6月に入るやいなや、雨が続いて関東も梅雨入り。しかし梅雨前の5月の後半には、気温30℃近い真夏のような暑さになったりして、早くもバイク乗りには厳しいシーズンに入ってきた。
さて、現在私がツーリングの動画撮影に使っているJVC(ビクター)のアクションカメラ「GC-XA1」。価格が安くコストパフォーマンスが高いカメラなのだが、しかし撮影に当たって気になっていた点がふたつあった。ズバリ音質とブレである。
まず音質の方は、カメラ本体についているマイクがちっちゃい安物なので音が悪いのは仕方ないのだが、高速走行時に入ってしまう風切り音をどうにかしたい。マイクに向かって口で息を吹いたような「ボボボ〜〜ッッ」というあの音である。ネットで調べてみると、この風切り音を防ぐためのアイテムは「ウインドジャマー」と呼ばれる、毛がフサフサしたファー素材のマイクカバーであることがわかった。
ネット上にはこの「ウインドジャマー」を自作した記事がたくさんあるので、私もさっそく参考にして作ってみた。とは言ってもごく簡単、100円ショップで買ったイヤーウォーマーを分解し、小さく切って、カメラのマイク部分に両面テープで貼りつけただけである。カメラ全体をファーでくるんでしまうと操作が出来なくなるのでマイクしか覆っていないが、これで果たしてどれだけ風切り音を防げるのか?
続いては撮影時のブレの問題だが、これはアマゾンにてボールジョイントのロールバーマウントを見つけたのでさっそく購入。よくあるプラ製のチャチなクランプ式ではなく、金属製のホースバンドでネジ止めするマウントなので、ガッチリと固定できる上に最大64ミリ径までのロールバーに対応できる。
ただこれも、今までのようにハンドルやフロントフォークに固定したのでは、風圧や路面状況により震動してしまう可能性がある。なのでバイク本体フレームの右ダウンチューブに取りつけてみた。このマウントはネジ止めなので、クランプ式のように緩んで脱落する恐れもない点も安心できる。
ということで、6月に入ってから雨続きだったものの珍しく晴れた16日を選び、走行撮影テストを行なってみた。コースは前回の『大洗めんたいツーリング』と同じく、常磐道〜北関東自動車道を終点のひたちなか市まで北上して大洗の海沿いを南下するルート。また今回は途中にある大洗磯前(いそさき)神社に立ち寄ってきた。
さてカメラマウントにカメラをセットし、朝10時ごろ出発したのだが、しばらくしてカメラがナナメになっていることに気付いた。我が愛車ハイ坊は停車する場合、センタースタンドがなくサイドスタンドのみなので、車体が左側に傾いた状態になる。その状態でカメラを水平に調節するのが、これが意外と難しい。なんとか水平に近い状態に角度を直し、再び出発。
快調に走って12時ごろ一般道に降り、海沿いの道を走って大洗磯前神社に到着。平日なので誰もいないかと思いきや、参拝客がちらほらいて、さらに観光バスが到着して急に老人たちで境内が混み始めた。日差しも強くて暑いし混雑するしでゆっくりしていられず、写真を撮るだけ撮ってさっさと退場した。
その後は海沿いに南下し、一般道をずっと走って霞ヶ浦を横断、土浦市から常磐道に入って自宅へと戻った。軽く走るつもりが走行距離219km、半分近く一般道だったにも関わらず燃費はリッター22.3kmという好成績を叩き出した。
さて肝心の動画の方だが、「ウインドジャマー」による効果で「ボボボ〜〜ッッ」という風切り音は見事に消えているものの、こもった走行音と甲高いノイズが不協和音となって、どうにも堪え難い音質となってしまっている。どうやら自作「ウインドジャマー」は失敗だったようだ。一方ロールバーマウントは効果てきめん、撮影時の振動を抑え、非常にクリアーな映像を撮ることができるようになった。撮影視点が低くなってしまうのが難点だが、今後はこのマウントを活用していきたい。