ページ2 of 茶房・風雲庵

富士山・忍野八海ツーリング
山梨県富士吉田市上吉田・富士山五合目 山梨県南都留郡忍野村

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2011年10月27日 木城ツトム

さてあまり忍野八海でゆっくりしてはいられない。お土産屋で適当なものを買うと、ボブ太郎にまたがった。いよいよここから富士スバルラインに入り、富士山5合目まで突っ走る。

ところで20年ぐらい昔にAさんと行った富士の5合目だが、他に行った場所は覚えているのに、5合目だけはちゃんとした記憶がない。富士スバルラインではバイクのアクセルを目一杯あおっても60kmしか出なかった。5合目では太陽がやけにまぶしく、近くに感じた。ヘンテコなドクロ柄の帽子を購入した……そんなところである。

ちなみにこの時、私が乗っていたバイクはホンダ・スティード400、Aさんが乗っていたのはヤマハ・SRX-400だった。当時はみなキャブレター車だったので、標高が高く空気の薄い富士山ではスピードが出なくなってしまうのである。

富士スバルラインの料金所にたどり着き、往復料金の1600円(!!)を払っていざ突入!ファットボブのボブ太郎は最新のインジェクション(空気中の酸素濃度をセンサーで調べて適切な混合気を噴射する電子制御装置)車なので、空気の薄い富士でもパワーが落ちず、グングン走っていく。しかし自動車がゆっくり走っているので、後続のこちらも安全運転をせざるを得ない。

ss01.jpg左のヘルメット姿が私、右がAさん。93年ごろ富士にてss02.jpgこの変な帽子を富士5合目で購入。93年ごろ白糸の滝で13.jpgゆっくり走って午後1時ごろ富士5合目に到着14.jpg雄大な富士の頂上を拝む。太陽がまぶしく感じる

時おり見える富士の山頂や下界の絶景に目をやりながら、ゆったりと走って5合目に到着……と思ったらすごいド派手な建物があるではないか。こんな目立つ建物が20年前あったかなぁ?と思いつつ、ボブ太郎を駐車場に停めた。周囲にはまるで映画のような絶景が広がっている。文字通り雲ひとつないのがちょっと面白みに欠けるが、それでもこの絶景には息を飲む。

ここも観光客がかなり大勢いてにぎわっていたが、車やバイクで気軽に来れてこれだけの景色が楽しめるのだから、それもうなずける……と言いたいが、それにしても人が多い。土産物屋は人でゴチャゴチャ。そういえば建物の間に鳥居があるのでなんだろうと思い行ってみると、奥に「小御嶽(こみたけ)神社」という神社がある。こんな神社があったら覚えていると思うのだが、まったく記憶にない……もしかして20年前に行ったのはは5合目だと思ってただけで、別の世界に迷い込んでいたのだろうか?

神社は本殿こそ鉄筋コンクリ製だが、本殿内には年代物のお面やら神輿なんかが置いてあって、それなりに厳かな雰囲気を漂わせている。それもそのはず、創建は937年(!)というから古い。大昔、5合目にはこの神社しかなかったのかも知れない。本殿横には展望台があって、河口湖方面が眺められる。

15.jpg下界の景色はまるで映画のような息を飲む絶景16.jpgお土産屋や食堂、宿泊所を兼ねた建物が建ち並ぶ17.jpg富士山郵便局前にある登山者の銅像18.jpg建物の間に小御嶽(こみたけ)神社への道がある
19.jpg小御嶽神社の本殿。意外とちゃんとした神社20.jpg本殿内に飾られている異様なカラス天狗の面21.jpg普通の天狗面もあるが、やはり眉毛がスゴイ23.jpg昼食は5合目レストランのわらじカツ定食1300円

さて時間は午後1時、腹も減ったので土産物屋2階の食堂でわらじカツ定食を注文。プラスチックの皿で出てきたカツはお世辞にも上物とは言いがたいが、水も食材も貴重な富士5合目で味わうことに意味があろう。実際腹が減っていたので、そんなにマズイとは思わず結構満足した。値段は高かったけれども。

そんなこんなで帰り道は渋滞に巻き込まれることもなく、午後4時半には無事帰宅。走行距離は往復で348km、燃費はリッター18.3kmとかなり低い数値に。風が強かったのと、一般道も含めてゆっくり走ったのが響いたのかも。それにしても富士がこんなに近いとは思わなかったし、富士山周辺には見どころも多そうなので、またぜひ行ってみたい。オカルトスポットが多いのも魅力である(笑)。