2008年夏休みUFOスペシャル

2008年夏休みUFOスペシャル

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●独断でオススメ選出!初心者向け「UFO本」

 
 さてこのコーナーの趣旨は「UFO素人」であるみなさんを、立派な「UFOファン」に育て上げることにある。しかしここで勘違いしてはならない。目指すところはUFOを楽しむ「UFOファン」であって、決して「UFOマニア」ではない。マニアの領域はほかの人に任せておいて、おいしいところだけをいただくのがUFOを楽しむコツである。
 
 しかしそうは言っても、有名なUFO事件や歴史などをある程度は知りたくなるのも人情というもの。そこで私、ツトム純一が独断と偏見で初級・中級・上級に分けた初心者向け「UFO本」をみなさんに紹介していく。ここで紹介した本で食い足りないようなら各自で探求していってもらいたいが、ひとくちに「UFO本」と言ってもその内情はさまざまで、本によっては数々のワナが仕組まれていることを忘れないでもらいたい。
 
 

01.jpg UFO本 [ 初級編 ] ★☆☆
 
 

  •  UFO・宇宙人、またUMA(未確認神秘動物)などの膨大な著書を持つオカルト界の重鎮・並木伸一郎先生の「宇宙人本」。タイトル通りUFO事件より宇宙人目撃事件が主な内容。発行が2003年とちょっと古いが、古今東西の主立った宇宙人目撃・遭遇事件を網羅しており、写真もたくさん載っている。2003年までの宇宙人の写真は、ほぼこの一冊で事足りるだろう。特筆すべきは豊富な写真だけでなく、宇宙人目撃者による手書きの再現イラストもたくさん載っていること。この手書きの素朴かつ深い味わいを堪能できてこそ真の「UFO・宇宙人ファン」と言える。未見の方はぜひ挑戦していただきたい。

 
 

  •  こちらも並木先生の本。主なUFO事件から宇宙人目撃例まで、豊富な写真図版とともにバランスよく収録している。今年2008年初頭に出た本なので最新事例もバッチリ収録。並木先生のUFO本には『UFO大図鑑(グリーンアロー出版社)』LinkIconという10年前の本もあってこちらも良いのだが、残念ながら現在は絶版で古本でしか手に入らない。ここ最近、途方もない数の著作を続けざまに出している並木先生だが、意外にもこの『UFO現象FILE』が10年ぶりのUFO本なのだという。「決定版」という言葉にウソはなさそうだ。

 

  •  ぱっと見はずいぶんフザケた本のように見えるが、内容は海外の主だった実際の宇宙人目撃・遭遇事件をきちんと取り扱っている。これを読むと実際に起きたとされるUFO・宇宙人目撃事件が、映画をもしのぐ荒唐無稽さであることを実感させられる。また映画やハードロックといった文化面に与えた影響を解説しているのが面白い。全体的にくだけた感じなので、堅苦しい本が苦手な人にオススメ。

 
 

 
 

02.jpg UFO本 [ 中級編 ] ★★☆
 

  •  UFO目撃事件の始まりである「ケネス・アーノルド事件」から近年の事例まで、UFO史上重要な事件をイラスト図解で非常にわかりやすく解説している好著。さらにUFO事件にまつわるキーワードやUFO研究者や団体、UFO学説まで解説している。UFOや宇宙人の写真図版はなく事件についての解説も概要だけだが、とりあえずこの本を読んでおけばUFO知識は十分だ。

 

  •  UFOと言えば矢追、矢追と言えばUFO。日本UFO界の巨星、矢追純一の30数年にわたるUFO研究の総まとめがこの著作である。矢追純一と言うと、制作したテレビ番組や著作の内容に事実誤認が多いなどの理由で軽く見られがちだが、この人なくして今の日本のUFO界はありえないと言えるだろう。その真価は著作よりテレビ番組・UFO特番で発揮され、思考するスキを与えない密度で繰り出される驚愕のUFO事件の数々に、当時の多感な少年たちの脳髄はシビレっぱなしであった。氏の作るUFO特番は、当時のどんな番組よりも神がかり的な面白さと衝撃力を持っていたのである。氏がテレビ番組制作の第一線を退いて10年以上が経つわけだが、いまだ氏の番組を超えるUFO特番にはお目にかかれない。今現在、映像記録として氏の番組を見ることができないのが本当に悔やまれる。早急の製品化を望むところである。
  •  さてこの『UFO大全』、400ページを超えるボリュームなだけに内容も盛りだくさん。おなじみのロズウェルUFO墜落事件から懐かしのMJ(マジェスティック)12、キャトル・ミューティレーションやモントーク・プロジェクト、ナチス製UFOや宇宙ステーションの話まで、矢追純一UFO特番を網羅している。特筆すべきは、日本における事件の一章で紹介されている「イヌ耳の骸骨宇宙人」の話。読めば脳髄がシビレること間違いなし。とりあえず「矢追UFO特番世代」の人なら、これを読まずしてUFOは語れない。読んでシビレよう。

 
 

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〜UFOちょっといい話〜
並木先生に気をつけろ!

 
 並木伸一郎先生といえばオカルトライターの第一人者であり、手がけるジャンルはUFOからUMA(未確認神秘動物)、オーパーツ(場違いな加工物)、霊現象・奇現象、はては都市伝説と幅広く、膨大な量の著作を生み出している。が、その内容は出来不出来が激しく、オカルトファンの私から見ても「こんなウソっぽい写真を本物として載せるなんて…」と思うこともしばしば。ただしすべての著作がそうであるわけではなく、しっかりとオカルト資料として参考にできるものもある。並木先生の著作を買う場合は、内容をじっくりと吟味してからにしよう。
 

チャネラーにも気をつけろ!

 
 UFO本の中には「チャネラー」と呼ばれる人が書いた著作がたくさんある。「チャネラー」とは遠い星に住む宇宙人とテレパシーで通じているという、いわば「宇宙人版イタコ」といった人たちのこと。こうした人たちの本にはUFOや宇宙人との遭遇話も書かれていたりするが、内容の大半は宇宙人をダシにした説教臭い話に終始していることがほとんどである。俗に言う「スピリチュアル系」というジャンルの本とほとんど同じだと思ってよい。「たかがUFO」と油断していると、いつの間にかUFOカルト(※)に引っ張り込まれないとも限らない。宗教臭い本には気をつけよう。
 
 
(※)…教義にUFOや宇宙人が出てくる新興宗教のこと。1997年、米サンディエゴで「ヘヴンズ・ゲート」を名乗るUFOカルトの信者39名が集団自殺を図った事件などが有名。そのころ太陽に近づいていたヘール・ボップ彗星とともにUFOがやって来るとして、死ぬことでそのUFOに乗り移れるという理由だった。