ゆ き と の 書 斎

銃夢3DCG・実録制作過程その1

このコーナーでは僕が『銃夢完全版1巻』のカバーのために作った3DCGイラスト「マカクとガリィ」を元に、それの出来るまでをてきとーに解説します。
3DCGに興味ない人も対象にしてますので、技術的な解説はいっさいありません。
使用ソフトはShade R2(当時)です。

■Shadeについて

この解説を見て、「あ~ボクも3DCGやろうかな~。ふらふら~」となってしまう人も不特定多数いるかもしれません。
Shadeは現在Mac・Win版ともに最低グレードは1万円からあり、とてもお手軽にお求めになれるため、国内シェアの70%を占めるまでになっているといわれます。
しかしっ!
Shadeはけっして初心者向けの3DCGソフトではありません。

僕がShadeをはじめて知った頃、値段は170万円の超ハイエンドソフトでした。
100万円のMacintoshII、500万円のカラーコピー機、20万円のレーザーディスクプレイヤーなどとともに、僕にとっては「いつか金持ちになって買ってやるからな~コンチクショ~め」という憧れのアイテムだったのです……。
Shadeの基本インターフェイスであるベジェ曲線の習得に僕は3年もかかっています(習得したのはPhotoshop上で)。
ここで一句……「ベジェの上にも三年」
3DCGソフトの作業プロセスであるモデリング、材質設定、ライティング、カメラ設定、レンダリングなどはそれぞれ、プラモデルやカメラをいじっていた経験が生きました。また、Shade以前にStrataやRayDream、Swivel3Dなどをさわっていたので3DCGソフトの考え方や長所や短所を把握できていました。
そんな僕でもチュートリアルがなかったらShadeを使えるようにはならなかったしょう。

余談ですがShadeの「R」シリーズになってからのマニュアル・チュートリアルはすばらしい出来です。僕が今まで買ったすべてのソフト(ジャンル・国内・海外問わず)の中で紙質・デザイン・内容、ともに最高のものです。
Shadeを買ったら、まずチュートリアルのロボット君を作ってみましょう。この作例は非常に良くできていて、Shadeの基本操作を一通りおぼえることが出来るようなっています。
最近よく、Shadeを買っていきなり美少女などを作ろうとして「でき~ん!」などと騒いでいる方を見かけますが、僕に言わせれば百万年早いです。
チュートリアルのロボット君を作るのは当然として、まずは単細胞生物から始め、じょじょに魚類、両生類、は虫類、鳥類、と進化系統樹にそってモデリングのレベルを上げていき、最終的に霊長類に到達すべきです。そこまでやれば美少女のモデリングの一つや二つ、物の数ではないはずです。

話がわき道にそれましたが、Shadeを購入するのなら、以上のことを念頭に置いた上で、自己責任で購入しましょう。

長い長~い地獄の果てに一瞬かいま見る天国、それが3DCG。
自分はもしかして馬鹿なんじゃなかろうかという疑念と戦いつつ、暗いワイヤーレーム画面と戦い、たまにレンダリングする一瞬、「俺は神だっ!神なんだぁ~!!」と造物神の気持ちを理解する、それが3DCG。
神のごとく創造しても、バックアップを取り忘れたままハードディスクがとぶと霞のごとく手元には何も残らない、それが3DCG。
CG地獄で~男を磨け~♪(あ、別に女でもいいです)