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九十九里・犬吠埼ツーリング
九十九里浜〜犬吠埼(千葉県銚子市)

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2010年5月22日 木城ツトム

先月の三笠公園ツーリングから導入したポータブルナビゲーション。これがすこぶる便利なことに(今さらながら)感動したわけだが、これで私の「2010年春の散財祭り」が終わったわけではなかった。続いてのもくろみは、車載カメラによる走行中の動画撮影である。

今の時代、バイクの車載動画などは珍しくもないが、カメラの動画撮影機能の向上やフラッシュメモリーの価格を考えれば、今の時期に動画撮影をもくろむのも決して早すぎということはないだろう。また私は、かつて中型アメリカンバイクに乗っていたころの昔から、走行中の美しい景色を残しておきたいと思っていた。今まさに時機到来と思って間違いない、なんといっても今は21世紀なのだ(こういう言い方もオヤジ臭いな)。

そんなわけで今回購入したのが、6m防水に加え1.2mからの落下に耐える耐震動性を備えたペンタックスのOptio W90というコンパクトデジカメ。動画もHD画質で撮ることができる。そしてバイクに取りつけるためのカメラマウント(車載用ではないが、多くの車やバイクで車載用途に使われている)ケンコースリック・ロアー2 クランプヘッド32、カメラを簡単に取り外すためのクイックシュー付き雲台も同時購入。

さてこれでバイクに取りつけることは可能となったが、気になるのはカメラの取り付け部分だ。三脚用のネジ1本で取り付けることになるのである。ハーレーの震動で走行中にネジが緩み、脱落して後続車への「恐怖のデジカメミサイル」とならないか、さすがに心配になってくる。

s001.jpgカメラをバイクに取りつけるロアー2 クランプヘッド32s002.jpgワンタッチでカメラを取り付けられる仕組み001.jpgデジタル装備に身を固めた愛車ボブ太郎

それとポータブルナビ(ガーミンnuvi205Wプラス)にも気になることがあった。まず第1にバッテリーの持ち、第2に前回使ったポーチが大きすぎること、第3に日中のスクリーン視認性である。バッテリーの問題は、ナビのオプション品である電源ハーネスをボブ太郎に配線して解決。配線コードもヒューズボックスからタンク脇にはわせて見た目も完璧。ガソリンタンクを外さなければ配線できないかと思っていただけに、拍子抜けするほどアッサリとでき上がった。

そして前回使っていたナビ用ポーチ(サンワサプライのポータブルナビ用キャリングケース・Mサイズ)だが、汎用タイプで大きいためナビを入れてもスカスカなのがカッコ悪い。また取り付け位置のせいで画面が真上を向いてしまい、日中は太陽光ですこぶる見づらい。取り付け方法をなんとかして画面をこちらに向け、できれば日よけのバイザーを取り付け、さらにワンタッチで外せるようにしたい(盗難防止のため)。

まずはガーミンnuvi205Wプラスがつけられるアメリカ製車載マウント「RAMマウント」を購入、そしてnuvi205Wプラス専用ホルダーの大きさに合わせた革製ケースの製作に取り掛かった。

しかし大きさの計算を誤り、高級イタリアンレザー「ブルガノ」を使って作ったケース1作目は失敗。いささか気持ちがヘコむが、ここでやめたら元も子もないので、設計し直して2度目の製作にとりかかる。2作目も小さすぎないか製作中ずっと心配だったが、いざでき上がってみると中はかなりの余裕がある。小物というのはちょっとした誤差で大きく変わってしまうので、かえって難しいのだと思い知った。一応内張りには防水のためのキャンバス地を貼り付けたが、どう考えても完全防水は望めないのでその辺は割りきった。それでも革用高級ワックスのラナパーをたっぷり塗り込んでおいたので、多少の雨なら防げる……と思いたい。

n001.jpg今月のレザークラフトはポータブルナビケースn002.jpg裏にはワンタッチで取り付けられるアタッチメントn003.jpg中にはnuvi専用ホルダー。内張りはキャンバス地n004.jpg日光の下ではこんなにハッキリ見えない

さらにまったくのついでで、ノーマルのフットペグ(ステップ)をカスタムフットペグに交換してみた(ここで油断して無念の初立ちゴケ!)。そんなこんなでとりあえず準備は整ったので、あとは実際に走るだけとなった。

今回は観光は二の次なので、ひたすら走るためのルートを選択。千葉の砂浜を代表する九十九里浜沿いを北上し、千葉最東端に位置する犬吠埼に至るルートである。しかし千葉県というのは高速や幹線道路が東京湾側を走っているため、太平洋側に出るのに案外骨が折れるのだ。それなりに距離があると予想される。

天気・気温ともに申し分ない好天に恵まれた5月22日の早朝6時、朝食をとって着替えを済ませ、カメラの最終チェックをしてみると……なんとカメラに取り付けたクイックシューがグラグラ。何事かと思ってネジを外すと、カメラ側のネジ山がボロボロに崩れている!

どうやら前の晩にネジに塗っておいたネジロック剤(ネジの緩みを防止するケミカル剤)が、樹脂製のネジ穴を侵してしまったらしい。出発前にまさかの大惨事。動画を撮影できないのでは、このツーリング自体の意味がなくなってしまうではないか。この時はさすがに中止も考えたが、ここまで準備しておいて中止もマヌケな話である。

結局、Optio W90の代わりに、以前から使っていたフジのFinePix A800で急きょ代用することに。FinePixも低画質ながら動画撮影できるので助かった。あわててFinePixを引っつかむと、ボブ太郎にまたがり、エンジンに火を入れたのだった。