AK−1リベンジ of 茶房・風雲庵

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安全カミソリワンマッチ対決
AK-1(Anzen Kamisori -1) リベンジ
〜 2005年10月25日 〜
TEXT by ツトム@万歳塾館長



●イントロダクション●


(『旧約聖書』創世記・第3章、前回からのつづき)
──神は言われました。
「あなたは女の言うことを聞いて、食べるなと言っておいた木の実を食べたので、私はこの地に呪いをかけました。あなたは生涯、ヒゲに苦しむでしょう

──アダムは答えました。
「なんだって!?そんな理不尽な!あの木の実だって、あなたが創られたものでしょう。それを食べたからって、私に
ヒゲの呪いをかけるなんて!」
──神は言われました。
「黙りなさい。私に口答えすることなど、何人(なんぴと)たりとも許されません」
──アダムは答えました。
「冗談じゃない、もうあなたの
人形遊びはこりごりだ!私は呪われたこの地から出て行く。さあエバ、私と一緒に行こう!」
──神は言われました。
「愚かなるアダムよ、私から逃げられると思っているのですか。この世界を創った、全知全能のこの私から」
──アダムは答えました。
「絶対に出て行ってやるぞ、たとえ
あなたを倒してでも!

──その時アダムのうしろにいたエバが、を取り出してアダムに渡しました。
「アダム、
これを使って!
──アダムは答えました。
ナイスだエバ!」
──神は言われました。
「女よ、
そんなものが私に通じると思っているのですか。さあアダムよ、その剣をこちらに渡すのです」
──アダムは答えました。
「渡すものか!あなたを倒して、私たちは自由になるんだ!えいっ!!」
──アダムは神に斬りかかりました。
「手応えあり!」


──神はニヤリとつぶやきました。
キレテナーイ

※この『旧約聖書』はフィクションです。実際の人物、団体、事件などには一切関係ありません。実際の『旧約聖書』とも関係ありません。というかキリスト教関係者の方すみません。もうしませんごめんなさい。<(_ _)>(T_T)



●王者危うし!最強の敵あらわる●


前回の安全カミソリ・ワンデイトーナメント「AK-1グランプリ」において見事王者の栄冠に輝いたのは、世界初の電動システムを搭載したカミソリサイボーグ、ジレットM3パワー」であった。まさに異次元のそり心地を実現したM3パワーには、かなう敵はいないと思われた。

だがそこに、日本におけるカミソリシェアNo.1メーカー・シックが立ちふさがったのである。

なんと世界初の4枚刃カミソリクアトロ4」に電動モーターを搭載。ここに向かうところ敵なしのカミソリモンスター「クアトロ4エナジー」が誕生した。カミソリシェアNo.1メーカーの威信をかけて、打倒ジレットに向けシックが立ち上がる。王者危うし!モンスターがサイボーグを破壊するのか、それともサイボーグの返り討ちなるか。


●AK-1リベンジ・出場選手紹介●


前回同様、今大会においてもプロデューサー兼レフェリーである筆者、ツトム@万歳塾館長の独断と偏見に充ち満ちたジャッジングがなされることをご理解いただいて先に進もう。ちなみに今回はワンマッチなので、対決する出場選手は以下の2名。

クアトロ4エナジー 14.9cm 41g USA 所属:シック
「電動4枚刃カミソリモンスター」
シックの最先端4枚刃カミソリに電動モーターを
組み込んだ、恐怖の電動カミソリモンスター。
プロテクターも装備し、向かうところ敵なし。
M3パワー 14.5cm 39g USA 所属:ジレット
「カミソリバトルサイボーグ」
1901年創業、世界シェアNo.1カミソリメーカー・ジレットの
最新ハイテク「電動」カミソリ。前回のグランプリを制した
ディフェンディング・チャンピオンの真価が問われる。
※上記の文章には一部妄想が含まれています。本気にしないようご注意ください。


なお今大会も前回同様、筆者が長年愛用してきたシック・ウルトラ(首振り2枚刃、スムーサー、ワンプッシュクリーナー装備。初代ウルトラは1978年発売)性能の審査基準(基本点:50点)として用いる。
また今大会のシェービングクリームは近江兄弟社・メンタームシェービングフォームおよび牛乳ブランド・シェービングクリームなどを使用している。


●ラウンド-1・ホルダー(グリップ)性能対決!●


クアトロ4エナジー(シック)
基本的にクアトロ4SFロボットアニメ風ジャパニメーションデザインを踏襲しているが、中に電動モーターとアルカリ単4電池を内蔵するため、ヘッド部とグリップが太くなっている。配色も含め少々オモチャっぽくなってしまったが(−2点)、太くなった分にぎりやすい感じに(+10点)。ホルダー全長もクアトロ4に比べ長くなったが、材質は総プラスチック製となったため品質感が薄れ、重さはクアトロ4よりやや軽くなった(−4点)。注目のパワーボタンオン・オフのふたつを装備し、操作感は「カッチン!」とかなり堅め。オン・オフのボタンの大きさも変え、徹底的に誤作動をなくす操作性を追求している。ライバルのM3パワーを入念に調べて作り上げた結果だろう(+5点)。

M3パワー(ジレット)
評価自体は前回と同様なので、特徴だけを挙げておく。
●近未来アメリカンテイストのアトミックデザイン+10点)。
●単4電池とモーターを内蔵しているが、重さ39gと軽量(−2点)。
●ホルダー全体が樹脂製のため、耐久性に疑問(−2点)。
●握った時にすべり止めラバー位置によって刃先の方向がわかる設計(+3点)。
●時々間違えて押して止めてしまう、グリップ中央のパワーボタン−1点)。


 クアトロ4エナジー 総合得点:59点  現在リード!
 M3パワー     総合得点:58点 


●ラウンド-2・最先端テクノロジー対決!●


クアトロ4エナジー(シック)
4枚刃(+4点)、元祖プロテクター(+6点)、アロエ・ビタミンE配合アクアグライド(+1点)。ヘッド部内蔵モーターの振動ヘッド+8点・防滴加工+3点

M3パワー(ジレット)
3枚刃(+1点)、力強い微小波動を起こしてヒゲを立たせる、世界初の電動システム・マイクロパワー+12点・防滴加工+3点)、刃の交換時期を知らせるインジケーター付きスムーサー(+1点)。


 クアトロ4エナジー 総合得点:81点  現在リード!
 M3パワー     総合得点:75点 


●ファイナルラウンド・ソリ味対決!●


クアトロ4エナジー(シック)
期待を胸にパワーボタンを押してみると、「ビィィ〜〜〜ッ」というやや高周波の振動音。いざヒゲをそってみると、M3パワーに比べ明らかに振動が弱い!実はクアトロ4エナジーの説明書やサイトにも「優しい振動」と明記してあり、意識的にM3パワーとの差別化を図ったものと思われる。しかし前回も指摘した、最近のシック製品全般に共通する「ヘッドがカチャカチャする」という特徴にも、この振動の弱さが関係していると見ることができる。すなわち首振りヘッドに自由度を持たせすぎているため、そるとカチャカチャと音がして、しかも電動ヘッドの振動を逃がしてしまっていると考えられるのだ。

そこでわかりやすいように、クアトロ4エナジーとM3パワーで振動の比較実験をしてみたのが下の写真。

クアトロ4エナジー


M3パワー


水につける箇所や角度などの違いで正確な実験とは言い難いが、振動の強さの違いは一見してわかっていただけると思う。実際にヒゲをそってみてもクアトロ4エナジーは、電動システムのないクアトロ4と変わらない印象を受けた。M3パワーより後出しの製品ということで、すべての面において圧倒的に上回ることを期待していただけにこの結果は残念。

ただ推測でフォローしてみると、クアトロ4エナジーの振動はM3パワーと比べて確かに弱いが、ただ単に弱いだけではなく「回転数(振動数)が速い」という印象がある。スピードのクアトロ4エナジー、トルクのM3パワーと言ったところだろうか。私のように1本1本が太いヒゲだとM3パワーに軍配が上がるが、細く密集したヒゲにはクアトロ4エナジーが有効なのかも知れない。(合計+8点)。

M3パワー(ジレット)
こちらも前回同様なので、特徴をピックアップ。
●異次元のソリ心地、電動マイクロパワーシステム
●首振りヘッドはちょっと柔らかすぎる感じ。
●数回使うと色が変わって交換時期を知らせるスムーサーはお節介。
●スムーサーを水につけるとベトベトぬるぬるで気持ち悪い。
●ヘッドはタテ幅が大きいので、細かい部分はそりにくい。
●刃と刃の間隔が広く、ヒゲがつまらずにスカッと流れる。(合計+15点


 クアトロ4エナジー 最終総合得点:89点 
 M3パワー     最終総合得点:90点  逆転KO勝利!!


●大会結果発表●


今回もまさに激闘と呼ぶにふさわしい内容だったが、クアトロ4エナジーの予想外の非力さにはやや拍子抜け。ただ相変わらず個人的に、横滑りしても肌を切らないシックのプロテクター技術には魅力がある。そんなプロテクター装備のシック製品ならば、もっと強力なモーターを搭載してヒゲをバリバリと刈り取ってもよさそうなもの。振動を弱めにしたのは、せっかくのプロテクター技術を活かしきれていないちぐはぐな設計とも受け取れる。

対するM3パワーも、軽すぎる首振りヘッドパワーボタンなど、まだまだ問題点を抱えている。ともかくもカミソリ刃のキレ味自体は、もう行き着くところまで行っている感がある。これからは、そのキレ味をどう活かすかの技術に焦点が絞られていくだろう。今後も安全カミソリの進化から目が離せない。

〜 WINNER 〜 総合得点:90点
M3パワー 14.5cm 39g USA 所属:ジレット
必殺技・マイクロパワーシステムの
パワー感が今回の勝利へとつながった。
今後のさらなる進化に期待がかかる。
〜 LOSER 〜 総合得点:89点
クアトロ4エナジー 14.9cm 41g USA 所属:シック
4枚刃のキレ味と元祖プロテクターの
威力はまだまだ健在。しかし電動ヘッドの
非力さはいかんともしがたいものがある。


※このページの内容は、筆者である木城ツトム個人による主観的な評価によるものです。決して一部特定のメーカーや製品を誹謗中傷する目的で書かれたものではありません。<(_ _)>