ドキドキワクワクの秘密基地感に後ろ髪を引かれながら、出口から外に出た。出口は入り口よりもずっと上、どうやら山の斜面の真ん中にあるようだ。帰り道は、断崖から張り出した鉄骨上の通路を歩く。これがまたなかなかスリリング。しかし不二洞を見終えた満足感とボカボカ陽気、周囲に咲き乱れる赤い八重桜?の花のきれいさにすっかりリラックス。帰りはずっと下り坂なのも助かる。
時間はちょうど昼時、すっかり腹も減ったので、吊り橋を渡った向こうにあるレストランに向かう。吊り橋は往復料金が100円で、人がふたり並べる程度の幅。人が集団で歩くとゆらゆらと揺れるもののしっかりとした造り。面白いのは、橋のところどころにシャボン玉を噴出するマシーンが取りつけられていること。15分ごとに「ブィ〜〜〜ッ」とモーター音がし始めてシャボン玉が出てくる。しかし数台のマシーンが壊れていて、シャボン玉が出てこないものがあるのが悲しかった。
橋を渡り終えるとまたまたコンクリのトンネルがあり、なぜかクリスマスのごとく電飾で光らせている。その向こうにはログハウス風のレストランがあり、となりにはバーベキュー施設やバンガローが並んでいる。食券を買ってレストランに入る。あれだけたくさんいたご老人観光客がすっかり帰ってしまって、店内は私ひとりだが逆に落ち着けた。うまそうな唐揚げ入りカレーライス(700円)とホットコーヒーを堪能。カレーはちゃんとスパイシーで唐揚げもアツアツの揚げたて、ボリュームもあってとても満足した。
さて本来ならここから温泉にでも立ち寄って帰るところだが、今回は帰り道の途中で寄りたい場所があった。関越自動車道の途中、埼玉県川越市にある川越大師・喜多院である。ところが帰り道の上信越自動車道、関越道がものすごい向かい風。川越市に着いたのが午後4時ごろ。群馬県とは一転してゴチャゴチャした都会の街並みを走って川越大師にたどり着くも、有料の駐車場のおばちゃんが「4時半に閉まっちゃうけどいいの!?」などと訊いてきた。なんで4時半?と思ったら、川越大師自体が4時半に閉まってしまうという。
川越大師に来た目的は「角大師」というユニークな絵のお札をゲットすることと、境内の建物や五百羅漢(拝観有料)を見ることだったのだが、もう時間がないのでやむを得ず、今回はお札だけをゲットして退散することに。ちなみに「角大師」とは、約1000年前に比叡山で修行した慈恵大師(元三大師、良源)という人が悪鬼の姿に変じた姿とのことで、この姿が魔よけになるとのこと。もう15年くらい前に友人たちと比叡山に行った時、あちこちの看板にこの絵が描かれていて驚いたことが思い出される。
さて川越市内を迷いながらも、なんとか日暮れ前に無事帰宅。今回の走行距離は337km、燃費はリッター19.9kmと向かい風がちょっと悪い方に影響したか。群馬の自然と不二洞はばっちり堪能したが、川越大師だけはまたいずれ機会があればリベンジしたい。