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さてこのコーナーの趣旨は「UFO素人」であるみなさんを、立派な「UFOファン」に育て上げることにある。しかしここで勘違いしてはならない。目指すところはUFOを楽しむ「UFOファン」であって、決して「UFOマニア」ではない。マニアの領域はほかの人に任せておいて、おいしいところだけをいただくのがUFOを楽しむコツである。
しかしそうは言っても、有名なUFO事件や歴史などをある程度は知りたくなるのも人情というもの。そこで私、ツトム純一が独断と偏見で初級・中級・上級に分けた初心者向け「UFO本」をみなさんに紹介していく。ここで紹介した本で食い足りないようなら各自で探求していってもらいたいが、ひとくちに「UFO本」と言ってもその内情はさまざまで、本によっては数々のワナが仕組まれていることを忘れないでもらいたい。
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並木伸一郎先生といえばオカルトライターの第一人者であり、手がけるジャンルはUFOからUMA(未確認神秘動物)、オーパーツ(場違いな加工物)、霊現象・奇現象、はては都市伝説と幅広く、膨大な量の著作を生み出している。が、その内容は出来不出来が激しく、オカルトファンの私から見ても「こんなウソっぽい写真を本物として載せるなんて…」と思うこともしばしば。ただしすべての著作がそうであるわけではなく、しっかりとオカルト資料として参考にできるものもある。並木先生の著作を買う場合は、内容をじっくりと吟味してからにしよう。
UFO本の中には「チャネラー」と呼ばれる人が書いた著作がたくさんある。「チャネラー」とは遠い星に住む宇宙人とテレパシーで通じているという、いわば「宇宙人版イタコ」といった人たちのこと。こうした人たちの本にはUFOや宇宙人との遭遇話も書かれていたりするが、内容の大半は宇宙人をダシにした説教臭い話に終始していることがほとんどである。俗に言う「スピリチュアル系」というジャンルの本とほとんど同じだと思ってよい。「たかがUFO」と油断していると、いつの間にかUFOカルト(※)に引っ張り込まれないとも限らない。宗教臭い本には気をつけよう。
(※)…教義にUFOや宇宙人が出てくる新興宗教のこと。1997年、米サンディエゴで「ヘヴンズ・ゲート」を名乗るUFOカルトの信者39名が集団自殺を図った事件などが有名。そのころ太陽に近づいていたヘール・ボップ彗星とともにUFOがやって来るとして、死ぬことでそのUFOに乗り移れるという理由だった。