お絵描き掲示板作品:No.4

[ 女王様 ]

塾 長 解 説

ラバー戦闘服姿の「女王様」イーライさん。おでこの「↓」がなかったら誰だかわからんが、それも公然の秘密である。この頃から、黒と白のメリハリが効いたシャキッとした絵が描けるようになった。モノクロ画は言うに及ばず、カラー絵にも「黒」が重要であることを知った一枚。


1・下書き

 これもルリハーと同じく、始めからイーライというモチーフは決まっていた。しかし自分からイーライと言い出したくせにどんな絵にするかなかなか決まらず、ボケーっと3時間ほど考えた。始めはお色気路線でいこうと考えていたのだが、このお絵描き掲示板環境でそれは自殺行為と判断(笑)、またまた顔のアップに決定。よさげな写真を参考にイーライさん風にアレンジして下書きを描いていく。前回と同じく下書きはレイヤー1(上レイヤー)に描いて、下レイヤーに色塗り、最後に下書きを消去するという行程順だ。この時点ではちゃんとイーライさんを意識していたことがうかがえる(笑)。

2・下塗り/顔の本塗り

 やはり前回と同じように、薄い肌色をキャンバス全体に塗りつぶし、大まかに色をつけていく。その後もっとも神経を使う顔の色塗りに入る。下からのライティングを意識して、影とハイライトを入れる。特にクチビルは前に出してキュートさを演出。だいだい顔はこれで出来上がりだが、この時点ですでにイーライさんに見えなくなってしまっている(泣)。線一本の差で表情が変わってしまうのが難しいところ。

3・下塗り/体と服

 体と服の下塗り。この服は単行本9巻に登場した戦闘服だが、これだけでは単なる女王様ファッションにしか見えない。左肩に添えている右手は参考にした写真にはなかったのだが、絵的なバランスを取るために描き添えた。ひたいの「↓」マークをムラサキ色にすることは始めから決めてあるので、統一感を与えるためにマニキュアもムラサキにしてある。ちょっとした工夫だが、こういう統一感を出すことで色的にも安定した絵になる。しかし統一しすぎると面白みがなくなるので注意。例えばこの絵で言うと、服や背景をムラサキ色にしてしまってはクドすぎる絵になってしまう。あくまでも「さりげなく」演出。

4・服の本塗り/髪の毛下塗り

 暗い色を使って服を塗っていく。ハイライトの部分だけわずかに残し、ほとんどを黒で仕上げる。女王様風のテカテカの素材というイメージなので、フチの部分にハイライトを入れてある。ここで黒を使ったのに伴い、髪の毛の下地も黒で塗りつぶした。前回のルリハーでは黒を多用することができなかったが、今回は黒を多く使うことでシャキッとしたメリハリのある絵になった。ひたいの「↓」マークと瞳に青っぽい灰色を入れ、細かいハイライトも入れて顔はほぼ完成。背景はアッサリと白で塗りつぶした。

5・髪の毛本塗り

 いよいよ最後の難関・髪の毛に突入。この時点ではもうレイヤー1の下書きは「消し四角」で消してあり、上から色を塗ってはレイヤー統合するという方法を取っている。当然髪の毛もレイヤー1に描いて、上からかぶせていく。「水彩」の1ピクセルで、明るめの茶色で髪の毛を一本一本描く。しくじったら消しペン1ピクセルや3ピクセルで消していく。色も変えつつ、根気よく続ける。どんどん髪のボリュームが増えていき、ますますイーライから遠ざかっていくが仕方がない(笑)。やけっぱちで似せることをあきらめ、髪の毛に集中する。

6・仕上げ

 髪の毛は逆光になることを頭に入れつつ、ハイライトを入れていく。明るい茶色でやはり一本ずつ髪を描く。髪の毛だけでゆうに1時間はかけたと思うが、それなりのサラサラ茶髪の感じにはなったと思う。だがイーライさんは本来ツヤツヤの黒髪であった(涙)。髪の毛が終わった後、全体的な陰影をさらに強めるために、「覆い焼き」と「焼き込み」ツールを使ってコントラストを強調していく。ただしこれもやり過ぎに注意。細かいところを修正してフィニッシュとした。しかし似ていないのは修正不可能であった(爆死)。

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