今回は自分用の備忘録として、VICTORYハイボール(通称ハイ坊)のオイル交換を記事にしたい。以前乗っていたハーレーダビッドソンのダイナ・ファットボブ(通称ボブ太郎)の時もよく自分でオイル交換をしていたが、ユーザーもメンテナンスの情報も多いハーレーと違い、新参のVICTORY車は(特に日本語の)情報が少ない。
とはいえオイル交換はもっとも簡単なメンテナンス。気をつけるポイントは、オイルの量とドレンボルトの締めつけトルク程度である。前車ハーレー・ボブ太郎に乗っていたころに買った、ダンボール箱1箱分のハーレー純正エンジンオイルのストックがあるので、自分で積極的にオイル交換していきたいところ。
ちなみに去年8月に納車したハイ坊は、10月末の初回点検時にオイル交換をやってもらっているので、今回が2回目。納車からの累計走行距離は2092kmとなっている。
まずはエンジンをかけてアイドリングで3分ほど暖気。ハーレーの時は、バイク用ジャッキで後輪を持ち上げ車体を垂直に立てていたが、ハイ坊の車体の下を見てみると、車体フレームより下にエンジン下部のオイルパンが突き出しているので、これではジャッキが使えない。しかしハーレーの横を向いてるドレンボルトと違い、VICTORY車のボルトは真下を向いてるのでジャッキを使わなくても大丈夫そうだ。
車体の下に、抜いたオイルをまとめて捨てるための廃油処理ボックス(吸収剤が入ったダンボール箱)を口を開いて差し込み、ドレンボルトを外すと真っ黒なエンジンオイルがドバッと出てくる。そのままオイルが抜けるまでしばらく待つのだが、ハッと気付いたら箱が黒いオイルであふれちゃってるじゃないか!オイオイオイ!この廃油処理ボックス、5リットルは入るはずなのに!
ハイボールのマニュアル(英語)によれば、入ってるオイル総量は5クォート(=4.75リットル)なのだが、なぜか処理ボックスはオイルを吸い切らずにひたひたな状態。まあ幸い路面にこぼれたオイルは少量だったので、洗剤を入れた水で洗い流し、キレイにふいたドレンボルトを取りつけて締める。ドレンボルトの締めつけトルクは20Nm(20ニュートンメートル=15フィート重量ポンド)とハーレーのツインカム96エンジンとほぼ同じ。
ハーレーの場合、ドレンボルトのワッシャーの代わりにゴムパッキンをつけ、さらにオイル漏れをふせぐためにシールテープを巻く必要がある。手間がかかる上、ゴムパッキンは劣化しやすいのだが、なぜかハーレーは悪い意味で前時代的な部分も直そうとしない。対してVICTORY車は、クルマでも一般的な金属ワッシャーを使っている。
続いてエンジン右側奥にあるフィラーキャップを取って、少しずつ新しいオイルを入れる。ここを慎重にやらないと、オイルを入れ過ぎたらもう一度抜くハメになってしまう。オイルをボトル3本(1本が1クォート=946ミリリットル)と半分を入れたあたりでフィラーキャップを締め、車体を垂直に立てる。ふたたびフィラーキャップを外してレベルゲージを見ながらオイルをつぎ足す。
このレベルゲージが短く、範囲が非常にシビア。許される誤差は100ミリリットルくらいしかないように感じる。ハーレーがエンジンオイル、プライマリーオイル、ミッションオイルと3種類も交換しなければならないのに比べ、VICTORY車はエンジンオイル1種類のみで合理的だが、入れる量が多く適正範囲がせまく神経質だ。ゲージを見てオイルを入れ、車体を立ててゲージを見ることを繰り返さなければならない。
再度エンジンをかけてオイルを循環させ、さらにゲージをチェック。オイルが循環すると量が減るので、また少しつぎ足す。適正値に収まったらフィラーキャップを締めて終了。入ったオイルの量はちょうどボトル4本分、約3.78リットル。今回はオイルフィルターを用意してなかったので交換しなかったが、フィルターも交換したら入れるオイルの量は4リットルを超えそう。次回は廃油用受け皿(5リットル以上)を用意しなければ。