[ 2004 夏休みホラースペシャル ]

 戦慄!千葉県怪奇心霊スポット
〜 後 編 〜

怪奇ナビゲーター:ツトム@管理人(千葉県流山市在住)
2004.08.24

[ 前編はこちら ]



前口上・生まれた町とそのとなり町

私の住む千葉県の怪奇心霊スポット紹介、その後編である。

私の生まれは千葉県柏市の逆井(さかさい)という、歴史の浅い新興住宅地だった。逆さの井、と呼ばれるほど水の豊富な土地であり、私が住んでいたころには湿地帯というか、小さな沼がそこかしこに散在していた。

私の生家から道一本はさんだとなりはS町といい、地図上では松戸市になっている。市が違うわけだから、大人の生活も、子供の行く学校も微妙に違ってくる。しかし子供にとっては、柏市でも松戸市でも、家の近所であることに変わりはない。同じ年頃の子供がいれば一緒になって遊ぶし、S町にだって遊び場を求めて行くこともある。

ところが、この道をへだてたとなりのS町は、なぜか大人たちの評判がよくなかった。いわく、自殺が多い。事件、事故も多い。S町のゴミ焼却場では事故があり、爆発して人の首が宙を舞った。そんな話を、現実主義者の親がしていたものだった。

真偽は定かではない。だから、たわいのないウワサ話である。しかし土地に依存する「怪奇な話」というものを、特別な理由や歴史を問わず作り出してしまうのが人間の性である、ということを、幼い私はこの話で知ることとなったのだった。

あなたの住む街も、いつの間にか怪奇スポットの仲間入りを果たしているとも限らないのである。


本企画で紹介している場所において、付近住民の迷惑になるような行為は慎むようお願いいたします。
[ 怪奇心霊スポットマップ ]




スポット5:恐怖!八柱霊園

やばしられいえん 〜 千葉県松戸市



千葉県内でもっとも有名な「幽霊墓地」である八柱霊園は、
東京都の人口増加を理由に松戸市に造られた都立墓地である。
この霊園内の「第十三区」には無縁仏の墓があり、心霊現象が
多発することで知られている。



→ 昭和10年に開園したという歴史ある八柱霊園だが、現在はきっちり整備され、その歴史の面影を見い出すことはできないほど奇麗で近代的な霊園である。この霊園には講道館柔道の創始者・嘉納治五郎の墓があるらしいが、歴史的人物や有名人の墓が少ないのも、霊園の古さを感じない理由のひとつだろう。

→ この八柱霊園は東京ドームの約20倍という面積を持ち、園内を自動車で移動できるよう道は舗装されている。現代的なデザインの真新しい墓も多く、さっぱりとして清々しい昼間の園内は、とても怪談の舞台とは思えない雰囲気だ。

→ しかし夜ともなると話は別である。昭和4〜50年代には「幽霊が出る」と騒ぎになり、テレビ番組や新聞記事に取り上げられたこともあった。

→ またこの近辺では、都市部で典型的な「タクシー怪談」も流布していたようだ。ネット上ではこのような怪談話も読むことが出来る(すばる交通株式会社HP)。

→ しかし最近はもっぱら、この霊園内の怪談話の中心は、無縁仏が眠る「第十三区」ということになっている。いわく、人影が横切る、人の声や足音がする、赤いレインコートの女が現れる、車のエンジンが止まってしまう、などなど…バラエティに富んではいるが、どれも怪談話としてはありふれたものばかりである。

→ また無縁墓地や首なし地蔵があると言われる「第四区」も心霊現象が頻発すると噂されているが、この手の話には「4」や「13」といった不吉な数字が付き物で、話の内容はいかにも後付けという印象を拭えないものが多い。怪談話の担い手の中心がティーンエイジャーであることが最大の理由だろう。





スポット6:震撼!雄蛇ヶ池

おじゃがいけ 〜 千葉県東金市



「房総の十和田湖」の異名を持つ、この歴史のある人工池からは、
夜になると、すすり泣く女の声が聞こえてくるのだという。
池のほとりに住んでいた娘が入水し、巨大な白い雄蛇と化したという
伝説が、今もこの地に伝わる。



→ 房総半島の中央東に位置する東金市に、舞台となる雄蛇ヶ池は存在する。周囲約4km、人工の農業用ため池である。1604年、幕府の代官・島田重次が干ばつ対策として造ったという。現在はバスフィッシングでにぎわう池として知られている。

→ 池には次のような伝説が伝わっている。この池の近くの村に、サキという娘が嫁いできた。サキは大変器量がよく、夫の茂助と仲睦まじく暮らしていた。しかし茂助の母カンは、事あるごとにサキにつらく当たり、サキが織った雨乞い用の布を破り裂いてしまった。サキは悲しみに暮れ、とうとう池に入って戻ってこなかった。その後、雨が静かに降る日には池から布の折る音が聞こえてくるという。

→ また、娘が池に住む大蛇に呼ばれて入水した話、あるいは池に入水した娘がオスの白蛇になったという話も伝わっている。いずれにせよ、この池では古くから大量の入水自殺者を飲み込んできたことが伺い知れる。また干ばつ対策として造られた池ということもあり、この一帯では雨乞いのための人柱の儀式などもあったのではなかろうか。

↓↓↓クリックで詳細画像↓↓↓

→ 私が訪れたのは夜1時ごろで、木々に囲まれた周囲は一点の光もない暗闇。懐中電灯で池の方向を照らしてみるが、ハスの葉が覆い茂っていて水面は伺えない。このままでは写真に撮っても池に見えないので、池の周囲を巡る遊歩道を歩いて撮影スポットを探してみることにした。

→ 遊歩道は林へと続いており、中は夜空さえも見えない完全な暗闇状態。本当に池の周囲を回っているのか心配になってくる。少し歩くと木々の間から空が見え、どうやらちゃんと池を巡っているらしいことがわかる。

→ そのうちに、遠くから人の声が聞こえ始めた。心霊現象かと思いきや、どうやらキモ試しにいそしむ若者グループのようである。しばらく歩くと、前方から4〜5人の若者が歩いてきた。私とすれ違っても特に驚く様子もない。夏場のキモ試しポイントとして、すっかり定着しているのだろう。

→ そうこうするうち、何やらあちこちで笑い声や叫び声がし始めた。どうもキモ試しグループはひとつではないらしい。おりしも土曜から日曜にかけての夜であった。彼らが撮影の邪魔になるわけではないが、こちらの興がすっかり醒めてしまったのは言うまでもない。

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→ この場所での怪奇体験談というのも、いくつかのバリエーションがあって一定ではない。いわく、池から女のすすり泣く声が聞こえる、水面が血の色に染まる、水面に女の姿が現れる、背後から何者かに抱きつかれる、斧を持った血まみれの老人が追いかけてくる…といった具合だ。何か起きてもおかしくないが、実のところ具体的には何も起きてない…というのが真相かも知れない。

→ ここに釣り目当てでやって来る釣り人たちにとっては、夏場のキモ試し行為がはなはだ迷惑なようだ。「この池の心霊現象なんて聞いたことがない。テレビ番組のでっち上げなんじゃないか」といった釣り人の話もあるようだ。

→ さて、1時間ほどかけて池のまわりを一周し写真も撮り終え、次なるスポットを目指すべく車に乗り込んだ。手荷物をまとめようと車内灯をつけて助手席を見ると、一本の茶色い髪の毛が…。長さは50cmほどもある。この車に女性を乗せたことはないので、この池で初めてのお客さんを乗せてしまったのかも知れない。この後、何もなければ良いのだが。


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