●イントロダクション● 心に愛がなければ、 どんなに刃数が多くても スベピカ肌には仕上がらない。 ──聖パウロの言葉より(ウソ)
●ついに世代交代のとき来る!禁断の同門対決!!● 記念すべき第1回安全カミソリ・ワンデイトーナメント「AK-1グランプリ」で見事チャンピオンの座に輝き、続くワンマッチ対決「AK-1リベンジ」ではシックが威信をかけて放った電動4枚刃カミソリモンスター「クアトロ4エナジー」をからくも撃破した、3枚刃の電動カミソリサイボーグ、ジレット「M3パワー」。電動システムによる異次元のそり心地を実現したM3パワーは、二度にわたる戦いで、王者としてのその実力をいかんなく世に知らしめたのだった。 しかし、王座というものはいつの時代でも永くは続かない。ディフェンディングチャンピオン・M3パワーの覇道の前に、再び新たな敵が立ちふさがった。しかもそれは、なんと同門ジレットからの刺客。新たな王者として君臨すべく緻密に設計された、究極の5枚刃+1枚刃電動カミソリシステム「フュージョン5+1パワー」である! ●AK-1グラディエーター・出場選手紹介● 目を覚ましていなさい。 ちゃんとヒゲをそりなさい。男らしく、強くありなさい。 ──聖パウロの言葉より(ウソ) 今回もまた、プロデューサー兼レフェリーである筆者、ツトム@万歳塾館長の独断と偏見に充ち満ちたジャッジングがなされるのでご了解いただきたい。ボクシングの某●田選手の試合のようにブーイングを受けても、当局は一切関知しない。今回もスペシャルワンマッチのため、対決する出場選手は以下2名となる。 | フュージョン5+1パワー 14.6cm 40g USA 所属:ジレット | 「電動ギャラクティカマグナム」 | 世界初の電動カミソリ・M3パワーを開発した ジレットが、さらなる改良を加えて生み出した 究極の5枚刃+1枚刃「電動」安全カミソリ。 カミソリの進化がここに極まる。 | | | | M3パワー 14.5cm 39g USA 所属:ジレット | 「カミソリバトルサイボーグ」 | 世界シェアNo.1カミソリメーカー・ジレットと 電気シェーバーメーカー・ブラウン、電池メーカー・ デュラセルのコラボレーションが生み出した 世界初のハイテク「電動」安全カミソリ。 | | ※上記の文章には一部妄想が含まれています。本気にしないようご注意ください。 | 今大会も前回・前々回同様、筆者が長年愛用してきたシック・ウルトラ(首振り2枚刃、スムーサー、ワンプッシュクリーナー装備。初代ウルトラは1978年発売)を性能の審査基準(基本点:50点)として用いている。 また今大会のシェービングクリームは花王サクセス・薬用シェービングジェルを使用した。 ちなみに余談になるが、筆者はシェービングフォーム(スプレー缶式)、シェービングジェル、シェービングクリーム(ハミガキチューブ式)の3つで言うと、断然チューブ式クリーム派である。スプレー缶式だと、顔に塗ってちょっと足りない時などの量の調節がやっかいで、さらに必要以上にアワアワになって剃りにくい、という面がある。次の透明ジェルは最近流行っているが、他製品に比べてヒゲが見えやすいという以外の優位点はない。逆に冬場はそのまま塗ると冷た過ぎて閉口する。以上の理由から私はチューブ式クリームを使いたいのだが、一般の量販店であまり置いていないのが難点である。 ●ラウンド-1・ホルダー(グリップ)性能対決!● 電気シェーバーによってではなく、 安全カミソリによって ヒゲをそるのは良いことです。 ──聖パウロの言葉より(ウソ) フュージョン5+1パワー(ジレット) ●通常の安全カミソリのイメージを根底から覆した、近未来アメリカンなアトミックデザインのM3パワーもデビュー当時驚かされたが、今回のフュージョン5+1パワー(以下フュージョンパワー)はさらにヤバい。M3パワーのアトミックデザインを凌駕するギャラクシーデザインである。内部に電池やモーターなどを内蔵しているため全体が樹脂製だが、鏡面メッキとラバー部分の鮮やかなオレンジ・薄いミディアムブルーで構成されている。もはやこのデザインセンスは、宇宙人の手によるものと言われても誰も疑わないであろう突き抜け方である。(+15点) ●グリップがまっすぐだったM3パワーに比べ、今回のフュージョンパワーは末端がふくらんだ形に変更されている。これはすべりにくさを考慮したものと思われる。滑り止めのラバー部も、表面と裏面の凹凸の数・形を意識的に変え、裏返したときにも手触りで感覚的にわかるようになっている。(+3点) ●本体中央のパワーボタンはM3パワーに比べ、フュージョンパワーではちょうどボタンひとつ分だけ下に位置を変更されている。これはM3パワーでたびたび起こった、裏返して剃っているときに間違えてパワーボタンを押してしまい、振動が止まってしまうことへの改良だ。実際に使ってみると、誤動作はまず起こらなくなっている。(+1点) ●「AK-1グランプリ」で優勝したM3パワーに対し、私は冗談で「 光るパワーボタンがついたら言うことなし」などとコメントしたが、なんとフージョンパワーではバッテリー切れ表示機能として実現されてしまった。(+2点) ●M3パワー同様本体が総樹脂製なので、耐久性には疑問が残る。(−2点) ●今回からフュージョンシリーズ専用になってしまった替え刃カートリッジ。(−1点) M3パワー(ジレット) 評価自体は前回・前々回と同様なので、特徴だけを挙げておく。 ●近未来アメリカンテイストのアトミックデザイン(+10点)。 ●単4電池とモーターを内蔵しているが、重さ39gと軽量(−2点)。 ●ホルダー全体が樹脂製のため、耐久性に疑問(−2点)。 ●握った時にすべり止めラバー位置によって刃先の方向がわかる設計(+3点)。 ●時々間違えて押して止めてしまう、グリップ中央のパワーボタン(−1点)。 フュージョンパワー 総合得点:68点 現在リード! M3パワー 総合得点:58点 ●ラウンド-2・最先端テクノロジー対決!● さまざまの異なったヒゲソリによって 迷わされてはなりません。 ──聖パウロの言葉より(ウソ) フュージョン5+1パワー(ジレット) 5枚刃(+5点)、替え刃カートリッジに逆向きにつけられたピンポイントトリマー(+1点)、刃の交換時期を知らせるインジケーター付きスムーサー(+1点)。M3パワーからさらに進化したマイクロチップ内蔵電動システム(+12点・防滴加工+3点・自動電源オフ機能+1点・振動数一定保持機能+1点) M3パワー(ジレット) 3枚刃(+1点)、力強い微小波動を起こしてヒゲを立たせる、世界初の電動システム・マイクロパワー(+12点・防滴加工+3点)、刃の交換時期を知らせるインジケーター付きスムーサー(+1点)。 フュージョンパワー 総合得点:92点 現在リード! M3パワー 総合得点:75点 ●ファイナルラウンド・ソリ味対決!● それないと不平を言うよりも、あなたが進んで替え刃を交換しなさい。 ──聖パウロの言葉より(ウソ) フュージョン5+1パワー(ジレット) ●まずその強烈なデザインとカラーリングに圧倒されるが、握った感じはM3パワーよりホールド性も良くなっている。パワーボタンを押すと「ビ〜ッ」という強い振動が手に伝わる。M3パワーでは「柔らかい」と感じた首振りヘッドのスプリングも確実に強くなっており、M3パワーで感じたネガティブな部分は完全に改良し切ったという印象を受ける。まるで開発者が「AK-1グランプリ」を見ていたかのようだ。 ●さて目玉のひとつである5枚刃。M3パワーに比べるとヘッドのタテ幅が異様に大きくなっており(M3パワーは約12mm、フュージョンパワーは16mm)、「構造上の問題で5枚刃以上は無理なのでは」といった声も聞かれる。だがよく見てみるとフュージョンパワーは刃と刃の間隔が狭められており、実質的にキワゾリ性能で比べてもM3パワーと遜色はない。また間隔が狭められているとは言っても、使用中にヒゲがつまってしまうことなど全くなかった。ジレットによるとこれぞ特殊コーティング刃の威力らしい。肝心の剃り味だが、これはもう文句のつけようがない。剃り始めはM3パワーよりしっかりとヒゲを捕らえる感覚が感じられるが、その後はマイクロパワーの力で軽々と剃れる。 ●さらにもうひとつの目玉であるキワゾリ用のピンポイントトリマー。カートリッジの先端に逆向きの1枚刃をつけるという斬新なアイデアだ。これで剃り残しやすい鼻の下やもみあげの境などを剃る。実際に使ってみると刃の方向がわかりにくく、また手でさわりやすいところについているので危なっかしいが、多枚数刃カートリッジの方向性にひとつの答えを示したという点で評価できる。(合計+8点)。 M3パワー(ジレット) こちらも前回・前々回と同様なので、特徴のみ。 ●異次元のソリ心地、電動マイクロパワーシステム。 ●首振りヘッドはちょっと柔らかすぎる感じ。 ●数回使うと色が変わって交換時期を知らせるスムーサーはお節介。 ●スムーサーを水につけるとベトベトぬるぬるで気持ち悪い。 ●ヘッドはタテ幅が大きいので、細かい部分はそりにくい。 ●刃と刃の間隔が広く、ヒゲがつまらずにスカッと流れる。(合計+15点) フュージョンパワー 最終総合得点:100点 完全KO勝利!! M3パワー 最終総合得点:90点 ●大会結果発表● いつも喜びを忘れずにいなさい。 絶えず祈りなさい。どんなときでもヒゲをそりなさい。 ──聖パウロの言葉より(ウソ) 今回は、最初から結果が見えている試合になってしまったのは仕方のないところである。何しろフュージョンパワーはM3パワーの後継機なのだから。しかしそれを考慮に入れても、フュージョンパワーの進化の度合いには驚かされた。もはや欠点らしい欠点を指摘するのも困難になりつつある。強いて難点を挙げるとすれば価格、それも替え刃カートリッジの高額さが気になるところだろうか。だがこれだけのカミソリシステムに数千円の投資は、よく考えれば安いと言えなくもない。これほど高度なシステムを作り上げたジレットには賛辞を送りたい。 そしてついに究極とも言える完成度に達した安全カミソリだが、今後、ジレット以外のメーカーがどのような策を講じてくるのか、今から楽しみである。5枚刃を超えた6枚刃が登場するのか、はたまた電動システムに代わる何かが出てくるのか。ヒゲが伸びる限り安全カミソリは進化し続ける。我々ヒゲソリユーザーは刮目して見守ろうではないか。 | 〜 WINNER 〜 総合得点:100点 | フュージョン5+1パワー 14.6cm 40g USA 所属:ジレット | 必殺のマイクロパワーシステムに5枚刃+1枚刃、 数々の技術とアイデアを凝縮し、ここに究極の カミソリを作り上げる。王者になるべくして 誕生した、まさに「キングオブヒゲソリ」。 | | | | 〜 LOSER 〜 総合得点:90点 | M3パワー 14.5cm 39g USA 所属:ジレット | 世界初のマイクロパワーシステムを搭載した カミソリ史に残る名機。王座はフュージョンに 明け渡したが、カミソリ界に衝撃を与えた 功績は大きい。 | |
※このページの内容は、筆者である木城ツトム個人による主観的な評価によるものです。決して一部特定のメーカーや製品を誹謗中傷する目的で書かれたものではありません。<(_ _)> |