[ 2004 夏休みホラースペシャル ]

 戦慄!千葉県怪奇心霊スポット
〜 後 編 〜

怪奇ナビゲーター:ツトム@管理人(千葉県流山市在住)


本企画で紹介している場所において、付近住民の迷惑になるような行為は慎むようお願いいたします。
[ 怪奇心霊スポットマップ ]



スポット7:地獄!京葉道路

けいようどうろ 〜 東京−千葉間



そのあまりの死亡事故者の多さから、開通当初から「死の暗闇」と
怖れられた京葉道路は、高速道路怪談の先駆けとなった。
母子の幽霊、白い火の玉、双子の首…、
未だ数々の怪談に彩られた恐怖の高速道路である。



→ 1960年(昭和35年)4月に開通した「京葉有料道路」は、国道14号線の渋滞緩和を目的として造られた、都内で最初の有料道路である。東京から船橋方面へ向かう産業道路のバイパスとして開通した高速道路だった。

→ しかし現在の自動車専用道路と違い、開通したばかりの京葉道路は、田畑の真ん中を通る歩道つきの道路だったという。高速道路なのに照明灯がほとんどなく、歩行者の横断も可能という、危険きわまりない道であった。

→ 開通から一ヶ月後、バイクでの死亡事故が発生した。これがこの道路での事故第1号になった。その3日後、まったく同じ地点で今度はトラックが事故を起こす。その10日後にも事故が起きた。現場は見通しが良い直線で、所轄の小松川署の調査でも原因らしきものはつかめなかった。

→ その後も同地点での事故は続いた。7月の夜、走っていたトラックの前に髪を振り乱した女が躍り出た。運転手はブレーキをかけたものの間に合わず、ひいてしまった手応えを感じ、車から飛び降りた。しかし道路にも車の下にも女の姿はなかった。不審に思いながら車に乗ろうとしたところ、血まみれの女が背後に立っていた。

→ 路上で気絶していたトラック運転手を通りがかりの車が見つけ、警察へつれていった。警察官が現場を調べたものの、事故の痕跡は見つからなかったという。これが京葉道路での怪談の始まりとなった。






→ 翌1961年(昭和36年)2月には、道路を横断しようとした主婦がひかれて死亡した。子供の急病を知らせに医者の元へ行こうとしていた途中の事故だった。その後、この場所では母子の幽霊が目撃されるようになった。

→ 死亡事故件数もついに国内最多を記録した。事故検証中の警察官まではねられるに及んで、新聞などのメディアを中心に「死神道路」「地獄道路」「死の暗闇道路」などといった名で呼ばれるようになった。

→ ただ幽霊目撃に関しては、本物の「歩行者」を見間違えたのだろうとする見解もあった。照明がなく真っ暗な道路を人が横断するので、人と幽霊の見分けがつかない場合もあったと思われる。

→ 現在伝わっているこの道路の怪談話は、市川市の市川IC、千葉市の穴川IC付近などが中心だ。作業着姿の中年男性、青白い球体、白い人影、さらには首のない子供を乗せた自動車、はたまた双子の生首を乗せた自転車(!)の目撃談まで多種多彩である。




スポット8:最恐!観音隧道

かんのんずいどう 〜 千葉県富津市



東京湾に面した富津市の山頂に、白亜の巨大観音像が建っている。
そこへいく途中の隧道(トンネル)は、関東の中でも「最恐」の
称号を持つ心霊スポットと噂されている。



→ テレビの心霊番組でおなじみだったタレントの故・池田貴族氏いわく、「関東でもっとも怖い心霊スポット」と言わしめたという場所が、東京湾に突き出た富津市の大坪山にある。その山頂には「東京湾観音」という巨大な観音像が建っているのだが、そこへいく途中の山道にある「観音隧道」というトンネルがその場所である。

→ 東京湾観音というのは、世界平和祈願のため1961年に建立された、地上56mのコンクリート製観音像。木場の材木商、宇佐美政衛氏が私財を投じて建てたという。中は螺旋階段で登れるようになっており、かつては観音の胸ののぞき窓から飛び降りる自殺者が後を絶たなかったといい、現在では金網で囲まれて自殺はできないようになっている。観音像自体を「心霊スポット」として紹介している本も多数ある。


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→ 観音像が建つ大坪山は、標高がわずか120mの小さな山で、車で山道を登るとあっという間に山頂についてしまう。私が訪れたとき、最初は途中の「観音隧道」に気づかなかったぐらいである。というのは、かつて山頂まではこのせまいトンネルをくぐらねば行けなかったのだが、現在はきちんと舗装された道路が迂回路として通っているためだ。

→ 数年前まではトンネルも使えていたようだが、現在は写真にあるように、金網で完全に封鎖されてしまっている。中は自動車が1台通れる程度の幅しかなく、事故も絶えなかったのだという。

→ トンネルを封鎖している金網は一部が破られ、誰かが侵入したような跡が残っていた。恐らくはキモ試しに訪れた者たちの仕業だろう。しかしこの場所は、実は自動車で通らないと意味はなさそうだ。

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→ 有名な話としては、夜中にこのトンネルの真ん中まで車で侵入し、クラクションを3回鳴らすと「女が現れる」「リアガラスに赤い手形がつく」「車が揺すられる」「無数の顔がのぞき込む」といった具合である。

→ この話はいかにも子供受けしそうな話だが、その他にも「後部座席に誰かが座っている」「トンネルの壁に顔が浮き出る」「ガードレールに顔が浮かび上がる」「トンネルの壁の中から声がする」「トンネルを抜けるとあるはずのない家がある」などの話が伝わっている。

→ この山の反対側には、太平洋戦争中に造られた、海軍の地下軍需工場の跡が今も残るという。この地で語られる怪談話は、忌まわしき戦争の記憶を抜きに語れないのかも知れない。

( 終 )



参考文献
幽霊は足あとを残す/小池壮彦/扶桑社
恐怖巡礼/怪奇ミステリー探偵団・編/青春出版
最新日本の心霊恐怖スポット100/山岸和彦/二見書房
実写!! 怪談百名所/中岡俊哉/二見書房
「幽霊見たい」名所ツアー/三木孝祐/二見書房
関東近郊ミステリースポット紀行/池田貴族/KKベストセラーズ
本当にある「怖い場所」案内/笠倉出版
恐怖の心霊ゾーン・ガイド/学研
心霊ゾーン・ガイド/学研
怨霊地図〜関東一都六県〜/宝島社


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