20年ぶりに亡霊の甲冑を堪能した後は、今回、個人的にもっとも期待している栃木屈指の珍スポット、その名も『ピラミッド元氣温泉』へと向かう。
同じ那須塩原市にある温泉・宿泊施設なのだが、市内をしばらく走ると、ハイ坊に取り付けてあるバイクナビ・ユピテルMCN45siがとんでもない道に誘導し始めた。車がまったくすれ違えないほど細い、しかも未舗装の林道を行けと言うのである。ちょっと入ってしまったところで危険を感じてすぐ停車、道を確認するも、ナビはこの先を進めとしか指示しない。コイツ正気か!と思い、ナビを無視して別の道を舗装路に出るまで進むと、そこからあっけなく『ピラミッド温泉』にたどり着いた。
『ピラミッド温泉』は林の中のキャンプ場のとなりにある、黄色いピラミッド型の異様な施設。入り口にはスフィンクスの上半身が身構え、あちこちにエジプトに由来した像が置いてある。敷地内の鳥小屋にまでエジプトの絵が描かれていたりと、「エジプト感」を出すのにかなり力を入れているのがわかる。
中に入ると、電気がついておらず薄暗い。受け付けのおばさんに600円を払い奥へ進むと、待合室や通路にエジプト関連小物や奇石・珍木が並んでいる。おおよそ温泉施設とは思えない光景だが、それよりも何よりも、薄暗く活気がないのが気になる。通路を進むと広いプレイルームがあり、古いアーケードゲームやエアホッケー台が並んでいるが、やはり活気がない。
男湯へ入ると、中はロッカーが並ぶ普通の温泉施設。内風呂は3つに仕切られてぬるい・普通・熱いとなってるが、熱い方でも41℃くらい?のちょっと熱い程度。お湯は薄めた麦茶のような薄茶色で、湯の中にドロドロのアカのような湯花(ゆばな)が漂っている。浴槽の底も湯花でヌッルヌル、浴室内も照明がついてなくて薄暗く、どうも清潔感が感じられない。この日の入浴客はそこそこいて、露天風呂などは数人でいっぱいになってしまうのだが、なぜか今ひとつ活気がない。露天風呂は湯の温度も低く、全然暖まらない。ぬるい湯が好きな人には良いかも知れないが、個人的には落ち着いて温泉を楽しめず、ちょっと期待はずれの温泉だった。
塩原温泉街にはたくさんの日帰り温泉があったのに、それらを通り過ぎてわざわざ『ピラミッド温泉』を選んだのは失敗だった。今回のような話のタネにしかならない。
帰りは東北道に乗って一気に南下、東北道〜外環道〜常磐道のいつものルートで無事帰宅。今回の走行距離は約380km、燃費はリッター19.6kmとあまり伸びず。強風と下道が影響したと思われるが、K&Nエレメントの効果もあるのかも知れない。パワーアップは特に体感できなかったものの、いつもより排気音がカン高くなり、吹け上がりも良くなった感じがする。
とにかく今回のツーリングは冷たい風で終始快適に走ることができ、また軽いヘルメットのおかげで疲労感がすこぶる軽減されたのが良かった。真夏の間は暑すぎて走れないが、まだまだ栃木やグンマーを攻略していきたい。