水面の白い手 |
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漫画家・バディプロダクション所属 「i」さん(男性)香川県出身 |
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この話は、祖母と僕とお化けの思い出ばなしだ。 |
その年の冬、ため池は全面凍結していた。 |
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僕はその時初めて、死体というものを見た。 |
そんな事があったもんだから、よけいに祖母の「思いやりのウソ」が激しさを増して、僕がため池で遊んでるのを見ると、鎌を振り回して、「オバケが出るぞッ引きずり込まれるぞッ」と叫んでいたが、僕はやっぱり、平気だった。 |
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そして10歳の冬。 |
畑に祖母が見えた。 |
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それは戦時中、祖母がまだ若かった頃の話。 |
丑三つ時、ある下り坂にさしかかった時、すぐ横にため池が見えた。月明かりの無い夜のため池は、大きな穴に見えたそうだ。 |
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「その、白い手って誰なん?」 |
夜になって風呂に入ると体中がピリピリした、傷だらけだった。 |
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※本コーナーに登場する人物名は、すべて仮名です。 | ||
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