日を見られるのは珍しいかも?023.jpg夕日に浮かぶ富士山。今回はこの景色が見られただけでもヨシとしよう

ふたたび山の中の細い道に悪戦苦闘しながら走ること1時間半、房総半島を横断して東京湾側の富津市に到着。以前バイクツーリングで来た鋸南町の「日本寺」の近くなのだが、こんなところに温泉があるという。それが今回立ち寄った「天然温泉・海辺の湯」。平日だというのに広い駐車場はすでにクルマでいっぱい。パッと見は食堂+おみやげ屋といった感じなのだが、看板には大きく「天然温泉」と書かれている。

入ってみると、建物の1階は海産物のおみやげ屋で、2階に浴場がある。エレベーターで2階に上がると発券機があり、ここで買った券をカウンターに出してロッカーの鍵をもらう。大人ひとり820円なのでやや割高だが、受け付けのおばちゃんたちは愛想がよく、アットホームな銭湯のような雰囲気だ。浴場は大きな内湯ひとつと、外に横に長い露天風呂がひとつ。露天風呂からは東京湾が一望でき、夕刻には東京湾に沈む夕日が見られるのがここのウリらしい。

ここのお湯は薄めたウーロン茶のような茶色で、関東の温泉ではポピュラーなものらしい。ちょっとだけぬるい湯加減でのんびりと入っていられる。露天風呂の方はなるほど夕日を眺めながらゆったりと無心で入っていられるが、なにしろ海沿いの施設なので風がゴーゴー鳴っててやや落ち着かない(笑)。しかし温泉施設としてはなかなかよかった。

……のだが、浴場から出た後、やけに目にかゆみが出て収まらない。急に鼻水まで出てきて、ティッシュで鼻をかみながら鏡を見ると、鼻の頭、頬や目の周りが真っ赤っかになっている。長く入り過ぎたのかとも思ったが、別にのぼせたわけではなく、何かアレルギー反応のようなものが出てしまったようだ。その後はちょっと涙目になる程度で済んだのでよかったが、ここの施設自体は悪くなかったのでちょっと無念。

その後は夜の館山自動車道を北上、アクアラインを通って首都高に入った……まではよかったが、ここでうっかりナビの指示通り東京の真ん中を通るルートに入ってしまい、またもや大渋滞に巻き込まれるハメに。しかもこの渋滞で帰宅予定時間を2時間もオーバー。もはやクラッチを握る左手は疲れてガタガタ、足の内股はエンジン熱でやけどしそう。この日は始めから終わりまで渋滞に巻き込まれ、温泉に入ったかいもなく肉体的にも精神的にもグッタリ。走行距離はほぼ280km、燃費は(途中のスタンドのオヤジがレシートくれなかったので)正確には不明だが、渋滞に巻き込まれまくったので、おそらくリッター18km程度かと。今回はあらゆる面で不完全燃焼なツーリングになってしまった。