皮 つ き 都 市 伝 説
◆ 第1食:特選!人毛ショウユ ◆


◆ 第1食:特選!人毛ショウユ ◆


人毛ショウユ」なんて話聞いた事ないよ、という人でも、似たような話は耳にした事はあると思う。例えば「味の素は髪の毛から出来ている」といった類の話だ。後述するが、この話も根拠がまったくないわけではない。しかし今現在、人の手でせっせと髪の毛を集める手間をコスト的に考えてみれば、この話がいかに荒唐無稽であるかがおのずとわかるだろう。

これは「ミミズ肉ハンバーガー」の話にも同様の事が言える。

私たちが食卓で利用している普通の醤油は、煮た大豆と小麦に種麹(たねこうじ)を混ぜて「麹(こうじ)」を造り、塩を加えて寝かした「もろみ」をさらに半年以上醗酵させる事で作られる。日本では大豆などの植物性タンパク由来アミノ酸からできたものを「しょうゆ」として売っているので、
人毛のような動物性タンパクから作られたショウユは一般には売られてはいない。

魚から作られる「魚醤(ぎょしょう)」などの類は、JAS(日本農林規格)分類では「しょうゆ」に入らない。
→ 参考:キッコーマンしょうゆ博物館
→ 参考:Wikipedia 醤油

ところが「人毛ショウユ」なるものは都市伝説かと思われていた矢先、3年前の2004年1月、中国で「人毛ショウユ」が作られ市場に出回っていた事実が発覚しニュースになった。この事は「
四本足なら机以外は何でも食べる」とまで言われる食欲旺盛な中国の人たちにとっても衝撃的だったようだ。ウワサでは最近の日本人や中国人は多くの人が髪を染めているので、髪の毛から染料を抜く手間のため「人毛ショウユ」には向いていないという。そこで原料の髪の毛は、もっぱらインド人のものを集めてくるらしい。まあこの話も「都市伝説」のひとつである。

→ 参考:X51.ORG 醤油は人毛より生まれり 中国
 さらに「人毛ショウユ」の上を行くこんな仰天ニュースも。
→ 参考:痛いニュース(ノ∀`) 【中国】1ヶ月に30トンもの「食用ハエ」を…

日本においてはまず「味の素」製造法の開発者、池田菊苗(1864〜1936)によってグルタミン酸抽出時の副産物を使った「
アミノ酸しょうゆ」の製法が考案される。この「アミノ酸しょうゆ」というのは化学薬品を使ってタンパク質からアミノ酸を抽出して作る醤油の事で、主に魚などを原料にして作られるが、髪の毛から作る醤油もこの「アミノ酸しょうゆ」に該当する。第二次大戦中、および戦後には食料不足によって大豆が手に入らなくなり、巷で「人毛ショウユ」が出回ったとウワサされたという。さらには「床屋に髪の毛を買いに来るのは佃煮屋」(味付けのショウユに使うため)「弁当についてくる醤油は人毛ショウユ」などとまことしやかに語られていたようだ。



★ 人毛ショウユ製造法


 
材料 … 髪の毛 / 塩酸 / カセイソーダ(水酸化ナトリウム)

さて前置きはこの辺にして、いよいよ問題の「人毛ショウユ」製造に取り掛かろう。とは言えこの「人毛ショウユ」、材料も製法もいたって簡単。10%に薄めた
塩酸水溶液で髪の毛を丸一日煮沸し、ろ過した後、水酸化ナトリウムの水溶液を加えて中和する。たったそれだけなのである。塩酸(HCl)を水酸化ナトリウム(NaOH)で中和すると、水分(H2O)と塩化ナトリウム(NaCl つまり塩)を生成し、そこに髪の毛のアミノ酸が加わって「アミノ酸しょうゆ」となる仕組みだ。

 
NaOH + HCl → H2O + NaCl

だが問題は、塩酸とカセイソーダ(水酸化ナトリウム)という
二大劇薬を使う点にある。強酸性の塩酸は皮膚にかかったら大やけど必至、気体の塩化水素ガスは猛毒ガスだ。そして強アルカリ性のカセイソーダも強烈なタンパク質腐食性を持ち、革靴に穴を開けてしまうほどの劇薬。どちらも目に入ったら失明の危険があるし、万が一飲み込んだらそれこそ命に関わることになる…とここまで書いて自分で恐ろしくなってきた。そんな劇薬調味料、口に入れてしまって大丈夫なのか?

とりあえず、塩酸とカセイソーダを用意しなければならない。このふたつは
劇物指定されているので、ドラッグストアなどでは置いておらず個人経営の薬局に行く必要がある。売られているという薬局を伝え聞いて行ってみると、私が生まれる前から薬を売っていたような老婆が店の奥から出てきて「いったいなんに使うの?」とダミ声で訊いてきた。まさかさわやかな笑顔で「ショウユを作るんですよ!」とは言えないので「水槽の砂利を洗うのに…ゴニョゴニョ」などと適当な言い訳をして、なんとか購入に成功した。

しかしこの塩酸、まだ封を開けてもいないのにビンに白い粉が吹き、酸っぱい臭いがしてくさい!カセイソーダは粒状なのであつかいやすそうだが、塩酸は置いておくのもちょっと怖い。余ったらせっせとトイレ掃除にでも使う他ないだろう。ちなみにカセイソーダは、てんぷらの廃油などを使った自作石けんを作る材料として使える。

→ 参考:高崎市ホームページ 使用済み食用油から石鹸を作る方法

次に
髪の毛だが、これは当然、自前の髪を切って用意する。都合のいい事に私は、毎回自宅でバリカンを使い坊主頭にしてしまうので、髪の毛の調達には事欠かないし金もかからない。ただ量が少なめなのがちょっと気掛かりだ。

 製造に使う器具 … ビーカー、コーヒーカップ各数個
 ガラスピペット / リトマス試験紙 / 手鍋 / 電熱コンロ
 ろ紙(コーヒーフィルター) / マスク、手袋、ゴーグル



超危険物・劇薬2種

髪の毛1人前

製造(実験)器具各種

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