2008年夏休みUFOスペシャル

2008年夏休みUFOスペシャル

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 03.jpg UFO本 [ 上級編 ] ★★★
 
 

  •  この本はUFO本ではなく、実話怪談本シリーズの一冊。同じく実話怪談本の長寿シリーズである『超』怖い話」と人気を二分する、実話怪談本の「西の横綱」である。シリーズ全10巻(完結)のうちの4巻目にあたるこの「新耳袋・第四夜」の後半に、実話怪談本としては非常にまれなUFOにまつわる話である「UFOの八つの話」と、それに続く超常現象譚「山の牧場にまつわる十の話」が掲載されている。
  •  「UFOの八つの話」は、UFO目撃の状況ではなく、目撃した人のその後の不可解な顛末が描かれている。また「山の牧場にまつわる十の話」は通称「山の牧場の話」として関西圏では80年代から有名な怪談らしい。話の中にUFOや宇宙人が出てくるわけではないのだが、後からジワジワくる寒気を味わうことができる異次元的恐怖譚である。怪談史上初の試みとしてUFO事件の恐怖を扱った本書を読めば、UFOに対する認識を改めることになるだろう。

 
 

 

04.jpg UFO本 [ 超上級編 ] ★★★★★
 
 

  •  今回の夏休みスペシャルでは、初心者の方にオススメできる「やさしいUFO本」を厳選して紹介してきたわけだが、最後に超本命を紹介して終わりにしよう。本書は数あるUFO本の中でも、類いまれなるオリジナリティーと超弩級の衝撃を合わせもつ「超傑作であり奇本(大槻ケンヂ推薦文より)」である。残念ながらすでに絶版になってしまっている本書だが、古本なら今アマゾンで100円以下で購入できる(新書判と文庫判があるが、内容はどちらも同じでどちらも100円以下)。本書は読まなくても実生活になんら支障はないが、本書を読まずして真の「UFOの面白さ」を知ったとは言えない。もう一度言うが、本書はUFO本の傑作である。
  •  本書の著者である「郡純」氏のこれ以外の著作が見当たらず、氏が日本支部長を務めるという「プロジェクトIIA」なるUFO団体も、他で聞いたことがない。のみならず、本書で扱われている数々の海外・国内の恐るべきUFO・宇宙人遭遇事件は、これまた他ではまったく聞いたことのない事件のオンパレード。しかしこの事件の数々は「ウソ」「でっち上げ」の一言で片づけられるほど甘くはない。ボートピープルの青年をリンチするウシ頭の宇宙人、文化大革命時の中国で紅衛兵につかまり尋問される宇宙人(その筆書きの再現イラストがまた秀逸!)、国内編では御殿場でビデオに撮影されたメン・イン・ブラック(!)、九十九里浜に打ち上げられた宇宙人の死体、等々……どれも一筋縄ではいかない驚愕の事件ばかりである。
  •  本書の最後は、ラゾフスキー博士という人と対談する著者が、1992年の米大統領選でジョージ・ブッシュ(今の米大統領ブッシュの父。湾岸戦争当時の米大統領)が再選するとともに、レティクル座人(!)と結託した「地球統一政府」の盟主の座にもブッシュが着くという予言を残して終わっている。実際には1992年の米大統領にはクリントンが就任したことは周知の事実だが、今の2代目ブッシュがレティクル座人の傀儡でないことを、震えながら祈るばかりである。

 
 
 

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〜UFOちょっといい話〜
『宇宙人の死体写真集』

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 これも残念ながら現在は絶版だが、『UFO大図鑑』『宇宙人大図鑑』と同じグリーンアロー出版社の本に『宇宙人の死体写真集(中村省三著/1989年)』LinkIcon『同2(1991年)』LinkIconというものがある。新書判の本で、「死体写真集」という衝撃的なタイトルのわりには肝心の死体写真は後半に数える程しかないのだが、詳細な宇宙人遭遇事件の数々と、豊富な目撃者イラストが味わい深く当時としては貴重な資料だった。古書として購入する機会があればぜひ手に取ってもらいたい。

『妖怪現わる』

 『新耳袋』の著者のひとり中山市朗氏の著作に(これまた絶版本で申し訳ないが)『妖怪現わるー現代妖怪談義(遊タイム出版/1994年)』LinkIconというものがある。この本も決してUFO本などではなく、現代の人たちによる妖怪目撃譚を集めた異色のオカルト本である。だがその中の「第四章・河童のこと」の内容は、微妙に宇宙人遭遇事件とリンクしてくる。『新耳袋』の前段階となる貴重な「宇宙人にまつわる話」が味わえる。

大槻ケンヂ vs 大槻教授

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 これまた非常に残念ながら絶版本なのだが、かの「筋肉少女帯」大槻ケンヂと「火の玉教授」早稲田大学教授・大槻義彦のふたりが奇跡のタッグを組んだ『超常事件簿ーオカルトファイル(大槻義彦・大槻ケンヂ共著/小学館/1995年)』LinkIconという本がある。UFO・宇宙人も含めたオカルト全般をふたりの対談を交えて切り刻むという、抱腹絶倒の内容。中身は非常にくだけた感じで堅苦しさは皆無だが、大槻ケンヂのオカルト愛(というかプロレス愛)、また大槻教授の熱き科学者魂に触れることができる。また実家に帰省する大槻教授を追ったルポでは素朴な一面を垣間見られるし、大槻ケンヂの「オカルトやめます」宣言では当時深刻だった精神状態を知ることができる。単なるオカルト批判ではない、かといってオカルトべったりでもない最高に読んで楽しいオカルト本だ。